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最適なモバイル外部ディスプレイはどれだ?

著者: 栗原亮

最適なモバイル外部ディスプレイはどれだ?

スプリットビューでは狭すぎる

このところ泊まり込みで地方に出張する機会が増え、モバイルでの仕事環境についていろいろと試行錯誤しています。宿泊先のホテルでスライド資料を作成することもあるのですが、持ち込んだ11インチのMacBookエアではディスプレイサイズが小さすぎて作業の能率が上がりません。スプリットビューやミッションコントロールがあっても、やはり最終的には物理的にデスクトップを広げるために外部ディスプレイの必要性を感じるシーンも多いのです。

代表的な3つのアプローチ

モバイル環境での外部ディスプレイの利用スタイルは、①USB給電のPC用モバイルディスプレイ、②iPadを外部ディスプレイ化する、③アップルTVと備え付けのハイビジョンTVをつないでエアプレイで拡張ディスプレイするという3つが考えられます。

①のPC用モバイルディスプレイは数社から販売されていますが、現状価格と性能のバランスがよいと私が考えたのがジーチックの「On-Lap 1101H」です。本体が480グラムと軽量で液晶パネルの性能が申し分ないのはもちろんですが、保護ケースがスタンドを兼ねていたりモバイルでの利用が想定された設計で好感が持てます。ただし、給電用にUSBポートを2つ使うので、MacBookエアではコネクタが届かず、USB延長ケーブルが必要でした。

②の「デュエットディスプレイ(Duet Display)」というiPad用のアプリとMac用のドライバを利用する方法は、すでにiPadを持っていれば初期投資が少なくて済むのでおすすめです。とはいえ、ディスプレイドライバの挙動が怪しくMacが不安定になることがあるなどの問題点が発見されました。

③のアップルTVは第3世代モデルの有効活用として注目したい方法です。ただし、ホテルにWi-Fi環境とHDMI入力可能なハイビジョンテレビがあることが前提です。セットトップボックスで完全制御されたタイプのテレビですと、入力切り替えができずアップルTVが利用できません。

どのような状況でも最適といえる方法はありませんでしたが、それぞれ試してみたメリットとデメリットを表にまとめてみました。出張先で作業をすることがある人は参考にしてみてください。

(1)出張先のビジネスホテルの様子です。ハイビジョンテレビがあり、Wi-Fiネットワークも存在するといった状況を想定しています。

(2)ジーチックのモバイルディスプレイ「On-Lap 1101H」は11.6インチのフルHD液晶でIPSパネルを採用するなどスペック的に満足できました。ただし、MacBookエアと接続するには、専用オプションの「mini-DisplayPort cable」(価格:2000円弱)を購入する必要があります。

On-Lap 1101H

【発売】ジーチック
【価格】2万9800円前後
【URL】http://www.gechic.com/product_help_jp.asp?s=29

(3)On-Lap 1101HはUSBバスパワーで動作するという大きなメリットがありますが、その代わりUSBポートを2つ占有します。また、USBポートが左右に1つずつあるMacBookエア/プロでは延長ケーブルが必要でした(つまり12インチMacBookでは使えません)。

(4)デュエットディスプレイはiOSアプリとOS X用ドライバをインストールし、ライトニングケーブルでMacとiOSデバイスを接続して使います。ワイヤレスタイプより比較的遅延が少ないのが利点です。

Duet Display

【開発】Kairos Technologies, Inc.
【価格】1900円
【カテゴリ】App Store>仕事効率化
【URL】http://www.duetdisplay.com/jp/

(5)外部ディスプレイをモバイルする3つのアプローチについてそれぞれまとめてみました。一長一短あり、シチュエーションによっても最適解が異なります。

【もっと媚薬】
ホテルのWi-Fi環境がうまく利用できない場合は、iPhoneのインスタントホットスポットをオンにしてMacとアップルTVのWi-Fiをそれぞれ接続すればエアプレイ接続が可能です。