日本語入力システム
ATOK 2015for Mac
【発売】ジャストシステム
【OS】OS X 10.9以降
【価格】1万3800円(プレミアム版、税別)
日本人の支持を長年集めてきたソフト
OSがどんなに新しくなっても、音声認識が飛躍的に高性能になっても、まだまだキーボードからの文字入力から解放される時代には到達していない2015年、秋。それならば、より正しく、さらに快適な文字入力を手に入れるのが賢い選択といえましょう。ちょうどOSをバージョンアップした今、Macの日本語入力環境を思い切って見直してみませんか。
OS Xエルキャピタンの日本語入力に搭載された「ライブ変換」は、変換キーを押すことなく思考の速さで文字入力ができる点で、個人的に大絶賛している新機能ですが、少し前までMacの日本語入力環境は、お世辞にも素晴らしいとは言えませんでした。そこで多くのユーザが導入したのが、サードパーティの日本語入力システム。その1つとして今も昔も支持され続けているのが、今回取り上げる「ATOK(エートック)」です。20年以上に及ぶ長い間、パソコンの日本語入力を支えてきたATOKは、すでに完成されたソフトと考えられがちです。しかし、時代に合わせて新しい機能を盛り込む姿勢は健在。今回は、比較的新しい機能にスポットを当ててATOKの今を探ります。
数多くの変換辞書を装備して変換精度を高めるATOKですが、日々生まれる新しい言葉に対応するためにオンラインでリアルタイムに辞書を更新するATOKキーワード・エクスプレスや、“ほらあれ、なんだったっけ?”を推測する「なんとか変換」などユニークな機能にも注目です。
ATOKを使いこなそう!
【実践1】賢さがわかる推測変換を使ってみよう
[スペース]キーを押して実行する文字変換とは別に、入力した文字列に続く言葉を推測して候補を挙げてくれる推測変換候補は、ビジネスレターのあいさつなど定型文で重宝します。
【実践2】いろいろな変換機能を使いこなそう
選択した変換候補の意味を表示する「辞書」機能は、同音異義語の変換ミス防止にも役立ちます。ほかにも「類語ファインダー」など、便利な機能が盛りだくさんです。
【実践3】Macの標準ソフトと連携して使おう
カレンダーや連絡先、iTunesといったOS Xのソフトの情報を取得して、変換候補として表示するユニークな機能を紹介します。「今日」や「明日」と入力して予定が確認できたりします。
【実践4】クラウドを使ったトレンドワードの変換
テレビやインターネットなど、私たちの日常は「流行り言葉」に溢れています。変換辞書が「旬」の言葉に対応するために採用した手段は、クラウドです。使いたい言葉をスラスラ変換できます。
ATOKのインターフェイスを見てみよう
ATOKをインストールすると、入力ソースの1つとしてメニューバーの入力メニューに表示されます。入力や設定に必要な操作のほとんどは、この入力メニューから行います。また、デスクトップに常駐するATOKパレットでも、入力メニューと同等の操作が行えます。
そのほかの日本語入力ソフト
ATOKのほかにも、OS Xで利用可能な日本語入力システムとしてグーグルが提供する「グーグル日本語入力」や、EGBRIDGEの血をひく「かわせみ2」などが公開されています。グーグル日本語入力は、自社サービスによる言語解析や検索キーワードなどを基に変換候補を提示するため、最新の流行語に強いのが特徴です。ATOKとともにMacの日本語入力を支えたEGBRIDGEのエンジンを継承した「かわせみ」は、軽快な動作が身上。またOS X標準の日本語入力も、「ライブ変換」を実装するなど機能向上を図っています。好みの1本を選ぶことが、快適な日本語入力の第一歩になるでしょう。
かわせみ2
【販売】物書堂
【価格】2000円(税別)
【URL】http://www.monokakido.jp/mac/kawasemi2.html
Google日本語入力
【販売】Google Inc.
【価格】無料
【ATOK】
ATOKは、ジャストシステムが開発・販売するパソコンやモバイル端末向けの日本語入力システムプログラム。「Advanced Technology Of Kana-Kanji transfer」の頭文字が名前の由来とされています。
【ATOKの種類】
ATOKには、スタンダード版やプレミアム版といった種類のほかに、購読型、定額サービス、パッケージ販売などの購入方法が用意されています。それぞれに特徴があるので、公式WEBサイトでチェックしましょう。記事執筆に用いているのはプレミアム版です。