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本命ロボット掃除機の最新モデル「Dyson 360 Heurist」

著者: 松山茂

本命ロボット掃除機の最新モデル「Dyson 360 Heurist」

見た目は同じでも…

昔からダイソンの掃除機を愛用している筆者は、以前にも本連載でロボット掃除機「ダイソン360アイ(Dyson 360 Eye)」をレビューしました。あれから約3年半。ついにニューモデルが登場したので、旧モデルとの違いを比較しながら早速使ってみました。

新製品「ダイソン360ヒューリスト(Dyson 360 Heurist)」は、「色が変わっただけ?」と感じるぐらい、基本デザインに大きな変化がありません。上面の中央にある360度カメラや操作ボタン、おなじみの「ラジアルルートサイクロン」を使ったクリアビンむき出しの構造もまったく一緒です。

単体でもスタートボタンを押せば掃除開始できますが、iPhoneに専用アプリの「ダイソン・リンク(Dyson Link)」をインストールすれば、手元でいろいろ操作したり設定を変更できます。このあたりも旧モデルと同じ仕様ですね。製品登録を済ませたら、iPhoneから掃除をスタートさせてみましょう。

開始してしばらくしたら、前のモデルとは明らかに違うことに気づきました。筆者の仕事場は、机やイスのほかにも打ち合わせ用のテーブルにラック、おまけに猫のケージと、お世辞にもロボット掃除機向けとはいえないレイアウト…。なので、旧モデルを使ったときは、掃除の途中で行き詰まって止まってしまったり、中途半端な場所で掃除を終えてしまうことがよくあったんです。

ところが、本製品は初回から上手にコースどりして掃除をすべて完了してくれました。そのあとも掃除を繰り返すごとに明らかに経路が変わって、効率よくエリアを回っています。なるほど、名称にもなっている「ヒューリスティックラーニング」のおかげで学習能力が向上しているようです。

おまけに暗い場所に差し掛かるとカメラ周囲のLEDライトが点灯します。それも単に全部点灯させるのではなく、暗い側だけ選んで点くというスグレモノ。旧モデルは暗い室内での掃除が苦手でしたが、「360度ビジョンシステム」もパワーアップしており、暗い場所での位置認識も良くなっています。

また、壁や障害物を避ける動きも明らかに向上しています。公式サイトを見ると「前面に配置してある長距離マッピングや段差、偏壁面近接、障害物それぞれのセンサも一新されている」とのこと。見た目は同じようでも中身は大きく変わっていたんですね。

さらに、搭載しているメモリが32倍になったので、部屋の間取りも記録できるようになりました。アプリからマップの作成を選ぶと、自走し始めます。ただし旧モデルと異なるのは、マップの作成時には掃除しないこと。室内を走り回って、そのあとにマップを作成するんです。作成できたらマップ内に区切り線を追加して、それぞれ間取りの名前を設定。こうしておけば間取りごとに掃除モードを変更できます。筆者は机の付近は静音モードで、それ以外の離れた場所は強モードで掃除するように指定してみました。これなら仕事中に掃除しても吸引音で気が散ることもないでしょう。

デザイン性に優れたボディ

鮮やかなブルーとシルバー、それに透明なパーツを組み合わせたデザインはダイソンならでは。充電ドックもシンプルです。

ワンタッチでお掃除開始!

本体のスタートボタンを押せば、アプリを使わなくてんも掃除を開始できます。ボタンの周囲にはバッテリ残量やWi-Fi接続に加え、トラブル原因もアイコンで表示します。

吸引力も抜群!

吸引性能に関してもまったく問題ありません。ダイソンのほかの掃除機でも使用しているカーボンファイバーとナイロンのブラシで掻き出し、吸い込んだゴミや微細なホコリはラジアルルートサイクロンテクノロジーで空気から分離されます。ブラシの回転数も前のモデルよりアップしているそうで、きれいに見える事務所の床も、1回掃除するだけで大量のホコリがクリアビンに溜まりました。愛猫を事務所でも出勤させているため、仕事場には抜け毛がすごいのですが…これもしっかり吸い込んでくれています。「ロボット掃除機だとそんなにきれいに掃除できないでしょ?」と思っていたら大間違い。吸引力がさらにパワーアップされているのも実感できました。

このように、3年半分のアップデート内容には「超」がつくほど大満足。性能に直接関係はありませんが、電源アダプタのデザインも相変わらず素晴らしい出来です。このあたりのダイソンのモノ作りの姿勢は、アップルに似て素晴らしいと感じました。

アプリを使って操作しよう

専用アプリの「Dyson Link」を使えば、iPhoneから機体の状態を確認したり掃除開始や一時停止、モード変更などが行えます。
 

Dyson Link 

【開発】Dyson Inc.
【価格】無料
【場所】App Store>ライフスタイル

幅いっぱいまで掃除できるように

静電気の発生を防止するカーボンファイバーと硬いナイロンを組み合わせたブラシで、機体とほぼ同じ幅を1回で掃除できます。

カメラで室内の位置を確認

360度見渡せるパノラマレンズ搭載のカメラは60kgに耐えられるアルミマウントに固定。これなら、万が一猫が乗ってしまっても大丈夫そうですね(笑)。

エリアを区切って掃除方法をアレンジ

掃除した範囲もアプリ上で確認できます。また、マップを作成して掃除エリアを区切れば、場所ごとに掃除方法も変えられます。私の場合は、仕事机の周りは静音モード、それ以外の場所は強モードに設定しました。

[ロボット掃除機]Dyson 360 Heurist
【発売】ダイソン
【価格】11万8800円(直販価格、編集部調べ)
【Size】120(H)×230(W)×240(D)mm
【URL】https://www.dyson.co.jp/dyson-vacuums/robot/dyson-360-heurist-jp/overview.aspx?
 

【主なスペック】

【重量】2.51kg【備考】ブラシの長さ:212mm、運転モード:静音モード/通常モード/強モード、稼働時間:最大約75分(静音モード使用時)充電時間:約2時間45分、バッテリ:リチウムイオンバッテリ、主なセンサ:長距離マッピングセンサ、段差センサ、壁面近接センサ、障害物センサ

私が紹介します!
松山 茂

東京の下町・谷中に暮らすフリーライター。Leicaと猫が好物。