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驚くほど軽いからどこにでも持ち運べる●はじめての人こそMacBook⑤

著者: 栗原亮

驚くほど軽いからどこにでも持ち運べる●はじめての人こそMacBook⑤

持ち物は吟味して、1グラムでも軽くするのが僕のスタイルです

四角大輔 YOSUMI Daisuke

森の生活者、執筆家、アーティストインキュベーター。ニュージーランド湖畔の森を拠点に、世界中で旅を続け、プロデュース、アンバサダー、アウトドアなどさまざまな分野で活動する。著書に『自由であり続けるために20代で捨てるべき50のこと』など。【URL】http://4dsk.co/

1グラムでも軽く

大手レコード会社に在籍中から、場所の制約を受けずに働く独自のワークスタイルを実践し、現在はニュージーランドの湖畔で自給自足ベースの〝森の生活〟を営む四角大輔さん。年の半分近くは日本を含め、世界中を旅する〝移動生活〟を送っているという。

「ニュージーランドの自宅は人里離れた森の中で、水道は引いていないのですがインターネット回線は来ています(笑)。それだけで仕事ができますから。そこにいないときは、とにかく移動しています。昨年は10数カ国周りました」

執筆や講演、企業や団体、個人へのアドバイザリー、アウトドアブランドやオーガニックフードのアンバサダーとしての活動など、多角的なビジネスを展開しているが、遠隔でのコミュニケーション、ビジュアル制作や原稿執筆などのクリエイティブワークに欠かせないのがMacBookだ。また、iPhone 6sプラスとアップルウォッチも使い、海外用のモバイルルータ「グローバルWiFi」を携帯する。

「レコード会社時代は会社指定のウィンドウズのモバイルノートと、PowerBook G4を併用していた時期もありました。2009年以降は13インチのMacBookエアを使い始め、昨年MacBookに切り替えました。理由ですか? なんといっても、1キログラムを切る(920グラム)軽さです。13インチ(MacBookエア)と比べると、370グラム軽いのですが、この違いはとても大きいです。僕が軽さにこだわるのは、今では仕事の1つとなっている、長年の登山の経験からです。山に持っていくアイテム選びは命に関わるので、『重いから持っていくのをやめよう』というわけにはいきません。極力絞り込んで1グラムでも軽くすべく徹底するのが基本。そのためにキッチンスケールを使ってグラム単位で量りながらパッキングします。その観点からすると、MacBookの300グラム以上の軽量化がいかに大きな違いであるか、おわかりいただけるのではないでしょうか」

MacBookは禅的なデバイス

だが、物理的な軽さだけが重要ではないと四角さんは語る。なぜなら、軽さだけであればウルトラモバイルPCなど数値上軽量なものはあるからだ。

「僕の仕事にとって一番重要なのは単なる効率性ではなく、クリエイティビティです。高次のクリエイティビティを得るためには高い集中力が必要で、そのためには“ノイズレス”な環境が大事なのです。ノイズには聴覚にまつわるもの以外にも視覚・物的・思考のノイズというのがあり、これを取り除いて“今”、“ここ”に集中すること。僕はそんな禅的な思考が好きで、究極まで切り詰められたミニマムデザインのMacBookはそれを実現してくれます。僕が山や森の静寂を愛してやまないも、湖のそばで暮らすこともまったく同じ発想によるものです。つまり、ノイズレスであること」

さらに、インスピレーションの高まりを逃さないという点でも、世界のどこにでも持っていけるMacBookが最適だという。

「知らない場所に訪れると五感が刺激されて、素晴らしいアイデアが湧くという経験をしたことはありませんか。たとえば、エーゲ海のサントリーニ島という絶景スポットがあって、たくさんの観光客が訪れるのですが、僕はその場ですかさず仕事を始めました。なぜなら、テンションが上がってインスピレーションが刺激されたからです。iPhoneやiPadだとテキストを入力するスピードが遅くなります。湧き出るアイデアを漏らさずその場で書き留めるには、やはりキーボードを搭載したMacBookが必要なのです」

四角さんが執筆に利用するソフトは「Textwell」。シンプルなテキストボックスが特徴で、iPhoneともクラウド同期できるのがよい。

「雑誌のように文字カウントがはっきりしている場合に、とても便利なんです。インターフェイスもMacBookと同じように軽くてシンプル、作りに無駄がないツールを好んで使っています。また、作業中はノイズを減らすため、起動するソフトは1つにしてリマインダ以外の通知も切っています。これもまた禅的思考のメソッドですね。創造的な作業は集中力が高まる午前中に、午後は人とのコミュニケーションに費やすというのが今のワークスタイルです」

テクノロジーはライフスタイルを自由にし、豊かにするために用いられ、人間の能力を引き上げるものでなければならないと四角さんは強調し、そのためには重たく複雑なものであってはならないという。そして、その理想に現在もっとも近づいているのがMacBookなのだ。

(写真右)ニュージーランドの湖畔の家は静寂そのもの。「よく、『そういう場所だとのんびりできていいですね』って言われるんですけど、実際はクリエイティブ仕事三昧です(笑)。こういう静かな場所こそ生産性が上がるのでフル稼働で働いています」。(写真左)海外や山奥に行くほど、クリエイティブワークがはかどるという四角さん。登山にもMacBookを伴う。「山の上の誰もいない場所でMacを開くと、とても集中できるんです」。

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