ちょこんとつまめる本体
納車された新車とパチリ。写真のセッションはマウント込みなので、実際はもっと小さいキューブ型。もっとも単体では固定できないので、走行動画の撮影時にはマウントの取り付けは必須です。
二度と出会えない一瞬を残す
この夏、12年ぶりにバイクを買い替えました。ロングツーリングでは快適ながら維持費がバカ高かった600ccの大型スクータより、チョイ乗りからたまに遠出もできる200ccの小型スクータへのダウンサイズです。
うれしくなってバイクに乗る回数も増えがち。新しいことにもチャレンジしたくなります。そこでむくむくとわき上がってきたのが、一人称の走行動画撮影。バイク乗りやドライブ好きなら共感いただけると思うのですが、走っている最中にしか出会えない──停車したときにははるか後方に去っている──美しかったり面白かったりする、「一瞬」があるのです。
その記録手段に選んだのがゴープロ・ヒーロー4・セッション(以下、セッション)。定番アクションカムのニューモデルにして、手軽に一人称撮影を楽しめるように設計されたエントリーモデルです。とりわけ惹かれたのが、ハウジングなしで実現した防水設計と、ディスプレイを廃した本体設計、そしてiPhoneをライブモニタとして利用するアプリ連携機能でした。
果たして自分も「世界の街道をゆく」(テレビ朝日)ばりの走行動画が撮れるのかしら? ヘルメットにセッションを取り付けて、お出かけしてみました。
使い方は無限大
セッションにはボタンが2つしかありません。てっぺんのシャッターボタンを押せば、電源が入って動画の撮影が始まり、もう一度押せば、撮影終了ののち電源がオフになります。もうひとつ、背面にあるボタンはiPhoneとの連携ボタン。Wi−Fiのオンオフやペアリングなどを行います。
撮影に関わる詳細な操作はすべてiPhoneアプリに集約されており、ライブビューはもちろん、本体のリモート操作、動画や静止画品質の設定、撮影したファイルの確認・転送・削除を行えます。
早速、撮影にチャレンジ。逆光になりがちな夕方というコンディションでしたが、特にホワイトバランスやISO感度を設定せずとも破綻のない動画を残すことができました。ただ、本体かアプリどちらかの不具合かはわからないですが、撮影中に接続が切れてしまい、ライブビューができなくなることもしばしば。今後のアップデートに期待です。
また、内蔵バッテリで2時間しか撮影できないため、ロングツーリング中の撮りっぱなしができないばかりか、電池が切れても交換できません。ここは割りきったパッケージの仕方ない面かもしれません。
ともあれ、走行動画のみならず、工夫次第で面白い動画が撮れるセッション。撮影を試行錯誤するのが一番の醍醐味といえましょう。
2ボタンのシンプルなUI
本体てっぺんのシャッターボタンと、背面のスマホ連携ボタンのみのシンプルな設計。本体はハウジングなしでも防水仕様なので、突然の雨でも慌てなくて済むのがうれしい。
すべての操作をiOSアプリに集約
本体が小型でシンプルな分、リモート、プレビュー、設定など細かい操作をiPhoneアプリ側に委ねています。接続が切れがちなので今後の改良を期待。
フルHDを超える映像美で走行動画を撮影
使いこなすにはリハーサルが必須。画角や解像度、フレームレートなどを変えて試行錯誤しつつ、自分好みの絵作りを行います。個人的にはタイムラプスも突き詰めてみたいかも。
熊山准の評価
● シンプル設計
● 豊富なマウント
● 防水仕様
● お値段が高い
● バッテリ交換不可
● ペアリングに難アリ?
【補足】
セッションの導入でバイクの乗り降りがより煩雑になるのが懸念点。「ナビ代わりのiPhone脱着」「ブルートゥースヘッドセットのオンオフ」などに加えて「カメラのオンオフ」が盛り込めるのか? いっそセッションがバイクに内蔵されて、エンジンのオンオフと撮影が連動してくれたら最高なのですが…夢のまた夢ですね。
SPEC
[使用期間]20日
【発売】GoPro
【価格】5万6160円
【URL】http://www.tajima-motor.com/gopro/
【サイズ】38.2(W)×38.2(H)×36.4(D)mm
【重量】74g(ハウジング込み)
【備考】静止画画素数:800万画素、動画撮影画質:最高1440p(30fps)、バッテリ稼働時間:2時間、付属品:マウントフレーム、ボールジョイントバックル、ベースマウント(平面、曲面)、マウント用バックル+ハードウェア、USBケーブル
熊山准 Jun Kumayama
おもちゃとおやつと遠足が好きなノマドライター。モバイル最適解を求めるべく、iPhoneとMacBookプロの間を行きつ戻りつ、答えはいまだ見つからず。装備は今日も3キロ超。