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国内用インターネットラジオで海外放送を楽しむには?

著者: 今井隆

国内用インターネットラジオで海外放送を楽しむには?

しゃれたデザイン

卵形のユニークなデザインで、リビングなどでは目立つカラーリングです。ディスプレイはTFTパネルで見やすく、タッチパネルを兼ねています。

ネットラジオに魅せられて

iTunesにプリセットされているインターネットラジオを聴くようになってから、新しい曲との偶然の出会いが楽しくなり、ネットラジオを聴く機会が増えました。しかし、ネットラジオはiPhoneやMacをいちいち起動してアプリを起ち上げないと聴けない不便さがあり、普通のラジオのように電源を入れるだけで気軽に聴けるシステムがあってもいいのに、と以前より感じていました。

そんなときに発見したのが、プラネックスの「かんたんインターネットラジオ・デジタルフォトフレーム」です。単体でネットラジオを再生できるだけでなく、2GBの内蔵メモリに音楽や写真、動画などを入れて再生することも可能。それでいて価格は5000円前後とリーズナブルなのがうれしいところです。

本体は一風変わった卵形の形状ですが、タッチパネルが中央に、両サイドにはステレオスピーカが配置された極めて合理的なデザイン。ACアダプタを接続し、電源ボタンを押すだけで起動します。

使わないポートが気になる

背面にはLANポートが2つとUSBポートが2つありますがミニUSBタイプBポートをMacとの接続に使い、ほかのポートは使用しません。

海外の放送局を聴きたい

本機の選局方法は、メニューから放送地域(国内のみ)を選択して、該当する放送局を選ぶスタイルです。ただ、私は基本的に邦楽は聴かないので、国内の放送よりも海外の放送が聴きたいのです。そこで、本体内部にある放送局のリストを自分で編集して、住んでいる地域のプリセットに無理矢理お気に入りの海外局を登録して使うことにしました。

プリセットの編集には、メインメニューから[データボックス]→[PC接続モード]を選択します。この状態でUSBケーブルでMacに接続すると[Untitled]というドライブがマウントされるので、これを開いて「iradio.xml」というファイルを編集します。私は「コットエディタ」を使用して編集しました。同ファイルを開くと1行に1局、放送局のプリセット情報が記述されていますので、この記述に則って聴きたい放送局を追加します。[id=""]に表示したい局名を、[name=""]に登録する局のURLを、[idno=""]にプリセット番号(すでに登録されている局と重複しないように)を記述して保存すれば完了です。私は[id="109"]に「Fusion Radio Chicago」という米国の放送局を追加しました。この方法でいくつもプリセット局を追加できます。

本機はインターネットラジオなので、選局してから音が出るまでに10秒ほどかかりますが、一度選局してしまえば、あとはノイズもなく快適にラジオが楽しめます。音はお世辞にもハイファイとは言えませんが、気軽にラジオを楽しむには十分でステレオ感も悪くありません。なにより、この価格で手軽にネットラジオを楽しめるのは便利です。

プリセットは国内の放送局のみ

本機のラジオ選曲は地域指定メニューから行う方式で、国内のラジオ局がプリセットされています。海外のラジオ局を聴くには放送局リストをMacで編集してやる必要があります。

テキストファイルを編集

Macと本機を付属のUSBケーブルで接続したところ。マウントされたドライブの中には2つのファイルがありました。「iradio.xml」が放送局リストです。

自由に放送局を追加

「iradio.xml」をエディタアプリで開くと放送局リストがxml形式で記述されていますので、ここに局情報を追加することでリストに追加できます。

今井隆の評価

● 手軽にネットラジオが聴ける

● 機能の割に低価格

● コンパクトながらステレオ

● ラジコには非対応

● Wi-Fiの設定がやや煩雑

● 電池は搭載できない

SPEC

[使用期間]60日

【発売】プラネックス

【価格】オープンプライス

【実売価格】5000円前後

【URL】https://www.planex.co.jp/products/mzk-wdpr-r01/

【サイズ】193(W)×119(D)× 130(H)mm

【重量】450g

【インターフェイス】IEEE802.11b/g/n(2.4GHz)

【備考】付属品:ACアダプタ、ミニUSBケーブル

【補足】

今年3月11日に公開された新しいファームウェア(Ver.1.1.65)ではいくつか機能が追加されました。特にほとんどのメニュー画面にボリュームボタンが追加された点は便利です。なおインターネットに接続している状況であれば、本体のみでアップデートが可能です。

今井隆 Takashi Imai

Mac歴30年のハードウェア設計屋。回路の解析から改造までを趣味とする新しい物好き。「手段のためなら目的を選ばず」がモットー。