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アップル製品のコンパニオンから独立したエンターテインメント端末へ

Apple TVがテレビにもたらす新たな興奮と知性

著者: 氷川りそな

Apple TVがテレビにもたらす新たな興奮と知性

ハードウェアの大幅な進化

長らく次世代モデルが待ち望まれ、実に3年ぶりの大型アップデートとなったアップルTV。基本となるデザインはそのままに、しかしその内部は「別次元」と呼べるほどの違いを見せるほどの進化を遂げている。

もっとも特徴的なのはアップルTVのOSだ。アップルTVは第2世代からiOSベースのものに変わっていたが、今回新たに「tvOS」という新OSへと刷新。既存のエンターテインメント機能だけでなく、アップストアからユーザが好きなアプリを自由にインストールできるようになった。

これに合わせて、内部も大きく進化した。たとえば、CPUはiPad 2やiPadミニなどで採用されていたシングルコア32ビットのA5チップから、iPhone 6と同じデュアルコア64ビットのA8へと一気にジャンプアップ。加えてアプリをインストールするスペースとして、32GBもしくは64GBのフラッシュストレージを内蔵。メモリも従来の4倍に拡大されるなど、アプリを動作させる環境としては最先端のスペックが用意された。

さらに、アップルTVのコントロールデバイスであるアップルリモートは「Siriリモート」と名前を変えアップデート。さまざまなセンサ類を搭載し、多目的に使えるモダンなコントローラへと進化した。

自然な会話で操作できる

また、tvOSを搭載したアップルTVは、ハードウェアの性能を活かした新しい試みも取り入れられている。それが、Siriの搭載だ。バージョンアップごとに一躍の進化を遂げている人工知能を持つこのパーソナルアシスタントは、Siriリモートで話しかけることで、さまざまな操作を自然な流れで行ってくれるというtvOSのキラーツールとも呼べる存在だ。

今まではアップル製品ユーザの「拡張デバイス」という意味合いが濃かったが、兼ねてより要望の多かったサードパーティ製アプリの対応が開始されるなど、ついに「単独で動作するデバイス」として独り立ちを始めたのが、この新しいアップルTVなのだ。