電流と電圧のバランスが重要
かつてのiPhone 4や5はバッテリの持ちが悪く、朝から夜まで外出していると充電が出先で切れてしまいました。そのためモバイルバッテリは必須アイテムで、筆者はチーロの「パワープラス(Power Plus)」というバッテリを2012年から愛用していました。1万mAhという大容量が魅力の製品で、iPhone 5を6回もフル充電できます。ただ、iPhone 6になってからは泊まりがけでもない限り充電の必要はなくなり、ほとんど出番がなくなってしまいました。
しかし、つい4カ月前、外出中でもブラウザゲームをやりたくなって、ウィンドウズ・タブレット「レノボ・ミックス2 8(Miix 2 8)」を購入しました。フラッシュが動いているので、みるみるうちにバッテリが減ってしまい、ひさびさにパワープラスを使ってみたところ、高出力の2.1A出力ポートを使っても充電されません。一応、充電中という表示は出るのですが、バッテリは減っていく一方です。
2.1Aでも足りないのかと、タブレットの消費電力を計測したところ、電流は1.8A程度しか流れていませんでした。ここで、パワープラスでの充電時、電圧が5Vを切っていたことに気づきました。どうやら充電できないのは電圧不足が原因のようです。
パワープラスも長年使用しているため、セルの劣化も目立っており、買い替えることにしました。そこで迷うことなく同じメーカーの後継機種である「パワープラス3」をチョイス。容量は3割増しの1万3400mAhで、出力が2.4Aにパワーアップしているのもポイントです。
さっそくタブレットを充電しながらブラウザを立ち上げてみると、バッテリ残量が増えるようになりました。電圧を計測するとこちらは5V以上になっており、付属の充電器並みのパワーで充電できていることがわかります。
ウィンドウズ・タブレットを充電
タブレットでフラッシュを使ったブラウザゲーム「艦隊これくしょん」をプレイするとバッテリがみるみるうちに減っていきますが、パワープラス3のおかげで長時間におよぶ海域攻略が捗りました。
確実にパワーアップ
3年前の旧製品と比べると、大電流出力時に電圧が低下しなくなっています。さらに、旧製品のおよそ倍の電流を入力できるため、本体の充電速度もアップ。
MacBookも充電できる
さて、この記事の掲載が決まった直後にチーロさんからUSB−Cケーブルが発売されました。バッテリ屋さんからなぜ、ケーブルが発売されるのか? 答えはなんと、「MacBookの充電をサポートするケーブル」だというのです。
さっそく購入して試したところ、本当に充電できました。付属のUSB−C電源アダプタが29Wなのに対し、パワープラスは15Wなので、使いながらの充電は厳しいかもしれません。とはいえ、思いのほか外出が長引いたときの予備バッテリとしては充分役立ちそうです。きっかけはタブレットでしたが、なんと1台で手持ちのデバイスがすべて充電できる優れものだったのです。
オプションのUSB-Cケーブル
8月下旬にチーロから発売された「TypeC USB 3.1ケーブル」(1100円)も購入しました。
MacBookも充電可能
パワープラス3との組み合せでMacBookを充電することができました。充電電力は15W、1時間で31%充電できました。緊急時の予備バッテリとして役立ちそうです。
中村朝美の評価
● 大容量で大出力
● 急速充電に対応
● MacBookも充電できる
● 自動で切れた電源をオンにするのを忘れる
【補足】
余計なコストはかけないというチーロのこだわりが感じられる点は、本製品のパッケージにも現れています。段ボール製で無駄な装飾もない、とてもシンプルなパッケージなのです。
SPEC
[使用期間]33日
【発売】cheero
【価格】2980円
【URL】http://www.cheero.net/products/powerplus3/
【サイズ】92(H)×80(W)×23(D)mm
【重量】245g
【インターフェイス】入力:5V/2A、出力1:5V/1A、出力2:5V/2.4A
【備考】容量1万3400mAh/3.6V(48.24Wh)、本体充電時間約8時間(2Aアダプタ使用時)
中村朝美 Tomoyoshi Nakamura
引きこもり系フリーランス編集者&ライター。趣味はカメラとアニメとちょっとだけ鉄道。質量が100kgを超えたため炭水化物ダイエット実施中なのに、徹夜が続いて景気付けのモンスターエナジーのがぶ飲みで台無しです。