トラックパッドを愛して21年
アップルからマジックトラックパッド2が発売されました。筆者はPowerBook 520以来トラックパッドを使い続け、マジックトラックパッドの登場でデスクトップもマウスからトラックパッドに置き換えたほどのパッド派。マジックトラックパッドは電池交換の手間や、底面スイッチの耐久性がやや低いといった欠点もありましたが、新型でどれだけ改善したのか、さっそく試してみました。
本体は前モデルと比較すると幅が広く、奥行きが短くなっています。最大の変更ポイントとして、ライトニングコネクタで充電できるようになりました。前モデルの電源は単3形乾電池2本で、1カ月に1回程度は交換が必要だったので案外面倒でした。電池のスペース分薄くなり、本体の傾斜も緩くなっていますが、ほとんど違和感はありません。電源スイッチがボタン式からスライド式のものになりましたが、正直これはダサいと思います。
Macとのペアリングはライトニングケーブルを接続して行うのが簡単です。OSがエルキャピタンになっていればドライバなどをインストールしなくても即つながります。また、今までどおりシステム環境設定の[Bluetooth]でもペアリングできます。さっそく接続してみました。
サイズはかなりBigに
左が新型、右が旧モデルです。幅は約25%大きくなっており、デスクの上に置けない人も出てきそうです。
大幅な薄型化に成功
横から見ると傾斜角は6度から3度へとほぼ半減。もっとも厚かった部分は、ほぼ半分にまで薄型化しています。
ペアリングは簡単
本体の電源を入れて、ライトニングケーブルでMacに接続すれば認識されます。今までどおり、[Bluetooth]環境設定で[ペアリング]をクリックしても認識されます。
使いどころが難しい新機能
パッドを軽く叩く「タップ」、通常の「クリック」に加え、感圧式の「フォースタッチ(Force Touch)」に対応しており、「強めのクリック」による操作もサポートしています。MacBookシリーズにも搭載されているので、すでにご存じの方も多い機能でしょう。強めのクリックは通常のクリック後、さらに深く押し込むことで2段階目のクリック感があり、通常のクリックとは違う操作になります。すべてのクリック感は内蔵の「タップティック・エンジン」で再現されるため、電源をオフにするとクリック感はなくなります。
強めのクリックはユニークな機能ですが、対応する操作は今のところ、選択した文字を辞書で検索する「調べる」と、ファインダの「クイックルック」、それにクイックタイムプレーヤなどの「可変速度メディアコントロール」だけ。「調べる」については、私は3本指タップに慣れてしまったので使いづらいものの、まだそれなりに使えます。しかしクイックルックは誤操作になりやすいこと、メディアコントロールは対応サービスやソフトがほとんどないため、出番がありません。
結局、「ただのマジックトラックパッド」として使っています。ハードウェア的には大きく改善されている新型ですが、「強めのクリック」についてはもう少し、システム側でも時間をかけて練り込んでほしいところです。
海老原昭の評価
● セットアップが簡単
● 電池交換の手間がない
● 良好な操作感
● 価格が高い
● Force Touchがまだまだ
● バッテリ残量が外見でわからない
【補足】
フォースタッチでクイックルックする設定だと、ファイル名を「強めにクリック」するとクイックルックではなく「ファイル名の変更」になってしまいます。個人差もあると思いますが、ドラッグ時の力の入れ具合も、慣れないと失敗しがちです。
SPEC
[使用期間]7日
【発売】アップルジャパン
【価格】1万4800円(税別)
【サイズ】160(W)×4.9~10.9(H)×114.9(D)mm
【重量】約231g
【インターフェイス】ライトニングポート×1、ブルートゥース4.0
【備考】対応OS:OS X10.11以降
海老原昭 Akira Ebihara
アップル認定サポートプロフェッショナル(10.6)所有の便利屋系ライター。開発者の愛とか思い入れとかが詰まった製品が大好物。締め切りと納期が覚えられない難病にかかっている。