キータッチを統一したい!
慣れとは恐ろしいものです。これまで、「キーボードはストロークがあってしっかり押し込めるものが一番だ」と思っていたんですが、MacBookをメインマシンにしてから、私の指はすっかりバタフライ構造のキーボードになじんでしまいました。こうなってくると、サブマシンとして使っているiMacも打鍵感を統一したい。そんなときにちょうど、純正キーボードがモデルチェンジすると聞き、さっそく手に入れて使ってみました。
名前も一新された「マジックキーボード」のキートップ、見た感じは従来のワイヤレスキーボートとほぼ同じです。一番大きな変更点は、矢印キーが従来の凸字型から、MacBookのキーボードと同じ形になったこと。人によっては慣れるまでちょっと違和感があるかもしれません。
Macとのペアリング手順も簡単になりました。付属のライトニングケーブルでMacと接続するだけで完了です。従来のように特定の数字を入力してペアリングする必要もありません。
大きく異なるのは傾斜角です。電源が乾電池から内蔵バッテリになって構造が変わり、より平らになりました。この点は、ほぼ水平のMacBookに近づいたし、長時間キーボードを使用した際の手首の疲れも少なくなるので好都合。傾斜角が変わったことを残念がっているユーザもいるようですが、ノート型Macのユーザだったら逆にうれしいんじゃないでしょうか。
肝心の打鍵感ですが、叩いた感触からするとバタフライ構造は採用していないようです。アップルのWEBサイトを見たら「シザー構造を再設計したためキーの安定性が33パーセント向上したほか、キー運びが最適化されています」とあります。ストロークは短くなったものの、MacBookよりは深い。従来のワイヤレスキーボードとMacBookの中間あたりの打鍵感といったところです。
デザインを一新したキーボード
これまで単3形乾電池2本で駆動していたのがバッテリ駆動に変わりました。横から見ると薄型化されていることがよくわかります。
ストロークは短くしっかりした作り
従来モデルのようなキートップとベース間の隙間はなくなり、キーのグラつきも少なくなりました。でもMacBookのバタフライ式ほど打鍵感は浅くありません。
Bluetoothペアリングも可能
付属のライトニングケーブルでMacと接続しなくても、システム環境設定の[Bluetooth]でペアリングすれば使えます。
ひっくり返ってもいいじゃん
一緒にマジックマウス2も入手しました。先代よりも若干小さく、軽くなっているのですが、ぱっと見ると見分けはつきません。
充電用のライトニングポートが本体底部にあることが賛否両論のようですが、従来のマジックマウスと同じデザインで充電ポートを用意しようと思ったら、底部しかないですよね。充電は2時間で完了しますし、満充電であれば1カ月使えるわけですから、よほど緊迫した状況でないかぎり困ることはないと思います。たとえば毎週末、寝るときにケーブルをつなげて充電する習慣をつければいいんじゃない? ひっくり返った姿が嫌ならiPhone用のライトニングドックでも充電できますよ。
松山茂の評価
● 電池交換が不要
● ペアリングが簡単
● 値段が高い
【補足】
マジックマウス2も、付属のライトニングケーブルでMacとつなぐだけで認識されます。マジックキーボード同様、ライトニングケーブルがなくてもシステム環境設定の[Bluetooth]でペアリング可能です。
SPEC
[使用期間]7日
【発売】アップルジャパン
【価格】Magic Keyboard:1万1800円(税別) Magic Mouse 2:9500円(税別)
【備考】対応OS:OS X10.11以降
●Magic Keyboard
【サイズ】27.9(W)×0.41~1.09(H)×11.49(D)cm
【重量】約230g
【インターフェイス】ブルートゥース4.0、ライトニング
●Magic Mouse 2
【サイズ】5.71(W)×2.16(H)×11.35(D)cm
【重量】約99g
【インターフェイス】ブルートゥース4.0、ライトニング
松山茂 Shigeru Matsuyama
東京・谷中を拠点として日々ガジェットと猫を愛でながら執筆するフリーライター。Mac歴は1984年発売のMacintoshから。気づけば早30年、Macの進化と時の流れの速さを実感中。