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Mac Fan メールマガジン

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ソフトウェア開発者は今何を思うのか

Mac App Storeは誰のためのプラットフォーム?

著者: Mac Fan編集部

Mac App Storeは誰のためのプラットフォーム?

Mac App Storeは誰のためのプラットフォーム?

ソフトウェア開発者は今何を思うのか

Macアップストアは、果たして開発者にとって本当に良いプラットフォームなのか? そんな疑問を抱いてしまうような出来事が起こっている。

Mac用テキストエディタ「BBEdit」で知られるベアボーンズソフトウェア(Bare Bones Software)が、モントリオールで行われたシングルトンカンファレンスにおいて、同ソフトの次期バージョンをMacアップストアでは発売しないことを宣言したのだ。彼らはその理由を、アップルに持っていかれる30%の手数料でもなければ、サンドボックス必須というガイドラインでもないとしながらも、これらのフラストレーションやストレスを考慮した結果、Macアップストアで販売するメリットはないと判断したという。

また、2014年5月にはテキストエディタ「コーダ(Coda)」で有名なパニック(Panic)が、前述のサンドボックス化が必須というガイドラインに対応できないことを理由にMacアップストアから撤退。同ソフトの最新版にあたる「コーダ2.5」は現在、同社のWEBサイト上で販売されている。

安全性や複数デバイスでの共有、自動アップデートなど、ユーザにとってMacアップストアというプラットフォームを使うメリットは大きい。今回の流れを開発者はどう見ているのか気になるところだが、ユーザ目線だけは忘れずに持っていてほしいと願う。

BBEditは現在Macアップストアで購入可能だが、次期バージョンは同社サイトで販売になる。

BBEdit

【開発元】Bare Bones Software, Inc.

【価格】5000円

【場所】Mac App Store>開発ツール

もう我慢できない!

アップルを訴えた日本のサプライヤー

「アップル社に対する訴訟の提起のお知らせ」。日本のとある中小企業のWEBサイトに掲載されていたこの一文に、並々ならぬ決意が読み取れた。

約6000億ドル(約64・2兆円)という時価総額世界一の企業に反旗を翻したのは、サプライヤーとして9年もの間取引を続けてきた島野製作所だ。同社はアップルに対し、「取引において看過できない行為があった」とし、独占禁止法と特許法違反を理由に提訴し、目下注目を集めている。

同社は、もともとアップル製品のコネクタのピン部分の製造を請け負っていた。しかし、突然の発注量激減、それによるピン代金の減額要求、別業者への製造技術の流出、不当なリベート要求などにより、訴訟を「するしかなかった」という背景があるのだという。

日本人によるアップルへの訴訟というと、iPodのクリックホイールの技術をめぐる個人発明家のニュースが記憶に新しい。6年にも及ぶこの戦いは、知財高裁がアップルの特許侵害を認め、発明家の男性に約3億3000万円の賠償を支払うよう判決が下されている。

果たして島野製作所のケースは今後どうなるのか。「巨像とアリの戦い」と一部メディアで評されるこの争い。今後の動きに目が離せない。

島野製作所のWEBサイトには今回のアップルに対する訴訟のお知らせが掲載されている。【URL】http://www.shimano-inc.com/prss_rls/prss_rls_20140912.pdf

モノづくりの一大拠点が誕生!

「DMM.make AKIBA」でアイデアを形にしよう

近ごろ、「クラウドファンディング」がアツい。「キックスタータ」などのWEBサービスには、日々多数のプロジェクトが投稿され、出資を募っている。有名なのは指輪型ガジェット「Ring」の事例だろう。キックスタータで出資を募集したところ、見事に目標額を達成、リリースが遅れるなどの問題はあったものの、10月ついに出荷が開始された。

個人がいくら素晴らしいアイデアを持っていたとしても、それを具現化し、さらに量産するとなると道のりは果てしない。特にハードウェアの生産においては、材料の選択や試作品の製作がとても重要で、これにかかる機材費や材料費はバカにならず、個人でモノづくりを行うときの大きなハードルとなっている。

しかし、そんな現状が変わるかもしれない。11月 11日、 DMM.comは東京・秋葉原に「DMM.make AKIBA」をオープンした。製品開発に必要な機器や作業場所を提供する施設で、備える機材は総額5億円以上。3Dプリンタや切削機などの工作機械のほか、各種試験用の設備も整っている。スタジオではこれらをを自由に使い、量産を前提とした試作品を作製することが可能だ。気になる利用料金は月額1万5000円と非常にリーズナブル。興味のある方は、秋葉原に足を運んでみるといいだろう。

備える機材は150点以上。開発から小ロット量産までの工程をトータルで行うことができる。

DMM.make AKIBA

東京都千代田区神田練塀町3

富士ソフト秋葉原ビル 10F/11F/12F

【URL】https://akiba.dmm-make.com

iOSデバイスの大量導入にもうキッティングは不要!

