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蔵前の「KONCENT」へとっておきの Mac用プロダクツを見つけに行こう

著者: Mac Fan編集部

蔵前の「KONCENT」へとっておきの Mac用プロダクツを見つけに行こう

7月末発売の「Mac Fan」の特集1「MacBook Airが世界一売れている本当の理由」では、MacBookエアと一緒に使いたいプロダクツをご紹介しています。今回はご協力いただいたショップ「KONCENT」の始まりと、こだわりの逸品について、同ショップを運営するアッシュコンセプトの代表取締役・名児耶秀美さんにお話を伺いました。

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ーーとても開放的かつ、なんだかホッとできるお店「KONCENT」。この場所にオープンするきっかけとは?

名児耶 約11年前の2002年に、アッシュコンセプトという会社を立ち上げました。僕自身も下町っ子で、浅草寺幼稚園だったりと。地元が大好きなので、この蔵前という場所にこだわったんです。それに、町工場が下町にはたくさんあるのも魅力的な部分でした。

ーー最初から店舗を構える予定だったのでしょうか?

名児耶 僕たちは、いいプロダクツを世界に運んでいく仕事と、デザインのコンサルティングを産地や企業の方といっしょに行っています。そういう中で、いい商品を生み出し、世界に売りたくても、隣の人にさえ製品を使ってもらえていない状況を目の当たりにしてきました。世界に発信するにも「まずは自分の足元もちゃんとできていないのに、世界を語れない」とよくいっていたのですが、果たして自分たちはどうかと思ったんです。

ーーそれをきっかけに動き出したのですね。

名児耶 ちょうどそのタイミングで「SPEAK EAST!」という東トーキョーエリアを拠点とするクリエイターイベントに声をかけてもらえたんです。蔵前は台東区デザイナーズビレッジも近く、クリエイターもそのまま工房を構えたり、土地柄とても作り手と相性がとてもいいんですよ。当時僕らはショールームのみでしたが、自転車でいろいろ回っているうちに「こんなにおもしろい人たちが集まっている! これは僕も盛り上げなくてはいけない!」と思いました。そして、すぐに物件を探して、運良く40年前のおもちゃ問屋を見つけたんですね。

ーー「KONCENT」は元おもちゃ問屋。それを聞いただけでとてもワクワクします!

名児耶 そうなんです。おもしろいつくりなんですよ。中二階が倉庫になっていたり、螺旋階段があったり。急いで、壁を塗り直し、床を剥がし、イベントに参加して、この街とつながりたい! という意思表示としてオープンしたんです。

ーーそのようなドラマがあったのですね。

名児耶 せっかく町とつながるならば、単なるショップではなく、イベントや展示会も開催したくて、中二階をギャラリーとして開放しています。トークイベントやパーティーなども開催するので、僕らはお店のことをスタジオとも呼ぶんですよ。ショップ、ギャラリー、スタジオ。この3つの構成で、遊び場をつくろうというか。そういうコンセプトなんです。街と仲良くなって、街をみんなで楽しくしていこうというのが、このショップの立ち上がりです。

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ーーお店を見渡すと、並ぶプロダクツは、デザイナーとのコラボアイテムと自社開発のアイテムがほぼすべてですね。

名児耶 このお店にあるプロダクツは、自分たちが関わっているもの。自社製品が、息子や娘ならば、コラボアイテムは甥っ子や姪っ子。みんな家族ですし、愛するものです。それを手に取ってくれる方とつなげるのがこの場所なんです。

制作過程まで含めてアイテムを説明できる、そのスタンスが購入者とショップとの距離を一歩近づけてくれる気がします。

名児耶 「こんなこと考えてつくったのか」と知ることができれば、プロダクツと自分との関係性は変わります。アップル製品もそうなんだと思います。弊社のデザイナーもアップルじゃなければ、仕事はできないだとか、それほどの思い入れがありますから、プロダクツとの関係性は大事だと思うんです。それに、アップル製品はパッケージ自体がデザイン性が高く、届いたときから、開ける楽しさもあります。パッケージ、そして中身、いろんな部分にこだわりがあり、アイテムひとつとっても感じることもいっぱいあるんですよね。

ーー「KONCENT」には、アップル製品にぴったりのプロダクツも多数ありますね。

名児耶 僕もiPadミニを使っていますが、おすすめは、hmnyのカジュアルラインの「10マイルバック」(価格5500円)。ちょうどよい大きさで、入れて使うのに便利なんです。

ーーhmnyは使いやすそうなアイテムが盛りだくさんですね。MacBookエアの収納にピッタリな、カジュアルラインの「ノートPCポーチ」(写真下:価格1万500円)もとても気になります。

名児耶 ブランド自体のコンセプトは、「本当に自分が欲しいモノを革で作ったらどうなるのか?」ですが、カジュアルラインに関しては、「革をもっと身近に」がコンセプトです。香川の会社、ルボアさんとのコラボアイテムで、ロゴも、hはルボアの林周二さん、mはデザイナーの宮城荘太郎さん、nは僕、名児耶秀美、そしてyは使ってくれるあなた(You)。それに縫製を模したロゴで人とつながっていることをイメージしています。デザイナーの宮城さんが病気で倒れてしまい、ベッドまで試作品を持っていきました。中を見やすくシルバーにして、しかも抗菌に、だとか、ジッパー部分で開けやすいように、ほんのちょっとだけ折ろう、だとか。たくさんアイデアを出し合いました。宮城さんはその後、残念ながらお亡くなりになられましたが、そのときのやり取りがよみがえってきますし、プロダクツにかける思いがしっかりと入っていると思うんです。

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ーーアイテムの数だけ、物語が。思わず持ちたくなるデザイン性に使いやすい機能、その両方を兼ね備えて、しかも革製のため、長く使うことができますね。

名児耶 優れたデザイナーはたくさんいますし、ビジネスの上になりたっているアートがあると思うのですが、それを僕はやろうと考えているんです。現代のニーズに沿うように、そして使いやすく、しかも美しく。まだまだやりたいことはたくさんありますし、開発途中の技術などもあります。積極的に技術とアイデアをプロダクツに取り入れながら、欲しいと感じて手に取ってもらえる魅力的なものを今後も生み出していきたいです。

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【プロフィール】

名児耶秀美(Hideyoshi Nagoya):アッシュコンセプト(h concept)代表取締役、デザインプロデューサー。2002年に同社を起ち上げ、2012年蔵前に「KONCENT」をオープン。国内外のデザイン賞を数多く受賞。美術大学などで客員教授、講師として次世代のアーティストの育成も行っている。

【店舗詳細】

KONCENT

東京都台東区蔵前2-4-5 1F

[TEL] 03-3862-6018

[営業時間] 11:00~19:00

[定休日] 月曜日(月曜日が祝日の場合は営業)

[URL] http://realshop.koncent.net/