風を立てない優しい暖房
徐々に冷え込んでくるこの季節、自室で作業することの多い筆者の冬を快適にすべく導入したのが、バルミューダの「スマートヒーター2」です。オイルヒータのような外観ですが、オイルを使わずに部屋全体を優しく暖める独自のアルミラジエータ方式を採用しているとのこと。ファンヒータやエアコンと違い、風でホコリを舞い上げないため、ハウスダストのアレルギーを持つ私にとってはまさに最適な1台となってくれるはず。
設置してみると、独特のルックスに存在感があります。アップル製品にも通じるシンプルでクールな見た目ですが、やや残念だったのは、太いグレーの電源ケーブルが目立つこと。そこは白に統一してほしかったです。
いざ電源をオンにすると、1分もかからずに表面温度が上昇し、暖かくなってきました。「オイルヒータの約5倍起ち上がりが速い」との謳い文句も伊達ではありません。ちなみに、本体側面のクリックホイールでほぼすべての操作を行えますので、説明書を読み込まなくても簡単に扱えます。
暖房器具としては、灯油ストーブやガスファンヒータのような速暖性をあまり期待してはいけません。アルミラジエータ表面からの赤外線と対流によって、ジンワリと空気を暖めてくれます。最大1300Wまで、7段階のパワーをスムースに切り替えながら、暑すぎず寒すぎず快適な室温をキープし続けてくれるのがこの製品の良いところ。また、このような特性を活用し、就寝時には睡眠に適した15度の低温運転を行い、起床時に20度になるよう自動で運転する「ロイヤルスリープモード」も搭載されており、辛い冬の朝に大活躍してくれます。
外出先からも操作可能
スマートヒーター2は、その名のとおりスマートに室温を管理してくれるだけでなく、iOSアプリ「ユニオート(UniAuto)」を使って操作できるのが特長です。個人的にとても重宝したのが、アプリからの電源操作機能。外出先からユニオートを使って電源を入れておけば、帰宅前に部屋を暖められます。即暖性の低さをカバーできるのがありがたい限り。この利便性を一度味わってしまうと、なかなか後戻りできないほどの快適さです。
ファームウェアとアプリのバージョンアップを行えば、常に進化し続けられるのもスマート家電ならではの強みです。ユニオートは完成度の高いアプリですが、今後は他のサービスとの連携にも力を注いでほしいところ。たとえば位置情報を利用して、自宅に近づいたら自動的に電源がオンになる機能や、IFTTTなどのコネクションサービスに対応すると便利そうです。ホームキットへの対応も期待しています。
Wi-Fiモデルはアプリ対応
本体で[アプリで接続]を選択すれば、面倒なWi-Fi設定も自動で行えます。
月々のコストも計算可能
アプリで電気料金の概算を表示できるのがユニーク。暖房器具は運転コストが気になるだけに、こういった機能はうれしいです。
遠隔操作で電源オン
ユニオートでは外出先から遠隔操作で電源をオンにできます。可燃性のものはあらかじめヒータから遠ざけておきましょう。
内山秀樹の評価
● 美しくクールなデザイン
● ジンワリ暖まる暖房特性
● 専用アプリとの連携機能
● 速暖性に欠ける
● 本体が重く大きい
【補足】
底部には本体の長辺方向に動くようにキャスターが取り付けられており、スムースに移動できます。重量があるので掃除の際にはとても助かります。オプションとして専用タオルハンガーも用意されているため、濡れたタオルを掛けておけば加湿もバッチリです。
SPEC
[使用期間]7日
【発売】バルミューダ
【価格】7万2000円(税抜)
【URL】http://www.balmuda.com/jp/smartheater/
【サイズ】578(W)x590(H)x 234(D)mm
【重量】約17kg
【インターフェイス】IEEE 802.11b 2.4GHz(Wi-Fiモデルのみ)
【備考】Wi-Fi モデルはバルミューダオンラインストア限定販売です。
内山秀樹 Hideki Uchiyama
10代より某国内楽器メーカーのインストラクターなどとして活動を開始。その後、シンセサイザの製品開発や音源・データ製作にも数多く参加する。音楽制作の傍らハード&ソフトに関する深い知識と経験を基に執筆活動も精力的に行っている。