このところ、世を賑わしている再生紙の古紙配合率偽装問題。
僕がいつも取材しているプリンタやメディアメーカー各社にも、多かれ少なかれ影響が出ているようです。
各社が用紙の販売中止、あるいは推奨を取りやめるなど、対応を発表しています。
そして、この表示偽装問題とともに、クローズアップされたのが「グリーン購入法」の存在です。
この法律では、官庁が使用するさまざまな品目について、リサイクル品の基準などを定めています。
中には、現実には技術面、コスト面から無理があるのでは思えるような数値も設定されており、再生紙の古紙配合率も、そうした現実的でない数値の1つだったために、この問題が発生したのではないかと考える人が多いようです。
グリーン購入法だけが表示偽装の原因かどうかは少々疑問ですが、今回の問題は別にして、僕もこの法律には以前から疑問を感じています。
例えば、グリーン購入法では、再生紙だけでなく、官庁におけるページプリンタやコピー、ファクス機のトナーカートリッジについても、再生品の使用が定められています。
いわゆる「リサイクルトナー」を積極的に利用しようというものです。
ただ、リサイクルトナーには、良質な物から、品質に疑問のある物まで、さまざまあります。
実際、新品のプリンタに「粗悪な」リサイクルトナーをただ「安いから」と利用したせいで、プリンタが故障した例はたくさんあります。
ですが、グリーン購入法では、トナーカートリッジの品質チェックに関して、厳密には定めていません。
これでは、省エネのつもりが、それと知らずに粗悪なトナーを使ってしまい、結果的にゴミを増やす、ということも起こり得るわけです。
リサイクルという考え方も、再生品として販売されている商品も、僕は否定するつもりはありません。
僕自身、品質の良いリサイクル品は積極的に使っています。
一方で、行き過ぎた規制、実状とかけ離れた法律でしばることは、業界にとっても消費者にとっても、不利益ではないでしょうか。
偽装表示は許されない問題です。
ただ、僕としては「早く赤福餅をのせた、かき氷が食べたいな~」とも考えております。
なかなか難しい問題です。
●再生紙の古紙配合率偽装問題の各社の対応状況
キヤノン
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2008-01/pr-paper0124.html
エプソン
http://www.epson.jp/support/misc/080121_youshi.htm
OKIデータ
http://www.okidata.co.jp/products/supply/info_080125.html
コニカミノルタ
http://konicaminolta.jp/about/release/2008/0128_01_01.html
富士ゼロックス
http://www.fujixerox.co.jp/release/2008/0117_recyclepaper.html
サンワサプライ
http://www.sanwa.co.jp/product/yosi/koshi.html
エレコム
http://www.elecom.co.jp/support/news/2008/0130/index.html