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日本が世界に発信する技術

著者: Mac Fan編集部

日本が世界に発信する技術

先週、海外出張で香港に立ち寄りました。

その香港には「八達通(オクトパスカード)」という便利なカードがあります。

オクトパスカードは、いわゆる交通向けの非接触型ICカード。

つまり、JR東日本のSUICA(スイカ)やJR西日本のICOCA(イコカ)と同様のプリペイドカードです。

香港では、オクトパスカード1枚あれば、香港国際空港から市街地で移動する電車、市街地を走る地下鉄、トラムと呼ばれる路面電車やバス、そして香港島近郊の島々を結ぶフェリーにいたるまで、さまざまな交通手段のほとんどを利用できます(一部利用できない交通機関もあります)。

さらには、多くのコンビニエンス・ストアでも利用できるので、言語、通貨などに不慣れな旅先での移動、買い物がグッと楽になるわけです。

住民のみならず旅行者も、香港を快適に過ごすために是非とも持っておきたいアイテムです。

このオクトパスカード、実は日本のソニーが開発した「フェリカ(FeliCa)」技術が採用されていて、フェリカの「世界でもっとも成功した実用例」ともいわれています。

そう聞くと、日本が世界に少しでも貢献したようで、ちょっと誇らしい気分になります。

ですが、この技術が生まれた当の日本では、さまざまな機関が異なるカードを発行し、相互利用はほとんどできません(ようやく相互利用に向けて動き始めてはいますが)。

しかも、「非接触型」ICカードにも関わらず、SUICAカードを改札に叩きつけている光景は日常茶飯事です。

香港のオクトパスカードは財布やポケットに入れたままでも、改札の上をサッとかざすだけでちゃんと認識してくれるので、両手に荷物を持っている時でもラクラク改札を抜けられます。

つまり、日本は、フェリカ技術の真価を、ほとんど発揮できていないように感じるのです。

オクトパスカードの便利さを知れば知るほど、なぜ生みの親のはずの日本でこの便利さを享受できないのか、腹立たしいような、情けないような気になります。

なぜ、日本ではうまくいかないのでしょうね~。