「おせっかいな問題集」というキャッチコピーがついた同サービスは、出版社の発行した問題集にICTによる「おせっかい」部分をくっつけたサービスです。先週行われた、教育におけるICT活用を紹介するイベント「ラーニングテクノロジー2015」で、デモを見せてもらうことができました。
基本は問題集を電子書籍化したもの。タブレット用アプリやWEBブラウザ上で問題・解答を確認できます。電子書籍の特徴である検索機能はもちろんのこと、それに加えて数々の「おせっかい」機能がATLSの特色です。
たとえば、「この問題を解こう」とタップした瞬間、ストップウォッチがスタート。その問題を何分で解いたのかログをとってくれるんですね。解答を確認したら、正解/不正解を記録しておきます。正解だったら、その問題と似た、でもちょっと難しめの問題を次に解く問題としてアナウンスしてくれます。復習をしたい場合は以前不正解だった問題や、解いてから時間が経った問題を勝手にレコメンド。サービス内で複数冊の参考書を購入すれば、書籍をまたいだレコメンドが可能で、これはかなり画期的!
これまでの問題集は頭から解いていくもの、間違った問題ややりかけのところにしおりを挟んで、なんて行為がまったく不要になるのです。使い方としては紙の書籍が電子になっただけというような手軽さながら、そこにICTによるレコメンド機能、ログ機能を付け加えたことで、これまでの勉強法をガラリと変えるようなサービスになっています。コンテンツは、信頼や実績のある出版社の参考書のものであるという点も、使用者にとってポイントの高い点でしょう。
クラウド上に置かれた学習の進捗を確認できる管理者(先生など)の設定や、解法を書き込んだノートを写真に撮ってアップロードする保存機能なども想定しながら、現在は実証実験の段階だそうですが、一般公開される日が待ち遠しい受験生も多いのではないでしょうか。「教育ICT」の文脈だけではなく、「電子書籍」の新しいカタチを見た思いでした。
ATLS
https://atls.for-e-study.com/lp/
【山本安寿紗/Mac Fan】