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「読む」~『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』書評

著者: 徳本昌大

「読む」~『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』書評

第6回 ストレスは害ではない!? それは幸福になるために必要なこと

ストレスの対処に重要なのは思い込み

ネガティブに捉えられがちなストレス。しかし、本書はそのストレスこそが人生を豊かにするものであると教えてくれます。こうしたストレスの良い面を見つめると、人々は過酷な状況も乗り越えられます。その理由を、著者は次のように説明します。

ストレスを受け入れると、自分自身のことを以前とはちがう目で見られるようになり、それまでは無理だと思い込んでいたことも、できるかもしれないと思えるようになるからです。しかもそれは、頭のなかだけで起こる変化ではありません。ストレスのよい面に注目すると、ストレスを感じたときに体や心に表れる反応も変わってきます。さらには、問題への対処のしかたも変わります。(ケリー・マクゴニカル)

ストレスを避けるのではなく、上手に付き合っていくことが大切だと著者は説きます。それによって「折れない心」が身につき、人生はより良いものになるのです。本書は、多くの研究結果から、困難を乗り越えて強くなる方法を解き明かしています。

その一番の方法が「思い込み」です。ストレスを感じるたびに、私たちの頭には先入観が頭をよぎります。「ああストレスがたまる」と口にした瞬間、体調まで悪くなってしまった経験はありませんか? 思い込みは、心だけでなく体の状態にも影響を与えます。人生に対する向き合い方さえ変えてしまうものなのです。やがてそれは、健康や寿命といった長期的な結果にも影響します。これほどまでに強力な「思い込み」を、ぜひ味方につけましょう。つまり、その思い込みをネガティブなものからポジティブなものに変えてみるのです。「ストレスが役に立つ」という思い込みには、現実を変える力があります。

そのためには次の3つのステップが必要です。①新しい考え方を学ぶ ②それを実践するためのエクササイズを行う ③自らの実践を他者と分かち合う

本書を読むことで、私はストレスについてポジティブに考えられるようになりました。最初のステップはまさにこれ。「本書を読む」です。それを実生活に活かすことができたら、ぜひ周りと共有してみてください。私のように体験をブログに書くのもいいでしょう。家族や友人との会話やSNSでの発信などで、他者へ貢献することがストレスを軽減してくれます。大切な目標には、ストレスがつきものです。本書の手法を学んで、ストレスと上手に付き合い、目標を達成できるようになりましょう。

スタンフォードのストレスを力に変える教科書

ケリー・マクゴニガル著

大和書房/1728円

2015年10月刊

徳本昌大

ソーシャルおじさんズ代表、ブロガー、都内広告会社でコンサルタントとして働くビジネスマン。iPhoneとソーシャルメディアが人生を変えた。著書『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(高橋暁子との共著、マイナビ)など多数。【URL】http://tokumoto.jp/