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「子育てする」 教育だけじゃない、iPadの活用法

著者: 神谷加代

「子育てする」 教育だけじゃない、iPadの活用法

子どもの世界をiPadで広げたい

わが家の子どもたちがiPadを使い始めたのは、長男が小1、長女が3歳半の頃でした。

デジタルネイティブと呼ばれる今の子どもたちがiPadをどのように使うのか、ウチの子たちの使い方を見て驚きました。だってiPadを使ってやることといえば、ゲームと動画視聴ばかり。子どもなので当たり前かもしれませんが、この姿を見て「iPadを与えたら、遊び以外の使い方は、親が教えないといけないんだ!」ということに初めて気づかされました。

そこで、子どもの生活の中に少しずつiPadを使う場面を増やしていきました。帰宅時の連絡を電話ではなくメールにしたり、宿題の音読も単に読むのではなくiPadに録音させたり、ゲームや動画視聴といったエンタメ以外の用途があることを教えるようにしたのです。

子どもたちに幼稚園、小学生のうちからiPadを与えてよかったのは、親のいうことを聞く年齢のうちに、デバイスとの関わり方や使い方、マナーを教えられたことです。また、この頃の年齢は、子どもがiPadでしでかす失敗も小さく、その経験をもとに“今後気をつけるべきこと”が見えるようになったのは、母親として貴重でした。

そのような経緯で、子育てにiPadを活用しているわが家ですが、どんな風に使っているのか紹介しましょう。

神谷家流 子どもとの約束

わが家では、iPadの使い方にはルールを決めています。子どもがまだ幼い頃は、「1日1時間まで」「広告をクリックしない」など細かなルールを決めていましたが、子どもたちの成長とともにルールも変わってきました。小3と小6の現在は、こんな感じです。

?リビングで使う

子どもたちに初めてiPadを与えてから、今も変わらないルールです。リビングで使うことで、子どもが何をしているのかわかりますし、「何を見てるの?」など、子どもがひとりの世界にこもらないように声かけしやすいです。

?親ナシで外へ持ち出さない

「iPadを友だちの家に持って行きたい」と言うようになりました。親が一緒にいる場合は問題ないと思いますが、子どもだけで遊ぶ場合は、さまざまなトラブルや道中で壊れたりするリスクもあるのでダメにしています。

?「学ぶ」目的ならいつでも使用OK

「ここで、iPadを使って調べればいいのに」と思うことがあります。一度、子どもにそれを話したら「な~んだ、使っていいんだ」という返事。意外と子どもは使う場面を限定しているんだなと感じて、このルールを設定しました。

1・親子の連絡はiPadで

わが家では、子どもたちが低学年のときからiPadを親子間の連絡に利用しています。学校から帰宅したときなど、電話よりメール連絡のほうが親も助かります。

当初は子どもたちの入力が未熟だったので、手書きのメッセージを送ることができるアプリを使っていました。手書きだと、そのときの気持ちも伝えやすいのか、連絡だけでなく、いろいろなことを描いて送ってくれました。今となっては残された手書きデータも子どもたちの成長を感じる良い思い出です。

現在は、子どもたちの入力スキルも向上しましたし、長男も来春中学生になるのでスカイプを連絡ツールにしています。中学生になれば、LINEなどを使って友だちとやりとりを始めると思いますが、言葉遣いやマナーなどある程度のモラルを事前に身につけてほしいと考え、今は親が練習相手になってスカイプを活用しています。

子どもたちはチャットで、短い言葉を使いたがる傾向にあります。「この言い方じゃ相手が誤解するよ」と注意することもしばしば。

手書きメッセージが送信できるiOSアプリ「ただいま!~ママと僕の伝言板~」を使用。親のアドレスを登録し、子どもは「送信」を押すだけでメールが届く仕組みです。

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2・家庭学習に大いに生かす

子どもたちが大いにiPadを活用できるのが学習シーンです。数年前に比べて、家庭学習で使えるアプリも充実してきました。わが家では紙と鉛筆だけでは飽きてしまいがちなドリルや暗記ものの勉強などにアプリを取り入れたりしています。

写真や動画、音声などのマルチメディアも学習に役立てています。たとえば、辞書で言葉を調べる代わりに、画像検索や動画検索を使ったり、スピーチや楽器の練習にiPadで動画を撮り、自分の出来栄えをチェックしたりしています。

私は、iPadやPCが勉強にも使える!ということを知ってほしくて、低学年のうちから使わせました。宿題や習い事など、子どもたちの生活に絡めながら使う場面や頻度を増やすように心がけています。

と、こんな風にいうと、なんだかデジタル一辺倒だと思われがちですが、そうではありません。紙と鉛筆を使ったり、本で調べたりすることもたくさんあります。しかし、iPadがあることで、勉強の選択肢や学ぶ方法の工夫ができることは子どもたちの将来に役立つのではないかと思っています。

わからない言葉は辞書で調べるよりも、写真や動画を見たほうが一目でパッと理解できる場合があります。写真は「土手」の意味を調べたところ。検索結果について、どれが適切なのか子どもは判断がつかない場合もあるので、親のサポートが必要。

iOSアプリ「おんどく!~ママとぼくの音読カレンダー」を使って音読の練習。

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暗記もの、ドリル系のアプリはゲーム感覚で学べて子どももノリやすいです。ただし、学校のテストは紙に書かなければならないので、最終的には紙に書いて理解度を確認することが大切。

苦手な単元やわからない部分があれば、無料で公開されている解説動画を利用します。動画だとわかるまで何度も見直すことができるので便利です。

3・作品づくりで創造力を育てる

最近は、子どもたちが大きくなってきたので、iPadやPCを使ってデジタル作品を「創る」機会を増やすようにしています。写真や動画をアプリで編集し、作品としてまとめることができれば、作り手の視点で物事が見られるようになるのではないかと考えています。

今の小学生たちは、ユーチューバーの影響もあって動画作りが大好きです。わが家の長男も、友だちと一緒に役割を決めて楽しそうに動画を作っています。最初は場面ごとに写真を撮り、それらをつなげただけの簡単な動画でしたが、やがてアフレコや音楽が入り、今やアプリにとどまらず、PCで編集するようになりました。

子どもたちには、iPadを使ってできることを増やしてあげたいと思う反面、いろいろな失敗をしてほしいとも思っています。動画で使える音楽はどういうものか、友だちと動画を共有するときは何に気をつける必要があるか、こういうことは言葉だけでは理解できず、実際にやりながら身につくことだと思うのです。家庭では、親の目の届く範囲で、小さな失敗ができることも大切だと考えています。

長男が、「ロイロノート」を使って友だちと一緒に作った動画。場面ごとに写真を撮ってつなげて、アフレコを入れます。

小3の娘は、よくデジタル絵本やメッセージカードをiPadで作成します。

ゲームの解説動画作りは、今の小学生が熱くなれる遊びです。画面右でスクリーンをキャプチャしながら、別画面では友だちとスカイプしています。

神谷加代

教育ITライター。「教育×IT」をキーワードに教育機関で進むタブレット導入・活用事例や子ども向けプログラミング教育・EdTech関連を中心に執筆。プライベートでは小6、小3の母。マインクラフトで子どもと遊ぶのが楽しみ。