もう我慢できない! アップルを訴えた日本のサプライヤー
「アップル社に対する訴訟の提起のお知らせ」。日本のとある中小企業のWEBサイトに掲載されていたこの一文に、並々ならぬ決意が読み取れた。
約6000億ドル(約64・2兆円)という時価総額世界一の企業に反旗を翻したのは、サプライヤーとして9年もの間取引を続けてきた島野製作所だ。同社はアップルに対し、「取引において看過できない行為があった」とし、独占禁止法と特許法違反を理由に提訴し、目下注目を集めている。
同社は、もともとアップル製品のコネクタのピン部分の製造を請け負っていた。しかし、突然の発注量激減、それによるピン代金の減額要求、別業者への製造技術の流出、不当なリベート要求などにより、訴訟を「するしかなかった」という背景があるのだという。
日本人によるアップルへの訴訟というと、iPodのクリックホイールの技術をめぐる個人発明家のニュースが記憶に新しい。6年にも及ぶこの戦いは、知財高裁がアップルの特許侵害を認め、発明家の男性に約3億3000万円の賠償を支払うよう判決が下されている。
果たして島野製作所のケースは今後どうなるのか。「巨像とアリの戦い」と一部メディアで評されるこの争い。今後の動きに目が離せない。
島野製作所のWEBサイトには今回のアップルに対する訴訟のお知らせが掲載されている。【URL】http://www.shimano-inc.com/prss_rls/prss_rls_20140912.pdf