自分でインテリアを決めたい人に
今回は、「引っ越し」や「リフォーム」、あるいは思い切った「部屋の模様替え」。そんなキーワードにワクワクする人のためのソフトを紹介します。
引っ越しや模様替えの際、今あるものを使うにしても新調するにしても、気を使うのが家具の配置やバランス。事前に寸法を測ってぴったり収まるように準備したいですよね。そこで、間取り図を元に家具を配置して、3Dシミュレーションを行うソフトを探してみました。
調べてみると、現在はスマートフォンやタブレット用のアプリが多く、またパソコンではWEBブラウザで操作する手軽なWEBアプリが人気のようです。とはいえMac用のデスクトップソフトも、いろいろと揃っていますね。
なお、今回候補に挙げたソフトはいずれも、建築や設計に使用されるCADのような設計図(間取り図)を作成するものではありません。あらかじめ間取り図を用意して、部屋のサイズなどがわかるようにしておくと、作業がスムースに進められます。
ドラッグ&ドロップで部屋を構築する
候補の絞り込みにあたって、基準にしたのは、正確な間取りを元に家具の並べ替えができること、自動的に3D描画すること、建築の専門知識やCADソフトの使い方を知らなくても簡単に操作できることの3点。まず候補としてチェックしてみたのが以下の3つのソフトです。
「ホームデザイン 3D(Home Design 3D)」は、ドラッグ&ドロップで直感的に操作でき、iOS版でも人気のソフトです。ベースとなる間取り図の作成も比較的簡単に行える点はいいですね。
「ライブインテリア 3D(Live Interior 3D)」は、凝った内装が自分でデザインできる楽しさがあります。完成度が高く、お部屋造りというよりも、3Dグラフィックス製作ソフトの趣。残念ながら日本語には非対応です。
そして、北欧の大型家具販売店のイケアが、自社製品でのお部屋造りを提案する「イケア ホームプランナー(IKEA Home Planner)」。イケア製品で統一したい人には一択ですね。なお、このソフトはWEBブラウザで操作するタイプです。利用には専用プラグインをインストールしたWEBブラウザが必要です。
候補のソフト
Home Design 3D
【開発】Anuman
【価格】1300円
【カテゴリ】Mac App Store>仕事効率化
3D描画はもちろん、2Dでも簡単に間取りを作成できます。Mac版にはお試し版の用意がないようですが、iOS版の無料版が公開されています。
Live Interior 3D
【開発】Belight Software, ltd
【価格】3000円
【カテゴリ】Mac App Store>グラフィック&デザイン
インターフェイスも同梱の3Dパーツも、ほかに比べて洗練されたデザインという印象。西欧風インテリアを目指している人におすすめ。
IKEA Home Planner
【開発】IKEA
【価格】無料
【URL】http://www.ikea.com/ms/ja_JP/rooms_ideas/splashplanners.html?
主にキッチン、ダイニングの3Dシミュレーション。専用プラグインをインストールしたWEBブラウザで操作します。イケアファンは要チェック。
ここまでできて無料の「スウィートホーム 3D」
いろいろと検討した結果、選んだのは「スウィートホーム 3D(Sweet Home 3D)」です。使いやすかったり、同梱の3Dパーツがおしゃれだったりと、ほかの候補のソフトにもさまざまな魅力がある中で、やや野暮ったい風情のスウィートホーム 3Dを選んだ理由は、基本的な機能をひととおり兼ね備え、作成した3Dイメージの書き出しができて、なおかつ無料で利用できるからです。
実は、スウィートホーム 3Dには、公式WEBサイトからダウンロードする無料版と、Macアップストアで販売している有料版があります。有料版は、3Dパーツが多く含まれているなどの特徴があります。ただし無料版でも、3Dパーツやテクスチャのライブラリを、公式WEBサイトから追加でダウンロードできます。
今月のソフト
【Pick Up!】Sweet Home 3D
【開発】Emmanuel Puybaret
【価格】1800円
【カテゴリ】Mac App Store>グラフィック&デザイン
間取り図を取り込んで、家具の配置を正確にシミュレーションできる3Dインテリアソフト。高画質での出力にも対応。ダウンロードでパーツを追加できます。
和室を作りたいときはどうするの?
今回候補に挙げたソフトは、すべて海外で開発された製品です。残念ながら和室の3Dグラフィックは含まれていません。そこで外部の3D素材を取り込みます。検索をすると多くの素材が見つかりますが、ここでは「スケッチアップ(SketchUp)」が提供する3D Warehouseを例にインポートする方法を紹介します。なお、スウィートホーム3Dに取り込める3Dファイルは、OBJ、DAE、KMZ、3DS形式となります。
3D Warehouseにアクセスし、ファイルを検索します。素材が見つかったらKMZ形式を選択してダウンロードします。
【URL】https://3dwarehouse.sketchup.com/index.html
スウィートホーム3Dを起動し、[家具]メニュー→[家具をインポート]をクリックしてダウンロードしたファイルを選択します。
【ダウンロード】
ライブインテリア 3Dは、公式WEBサイトから無料のお試し版をダウンロード可能です(URL:https://www.belightsoft.com/products/liveinterior/overview.php)。またスウィートホーム 3Dは、公式WEBサイトでフル機能の無料版が入手できます。
【スケッチアップ】
米Trimble社が提供する3Dモデリングソフト。部屋のインテリアだけでなく、3Dグラフィックス全般に利用できます。スケッチアップには、有料のプロ版のほかに無料のSketchUp Makeも用意されています。