iPhoneを電話の子機に
別の部屋で鳴っている電話に気づき、慌てて駆け寄ったが間に合わなかった。そんな経験をしたことがある人は結構いるのではないでしょうか。手元に受話器があればすぐに電話に出られますが、それだけのために購入するには増設用の子機は高価です。
パナソニックの固定電話機「GDW54」シリーズは電話機ながらWi−Fi接続機能を持ち、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールすれば子機の代わりに使える「スマートフォンコネクト」の機能を備えています。固定電話に電話が掛かってくると、あらかじめ登録したiPhoneやiPadにも呼び出し音が鳴り、かかってきた電話に出られます。スマートフォンやタブレットは4台(子機2台付属モデルでは3台)まで登録できるので、各部屋にiPhoneやiPadを配置しておけば、どの部屋にいても電話に出ることが可能です。
また「スマートフォンコネクト」アプリを使って、固定電話回線で電話を掛けることもできます。SIMフリー版のiPhoneで格安SIMを使う場合、この機能と組み合わせるとお得に運用できます。携帯電話での通話料には30秒あたり21・6円(税込)が掛かりますが、この機能を利用すれば、通話料を大幅に節約することができるんです。
ほかにも、iPhoneから親機を呼び出してインターフォンとして使えたり、iPhoneの電話帳を親機に転送する機能があったりと、スマートフォンと合わせて使える機能が備わっています。
iPhoneとのペアリング
親機とiPhoneを同じWi-Fiに接続しておき、iPhoneで「スマートフォンコネクト」アプリを起動して表示に従って進めていき、親機で[機能]→#124→[決定]と押したら、iPhoneから親機登録をスタートします。すると、親機のMACアドレスが表示されるので、アドレスを選択して子機の名前(iPhoneなど)を登録すれば設定完了です。
LAN内でiPhoneを子機にする
iOS・アンドロイド用のアプリ「スマートフォンコネクト」は、単に子機としての機能のみならず、携帯電話を掛ける機能や親子通話機能なども備えています。
電話アプリも高機能
親機にかかってきた電話を、複数のiPhoneやiPadから受けることができます。またアプリから固定電話回線を使って電話を掛けられます。
外出先から自宅の電話に出る
さらに、IP電話サービスである「FUSION IP-Phone SMART」に加入することで、なんと、自宅にかかってきた電話を外出先で受けることもできます。「外で通話」機能は固定電話にかかってきた電話を、あらかじめ親機に登録しておいたIP電話番号に転送してくれます。私自身は今のところこの機能を使っていませんが、旅行などで長期間留守にする場合に便利そうです。この機能が目当てで購入する人も少なくないかもしれません。
これ以外にも本機には、留守番電話があることをメールで知らせる「メール通知」機能や、窓やドアに取り付けたセンサからの通知をメールで知らせる「センサ通知」機能、人感センサから人の有無の通知をメールで知らせる「みまもりセンサ通知」機能など、別売センサと組み合わせてホームゲートウェイ的な役割を持たせる機能も備えられており、IOT家電としても活用できます。
今はまだ「スマートフォンコネクト」機能しか使っていませんが、最近の固定電話機はここまで進化しているのだ、ということを知って驚いた次第です。
外出先で家の電話を取る
「FUSION IP-Phone SMART」というIP電話サービスと連携することで、外出先でも自宅の電話に出られます。その場合は「SMARTalk」アプリを使います。
今井隆の評価
● iPhoneで固定電話が使える
● 多機能な割に低価格
● 外出先でも電話に出られる
● 携帯着信があると切れる
● Wi-Fiの設定がやや煩雑
● 「外で通話」機能はアプリが異なる
【補足】
パナソニックには上記の「GDW54」シリーズ以外にも、ファクス機能を備えた「KX-PD102」シリーズがあり、受信したファクスをiPhoneなどで確認したり、確認したファクスやWEBページなどを印刷したりできます。【URL】http://panasonic.jp/fax/pd102/
SPEC
[使用期間]1カ月
【発売】パナソニック
【価格】オープンプライス
【実売価格】1万2000円前後
【URL】http://panasonic.jp/phone/gdw54/
【Size】59(W)×187(H)×78(D)mm ※親機のみ
【重量】約550g(親機、受話子機含む)
【備考】電話機能:自動あんしん応答、通話録音、前から録音、留守録ほか
今井隆 Takashi Imai
Mac歴30年のハードウェア設計屋。回路の解析から改造までを趣味とする新しい物好き。「手段のためなら目的を選ばず」がモットー。