第7回 怖いものだと恐れずに。「拒絶」は世界を広げる第一歩と捉えよう!
拒絶という試練に果敢に挑んだ男の記録
「誰もが人生で数えきれないほど拒絶に遭う。けれども、そのせいで人生が脅かされたり、運命が変わってしまったりすることはほとんどない。拒絶の一つひとつが僕らに成長の機会を与え、自分に挑戦する機会を与え、そして可能性を妨げる恐怖心や不安感の克服へと導いてくれる。どんな拒絶にもプラスの面が隠れているというのが、拒絶の旅で僕が得た教訓なのだ。」(ジア・ジアン)
本書を読むと拒絶されることが、怖くなくなります。本書は、著者であるジア・ジアンが、ノーと言われる実験を100回繰り返した記録です。機内で安全アナウンスをさせてくれと頼んだり、見知らぬ人に5ドルを渡すといった破天荒な行いを繰り返す著者。彼がこの実験によって拒絶され成長していく過程は、非常に面白い読み物として楽しめます。しかし、それだけではありません。本書を読めば読むほど、私たちの人生にとって、拒絶がチャンスの入り口になっていることを実感できるのです。
自分の希望や要求を実現するためには、「何(お願い事の内容)」を、「誰(ターゲット)」に伝えるか、というところがポイントです。相手にオファーが理解されれば、たとえその人にできない場合でも誰かほかの人を紹介してくれ、あなたの願いを叶えてくれるかもしれません。うまくいかなくても、何度かチャレンジすれば、夢を叶えてくれる人に出会えるのですから、一度で諦めるのはやめましょう。また、パーフェクトを狙わなければ、代案を提示してもらえることもあります。何もお願いしないよりは、はるかに良い結果を得られます。
本当に自分一人の力で生きていける人など、そう多くはありません。他人との協働によって、人は自分の世界を広げていくのです。こう考えれば、お願いにつきものの拒絶を怖がってはいられません。拒絶はまさに、未来への第一歩なのです。
もし、あなたが拒絶されたなら、相手に「なぜ?」と質問してみましょう。相手があなたのお願いを受け入れられない理由を明らかにすれば、拒絶を受容へと逆転できるかもしれません。そのお願い事に興味がないのなら、別の相手にお願いできます。今は時間がないだけならば、違うタイミングでお願いすればよいでしょう。理由を確認することで、次のチャンスが広がります。拒絶を恐れてチャレンジしなければ、可能性はゼロのままです。それを乗り越えられれば、多くの体験が生まれます。求めることで、どんどん新しいドアが開かれていくのです。
徳本昌大
ソーシャルおじさんズ代表、ブロガー、都内広告会社でコンサルタントとして働くビジネスマン。iPhoneとソーシャルメディアが人生を変えた。著書『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(高橋暁子との共著、マイナビ)など多数。【URL】http://tokumoto.jp/