出会い探してます
理想のイヤフォンを探し続けています。レビューにも積極的に参加して100種類くらい試した気がしますが、なかなか「これ!」というものに出会えていません。
イヤフォンの音質はここ数年どんどん良くなっていて、安価でも非常に良い製品がたくさん出ていますし、そもそも移動中の視聴環境に完璧は求めない主義なので、あまりとやかくいうつもりはないんですが、困るのはケーブルの取り回し。じゃあワイヤレスタイプはどうかというと、これも左右のレシーバを接続するのは基本有線です。そして、最大の問題は充電。ワイヤレスとのトレードオフとはいえども、充電はやっぱり面倒ですし、いざ使おうと思ったら電池切れだったときの衝撃は、つい原稿の締め切りが遅れてもしょうがないほどの悲しみです。
白馬の王子様が現る
「EARIN」には、これらの問題を解消してくれるさまざまな工夫が凝らされています。まず、すばらしいのが完全にワイヤレス仕様。ケーブルが存在しないのです。ドライバには中/高音域の再生が得意なバランスド・アーマチュア型を採用しており、「このサイズでよくここまで鳴っているな」という再現度で、移動中に使う分には十分すぎるほど。
もうこれだけで個人的には買わない理由がないのですが、優秀なのが付属のケース。現在は主にiPhoneで利用していますが、1度ペアリングしておけばケースから出したときに自動的に接続され、ロック画面には「ミュージック」アプリがスタンバイされるiOS 9からの新機能に対応しており、すぐに音楽の再生が可能。外してケースに入れれば自動的に接続が解除されるので、オン/オフを意識させない自然な設計が非常にいい感じです。ケースにはバッテリが内蔵され、フルチャージで約3回本体を充電できます。
ちなみに、ペアリングしているのは実はL(左)のユニットだけで、そこからR(右)ユニットにデータを受け渡して再生しているというカラクリがあります。そのせいで通信に失敗すると、たまに音がぷつぷつと切れてしまうのです(マニュアルにも注意事項として記載あり)。移動中に使っている限りは気になりませんが、まだまだ改善できるポイントがありそう。
ほかにも、小さすぎるゆえ落としてしまうと大惨事になりそうとか、連続再生時間が3時間だと長時間の移動には物足りないなどという意見もありますが、用途を「通勤の相棒」として考えるのであれば運用方法でカバーできる範囲です。個人的には久々のヒットしたイヤフォンとなりました。
ボタンなし、以上
電源ボタンもなければペアリングやリセット用のスイッチもないミニマリズムの極み設計。別のデバイスに切り替えてペアリングする際は、前の相手を忘れる方式です。仕組み的には押し出してくれるはずなのですが、以前ペアだったデバイスが近くにあると新規のペアリングがうまくいかないこともあるので、事前に解除しておくのが吉。
収納と充電と電源を兼ねるケース
使わないときは専用ケースに入れておけば、自動的に電源オフになって充電モードに切り替わります。L側のユニットだけ取り外して接続するとモノラルモードに切り替わるなど、利用シーンを想定してよく練られた設計がお気に入りです。
アプリもあります
専用アプリでは電池残量をチェックでき、左右のサウンドバランスや低音のブースト加減なども変更できますが、標準のセッティングがかなり優秀なため、個人的にはそのままでいいかな、という感じでほぼ使っていません。
氷川りそなの評価
● 軽い、小さい、ケーブルなし
● 充電の煩雑さがない
● 再接続も手間いらず
● 装着していることに気づかれない問題
● R側のレシーバに音が飛ばないことがある
【補足】
連続再生時間は180分ですが、これを「短すぎて使えない」という人がいるそうです。個人的には一体耳栓を1日に何時間すれば気がすむのか不思議です。そもそもイヤフォンで何時間も音楽を聞くのは耳に良くないですよ、と教えてあげたほうがいいのかも。過ぎたるは及ばざるが如し。
SPEC
[使用期間]20日
【発売】モダニティ株式会社
【価格】2万9800円(税抜)
【URL】http://www.modernity.jp/brand/earin/earin/
【サイズ】14.5(φ)x20mm(H)
【重量】3.5g
【インターフェイス】ブルートゥース4.0
【備考】付属品: USBケーブルx1・コンプライ社製フォームチップ(400シリーズ Sサイズx1ペア・Mサイズx1ペア)・シリコン製イヤーチップ(Mサイズx1ペア)・スタビライザロックx1ペア、再生時間:ステレオモード最大3時間・モノラルモード最大11時間、フル充電時間:70分、サポートコーデック:AAC、aptX、SBC
氷川りそな Risonah Hikawa
システム構築からカスタマートレーニング、サポート業務までやらされる会社員兼業ライター。アップルネタで原稿代を稼いでMacやiPhoneを買うエコシステムを絶賛構築中。