ウォッチが「良き隣人」になる
ウォッチOS 2では、「タイムラプス」や「写真」といった新しい文字盤が追加された。また、文字盤に搭載された新機能「タイムトラベル」は、デジタルクラウンを回すことによって「未来の情報」を文字盤の上に呼び出すことができる。スケジュールはもちろんのこと、フライトスケジュールや天気(気温)など、コンプリケーション(複雑時計)との組み合わせでさまざまな情報が文字盤の上だけで確認できる。このためアップル・ウォッチで一番「地価の高い」場所は、アプリ単独ではなく文字盤上となる可能性が高い。今後は、より優秀なコンプリケーションが生き残ることになるだろう。
使い心地の観点からいうと、Siriの強化も見逃せない。iOS 9向けに開発された賢さがそのまま組み込まれており、「公園で30分間のランニングを開始」と伝えるだけで、そのままワークアウトとして記録を開始するなどが可能。これによってアップル・ウォッチは、指で直接画面に触れなくてもSiriに話しかけるだけで多くの操作が行える。
ウォッチOS 2によってもはやアップル・ウォッチは単なるウェアラブルデバイスではなく、我々の「良き隣人」として働くパートナーと呼ぶべき存在へと成長していくのだ。
●新しいウォッチフェイス
「タイムラプス」はアップルが撮影した世界6都市の24時間タイムラプスを表示。スタートするシーンは現在時刻から、というちょっと凝った演出が心憎い。「写真」や「フォトアルバム」を使えば自分の写真を文字盤に設定しておくことも可能になった。
●賢くなったSiri
Siriは、音声入力の精度の向上だけでなく「公園で30分間のランニングを開始」という言葉から「30分間」「ランニング」といった単語同士を結びつけて「ワークアウト」という結論を導き出す、より賢くなった人工知能そのものだ。
●コンプリケーションとタイムトラベル
文字盤の上でシンプルな情報を表示できるコンプリケーションがサードパーティ向けに開放されたことにより、自分の必要な情報を集約したパーソナルな形に文字盤をカスタマイズできるようになる。これに加えてデジタルクラウンを回して先の時間の情報をチェックできるタイムトラベルが組み合わさることによって、アップル・ウォッチ文字盤はどのスマートウォッチよりも使いやすい設計になったといっても過言ではないだろう。
●拡張された標準機能
メールの返信は絵文字や定型文、音声入力によるメッセージの作成などに対応。デジタルタッチによるイラストは複数の色を使うことができるようになり、表現度が高まった。また「友達」の追加をアップル・ウォッチ上でできるようになったほか、最大12人の上限も撤廃された。