アップルが「Device Enrollment Program」を提供開始

iPhoneやiPadなどを企業導入する際に利便性を高める「デバイス・エンロールメント・プログラム(DEP)」の提供をアップルが日本国内でも開始した。同サービスは2014年6月のWWDC(アップル開発者会議)で発表され、米国やカナダではすでに始まっており、日本国内でも開始が待ち望まれていた。DEPは「キッティング」(複数台のiOSデバイスの初期設定や通信設定、セキュリティ設定などを使用前に行いすぐに使えるよう環境を構築する作業)を事前に行えるサービスのこと。これまでは企業のシステム担当者がキャリアなどから納品された端末を箱から出し、USBケーブルでMacと接続、「アップルコンフィギュレータ」を使ってMDM(モバイルデバイス管理)などの設定を行う必要があった。そのためデバイスが多ければ多いほど企業側の作業負担が増えていた。しかしDEPを利用することでケーブルを介したキッティングが不要となり、すべての作業をOTA(Over The Air:ワイヤレスでのデータ同期や受信)で行える。また、DEPでは新たに導入したデバイスのMDMへの自動登録、企業側からのデバイスロック、さらに監視なども可能となる。ユーザ側も設定の簡素化などのメリットがあるため、同サービスが開始されたことで国内企業におけるiOSデバイスの導入にさらに拍車がかかりそう。なお、本誌では次号(2015年2月号)にて詳細をレポートする予定だ。

アップルが提供する企業向けプログラムには「DEP」のほかにも、アプリや電子書籍の一括購入をサポートする「VPP」など、大量導入に向けたサービスが用意されている。

新開発のフィルムでiPhone 6をカバー

iPhone 6の側面は丸みを帯びており、このラインはシームレスに液晶画面へと続く。つるっとしたボディが印象的なデザインだがサプライ選びが面倒で、特に画面保護フィルムは前機種までのように全面をカバーする製品がなく、画面中央のフラットな部分を保護するフィルムしか発売されていなかった。

ここに登場したのがトリニティから発表された「Frame Film for iPhone 6」だ。このフィルムはiPhone 6の画面を全面カバーできるよう作られており、従来のフィルムではガードすることのできなかった曲面部分を守ることができる。ホームボタン周りの加工もきちんとされているため、安心して使えるぞ。

Simplism Frame Film for iPhone 6

【発売元】トリニティ

【価格】オープンプライス 【実売価格】1000円前後

【URL】http://trinity.jp 【備考】カラー:ブラック/ホワイト

登録解除ページ公開で苦難は解消するか

「iOSデバイスから他のデバイスに乗り換えたあとも、自身のアドレスや電話番号に送られたメッセージがiMessageに転送され、乗り換え後のデバイスに届かない」というトラブルが、日本やアメリカでしばしば起きている。米メディアはこのトラブルを「iMessage purgatory(iMessageの苦難)」と呼び、今年5月にはユーザの訴訟も行われている。

11月9日、アップルはWEBサイトに「iMessageの登録解除」というページを開設した。指示に従って電話番号を入力することでiMessageの登録を解除できるページで、この問題への対処策としてリリースされたものだと思われる。なんにせよ、苦難にさらされていた”元”iPhoneユーザにとっては朗報だろう。

【URL】https://selfsolve.apple.com/deregister-imessage/jp/ja

アップルのサイトにiPhone 6のトリセツ

iPhone 6の活用法を説明する「使い方のヒントとコツ あなたのiPhone 6を最大限に活用しよう」がアップルの公式サイト上に公開されている。全19項目掲載されており、カメラや写真、メッセージからiPhoneを探すまで基本的な活用法と詳細がズラリ。iPhoneユーザの利用年齢層の拡大が背景にあるようだが、製品パッケージの説明書に多くを記載していないアップルにしては珍しいことだ。ディスプレイの大型化による高年齢ユーザの増加のためか、文字の拡大方法などもページの冒頭に掲載。実は、ヘビーユーザでも意外と使っていない機能が発見できる最適なサイトだともいえる。

【URL】https://www.apple.com/jp/iphone-6/tips/

カラーグレーティングの技術をプロから学ぼう

映像のコントラストや明るさの調整などを行い作品の雰囲気を作る作業、カラーグレーディング。映画制作において世界的に活躍してきたカラリストであるジャイルズ・リバシー氏が来日して直接指導を行う「Davinci Resolveセミナー」が12月1日から開講する。ブラックマジックデザインとデジタルカラリストの共同開催となり、マルチトラック編集に対応するカラーコレクタ「Blackmagic Design Davinci Resolve」を使い実践ですぐに活かせる活用方法が学べる。「クリエイティブ・カラーコレクションコース」と「V11アップデートコース」の2種のレベルから選択が可能。技術の向上に足を運んでみてはいかがだろうか。

DaVinci Resolve トレーニングコース in 東京2014

【URL】http://info.system5.jp/proseminar/archives/9027

【DMM.make】DMM.make AKIBAには上記の「STUDIO」以外にも、シェアオフィスやイベントスペースを提供する「Base」、製品開発のコンサルティングを行う「Hub」といった施設があり、モノづくりを総合的にサポートする環境が整っている。

【新型フィルム】「Simplism Frame Film for iPhone 6」はラウンドしたiPhone 6の側面にぴったりと装着できるわけではなく、フィルムを貼り付けるとiPhoneの側面とフィルムの間にはわずかな浮きが出てしまう。しかしフィルムの外周を本体と同じ色にすることで、浮きを「目立たなく」することに成功している。