彼はそれにふさわしいコンピュータの持つべき条件を上げ、そしてその条件をすべて満たす、理想的なパーソナルコンピュータの構想を「ダイナブック(Dynabook)」と名づけました。ダイナブックはGUIを搭載したA4サイズ程度のコンピュータで、文字や音声、動画などのマルチメディアを扱うことができます。この理念に基づいて作られたパロアルト研究所のGUI搭載コンピュータ「アルト(Alto)」は、後のMacintoshに大きな影響を与えたと言われています。
Xerox Alto at the Computer History Museum CC BY 2.0
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そして2015年、iPad Proはようやくダイナブックに追いついたのかな、と思います。コンピュータがようやくパーソナルになデバイスになり、デスクトップコンピューティングから、モバイルコンピューティングへとシフトする流れはますます加速するでしょう。ダイナブック構想から半世紀、アラン・ケイの夢見た未来はもう、すぐそこにあるのかもしれませんね。
【白石倖介/Mac Fan】