ややこしい設定は不要
単3電池が使えるおもちゃや電子機器なら、装填してアプリとペアリングするだけで準備OK。写真は「ボタン」で電池の出力をオン/オフできるモード。出力も数値で細かく設定できるため、ミニ四駆でスロットカー的な遊び方ができるかも。
可能性無限大の乾電池
すでに普及している従来規格を上手にハックして生まれる製品が気になります。たとえば、古いカーオーディオでも鳴らせる、カセットテープ型MP3プレーヤや、FMトランスミッタみたいなやつ。ホームセンター的なワクワクが止まらないのです。
クラウドファンディングで目標を達成した「マビー(MaBeee)」もまた、同じようなガジェットと言えるでしょう。しかもハック対象は世界中に広く存在する単3形乾電池。単3形乾電池と同じサイズのマビー本体に、市販の単4形乾電池を装填すれば、電気出力をiPhoneから制御できる「乾電池コントローラ」になるのです。
わかりやすい事例がミニ四駆やプラレールといった電池駆動のおもちゃ。通常、スイッチをオン/オフするくらいしかできないおもちゃでも、マビーを利用すれば「停止状態からのスタート」「加速/減速」「ストップ」といったコントロールが可能になるのです。
ミニ四駆の漫画では主人公が「行っけええぇ!」と叫べばマシンが加速したものですが、実際はそんなことなかったわけで、しかしこのマビーがあれば30年来の夢も叶いそうです。
アイデア次第で化けそう
これはぜひとも使ってみたい、と4月のデリバリに先がけてお借りしたのは開発機。ミニ四駆に限らず、電池が複数本必要な機器でも、そのうちの1本がマビーならコントロール可能です。
ミニ四駆本体の電源をオンにし、iOSアプリからマビー本体をセレクトすれば準備OK。あとはラジコンのように、iPhoneからミニ四駆をコントロールできます。その操作方法もボタンを押して操作するほかに、「iPhoneをシェイクする」「傾ける」など、さまざま。公式の紹介動画ではiPhoneを強く振ってミニ四駆のレースをしたり、マイクでおもちゃのぬいぐるみを呼び寄せたりといった遊び方が提案されており、従来のおもちゃの遊び方を広げる可能性を感じました。
とはいえ使い道がおもちゃばかりでは、いまいち食指が伸びませんよね。そこで実際に自分の生活で利用できそうなシーンを考えてみました。
その1つが携帯ラジオのオン/オフ。近ごろ自宅にステレオやリモコン付きラジオがないという方も少なくないですからね。え、ラジオアプリがあるって?
…も、もう1つがキャンプ時にテント外にぶら下げておくランタンのリモコン。ずっと点灯しておくと虫が寄ってきますし、テントの中から電源をONにできて便利です。
しかし、改めて考えてみると、乾電池駆動の電子機器って年々減ってますね…。ともあれ、マビーを活かすのは己の工夫次第と言えましょう。
iPhoneをシェイク!
マビーの操作方法は現在6パターン。そのうちのひとつがiPhone本体のシェイク。軽く振るとミニ四駆がゆっくり走る、強く振るとスピードアップ、といった具合に遊べます。
さまざまなコントロール方法
アプリにはほかにも「iPhoneを傾ける」「iPhoneとMabeeeの距離」「音声」といった操作方法が用意されており、切り替えて使用可能です。使い方を間違えるとペアリングした瞬間、ミニ四駆が吹っ飛んでいく可能性もあるのでご注意を。
MaBeeeの可能性を探る
写真のLEDランタンは単4電池仕様ですが、この手の小型機器ほどマビーとの相性がよさげ。操作方法には一定時間で停止させる機能もあるので、スリープ機能のないラジオにもぴったり。
熊山准の評価
● おもちゃの遊び方が広がる
● わかりやすい操作方法
● アプリの展開にも期待
● 意外と少ない単3電池使用機器
● もう少し安ければ…
【補足】
おもちゃメーカーと協業すればさらに面白い遊び方が提案できそうなマビー。また昨今、電池駆動のガジェットが減りつつありますが、マビーが普及すれば見直されるかもしれませんね。
SPEC
[使用期間]5日
【発売】Mabeee
【価格】4500円(税別)
【URL】https://www.makuake.com/project/mabeee/
【Size】50(W)×14(H)×14(D)mm
【重量】5g
【インターフェイス】ブルートゥース4.1
【備考】対応乾電池:単4形乾電池/搭載機器条件:電池直列4本まで、単3形乾電池池用/同時接続数:10台
※WEBサイトにて特別価格にて 予約受付中(2月10日まで)
熊山准 Jun Kumayama
おもちゃとおやつと遠足が好きなノマドライター。モバイル最適解を求めるべく、iPhoneとMacBookプロの間を行きつ戻りつ、答えはいまだ見つからず。装備は今日も3キロ超。