Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

第11話 幸せを呼び込むタスク管理

著者: 福田弘徳

第11話 幸せを呼び込むタスク管理

© MR.LIGHTMAN1975

ビジネスの現場でよくある光景。「では、次回のミーティングのスケジュールは後ほどメールで」。その場でスケジュール調整を行えば話が早いのに、ついつい事後的にメールでやりとりしてしまう。

日々、我々の日常生活やビジネスの現場は、こなさなければならないタスク(課された仕事・課題)で溢れている。スケジュール調整や報告書作成、プレゼン準備など、業務内容やプロジェクトによって大きさも量も異なるタスク管理は、ビジネスパーソンの重要なスキルの1つだ。

アップストア(App Store)で「タスク」や「ToDo」と検索すると、豊富な種類のアプリが出てくる。そのくらいタスク管理を課題に感じている人は多く、管理の手法に対するニーズも多様性がある。しかし、本質的なタスク管理ができていない人は多い。スケジュール帳やカレンダーにタスクが溢れていて優先順位がわからない、一日のスタートに何から手をつけていいかわからない、タスクの設定があいまいでタスクの処理にかかる時間がわからないなど、タスク管理のルールが身についていないと、せっかくのアプリも台無しである。

私のタスク管理の方法はこうだ。まずタスクを徹底的に細分化し、仕事の大きさや状況を正確に把握する。「誰が、何を、いつまでに実行するのか?」といった最低限の項目でタスクを洗い出し、それからタスクをすべて書き出す。ツールの使い方に捉われず、タスクの入力の仕方を変えることが肝要だ。紙とペンの組み合わせのようなアナログツール、アプリやWEBサービスなどのデジタルツール、またはその両方の組み合わせだったとしても、ポイントは可能な限り簡単にした入力の仕方である。

次に優先順位を決める。緊急度や重要度など優先順位を決めるためのフレームワークはいろいろあるが、ゴールの設定ができていれば、重要なタスクを絞り込むことが可能である。そして最後に洗い出したタスクを取捨選択し、やらないことを決める。タスクが多く、忙しいと言っていることは褒められることではない。重要なタスクに対して、きちんと考える時間や決断のための準備をする時間がなくならないようにするのも大切だ。モビリティは、タスクが発生した際に、その場で片づけられるものはあとに残さないように助けてくれる。

ツールは、次の3つの視点から選んでいる。「シンプル」「マルチプラットフォーム対応」「習慣化」である。「シンプル」であることは、いつでもどこでも確認ができるという点で重要だ。iPhone片手でも簡単に入力が可能なものがいい。業務内容にもよるが、ガントチャートのような複雑なものではなく、簡単にどこからでも入力できるように、 iOSデバイスでもMacでも、ブラウザからでも入力・確認ができる「マルチプラットフォーム対応」のものがいい。この2つのポイントが揃うことで、3つ目の「習慣化」がしやすくなる。

この3つのポイントは、新しいアプリやサービスが登場したとき、愛用していたアプリが使えなくなってしまったときなどに、すぐに他に乗り換えられるようにするための1つの指標でもある。タスク管理の手法をしっかり決めておけば、今まで使っていたツールに固執することなく、新しいツールを使うことに抵抗なく始めることができる。

現場に配備されたiOSデバイスがパワーを発揮するために、あらゆる業務のスタートとなるのがタスク管理である。ビジネスを成功に導くために必要なことは、「緻密かつ徹底的なプロセス管理」だ。目の前の膨大なタスクに忙殺されることなく、効率的にタスクをこなすこと、タスクを管理できている状態こそがストレスフリーな状態となる。一日一日を幸せに過ごすためにも、日常生活や仕事の中のタスク管理を見直し、新たなタスク管理で幸せを呼び込んでほしい。

Hironori Fukuda

企業や教育機関向けのApple製品の活用提案や導入・運用構築を手がける株式会社Tooのモビリティ・エバンジェリスト。【URL】www.too.com/apple