写真を簡単に見栄え良くする「Fotor」?

フツーのスナップを雰囲気ある写真に仕上げたい

写真編集アプリやサービスが充実しているiPhoneでは、もはや「撮って出し」は過去のもの。インスタグラムなどの写真共有サービスでは、すべすべお肌の自撮りポートレートやコントラストや彩度を落としたノスタルジックな風景、あるいはハッキリクッキリHDR仕上げといった雰囲気のある写真が人気だとか。

となれば、コンデジで撮影した写真だって、もう少し手を加えてからアップしたいのが人情。目的はSNSに見栄えの良い写真を公開することで、作品作りではないため予算はそこまでかけたくない。でもOS X標準ソフトの「写真」では物足りない…。そんなわがままに応えてくれる写真編集ソフト、それが今回のお題です。

iPhoneで人気の写真編集アプリの特徴は、フィルタを施すだけで手軽に自分のイメージに近い絵柄に仕上げられる点ではないでしょうか。OS Xの「写真」に足りないのは「使える」フィルタです。そこで、フィルタのプリセットを数多く装備し、なおかつ柔軟な編集に対応したソフトを探してみました。

無料でも高機能！ バッチ処理やRAW現像対応ソフト

Macアップストアには「写真」カテゴリがあるほど、数多くの写真編集ソフトが公開されています。Macのデスクトップソフトということもあり、本格的な画像処理ソフトから単機能ソフトまで揃っています。今回は選択肢の中から「写真」に対抗する写真編集ソフトを候補に挙げました。

1つ目は「フォトスケープ X（PhotoScape X）」。設定項目の行間が広めにとられており、見やすいだけでなく操作性も良好。充実したフィルタやコラージュテンプレートはもちろん、リバイバルブームとなっているGIFアニメを作る機能も搭載しています。また、バッチ処理やRAW現像にも対応するなど高機能な画像編集ソフトです。

2つ目の「ピクセラ（Autodesk Pixlr）」は、調整やフィルタのほかに、2枚の画像を重ね合わせて二重露光風の写真を生成する機能が特徴です。これにより、実際にはありえない幻想的な絵柄の制作も可能です。また、デスクトップソフト以外に、スマホアプリやWEBブラウザ版が用意されているのもポイントですね。

そしてアップルの「写真」も、候補の1つといえるでしょう。

直感的に操作できる無料の「フォーター」

「フォーター（Fotor）」が今月のピックアップソフトです。フォトスケープ Xの編集機能とピクセラのマルチプラットフォームの仕組みを併せ持ち、そのうえ無料とくれば利用しない手はありません。高機能ながら、直感的に操作できるユーザインターフェイスも好感が持てます。

フォーターでは、はじめに「曇り」や「ポートレート」「サンセット」などのシーン別に自動補正してから微調整するといった、デジカメの設定に似たわかりやすい流れで編集できるのも◎。ビンテージやレトロ、シネマティックなど比較的抑えめのトーンが多い印象のフィルタのほかにも、フレームや文字乗せ、コラージュなどSNS向きの機能、複数のファイルにまとめて設定を適用するバッチ処理など、至れり尽くせりの無料ソフトです。

【フィルタ】

フィルタは、プリセットされた効果を適用して写真の雰囲気を簡単に変更する機能で、多くのカメラ・写真ソフトに備わっています。高度な設定を施す前の加工の入り口として利用することもあります。

【機能拡張】

OS Xの標準ソフト「写真」の機能拡張には、Affinity PhotoやDxO Optic Proなど高度な画像処理を行うソフトがあります。手持ちの画像編集ソフトが機能拡張に対応しているかを調べるには、システム環境設定の［機能拡張］を参照しましょう。