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iPhoneから会話の履歴も見られる!「POCKETALK W」

著者: 栗原亮

iPhoneから会話の履歴も見られる!「POCKETALK W」

英語すら話せないのに…

オーストリアで2週間ほど仕事をすることになりました。スタジオ内は英語が基本で通訳はいませんし、休憩中はヨーロッパ各国の言語が飛び交います。しかも仕事場の外はドイツ語圏。パンを買うのにもドイツ語が使えないと注文に難儀します。未来の猫型ロボットに助けを求めたい状況の中で知ったのが、AI通訳機「ポケトークW(POCKETALK W)」です。

本製品はアンドロイドデバイスをカスタマイズして通訳機能に特化させたもので、利用時には3G/LTEまたはWi−Fi機能によるインターネット接続が必要です。「iPhoneでグーグル翻訳アプリを使えばいいのに」と思うかもしれませんが、専用機ならではのメリットも大きいのです。

まずは、使い勝手のよさです。設定で2つのボタンに自分の話す言語(私の場合は日本語)と相手の話す言語をあらかじめ割り当てておき、ボタンを押したまま話しかければ相手の言語に通訳されて音声が再生されます。そのまま本製品を相手に渡して同じようにもう1つのボタンを押しながら話してもらえば、日本語に通訳されて会話を継続できます。

インターフェイスがシンプルなので、iPhoneを使うよりも手軽に相手もすぐ操作して話しかけてくれます。ちなみに、私は現地エンジニアと少し込み入ったやりとりをする際などに使いました。専門用語が混ざった多少の長い文であっても通訳の精度は十分です。

シンプルな使い勝手が良い

機能はシンプルなので設定に迷うところはありません。2つのボタンに言語を割り当て、ボタンを押して聞き取りマークが出たら話しかけるだけです。

電波の違う国でも手間なし

週末には隣のチェコ共和国にも観光に行きました。オーストリアとはセルラーの通信周波数帯が違うため、iPhoneだと現地購入のデータSIMを切り替える必要が生じます。しかし、本製品ではあらかじめグローバル通信2年付きのモデルであれば、eSIMなのでSIMカードの差し替えやAPN設定の手間も不要。ローミングの通信料金や容量制限(1日100MB以上だと速度制限が掛かりますが、通常利用ではそこまで達しないことがほとんどです)なども気にする必要なく、持ち歩くだけでいいので各国を移動する際には頼れる相棒となりました。

また、会話の履歴はサーバ連係(ポケトークセンターを利用)することで、iPhoneでアクセスできます。実際どのような会話をしたのか、どういうフレーズを保存しておくと会話がスムースになるのかなどを考えるのにも役立ち、語学学習にも活用できますよ。

充電方法に注意

本体の充電端子はUSB Type-Cですが、自前のUSB-C to USB-Cケーブルで代用しようとするとモバイルバッテリなどから充電できない仕様です。付属のUSB-C to USB Aケーブルを忘れないようにしましょう。

WEBブラウザで会話の履歴チェック

あらかじめPOCKETALKセンターにユーザ登録(無料)しておくことで、会話履歴をiPhoneなどから確認できます。会話内容を振り返って旅の思い出に浸るもよし、次の旅行に備えて語学の勉強に役立てるもよしのお役立ち機能です。

[SPEC]
[AI通訳機]POCKETALK W
【発売】ソースネクスト
【Size】15.8(H)×59.8(W)×110(D)mm
【価格】2万6870円(グローバル通信なし)、3万2270円 (グローバル通信2年付き)
【URL】https://pocketalk.jp/

【主なスペック】
【重量】約100g(本体)【備考】CPU:ARM Cortex53 Quad-Core 1.3GHz、OS:Android OS 8.1のカスタマイズOS、メモリ(ROM):8GB、メモリ(RAM):1GB、液晶ディスプレイ:タッチパネル/320×240 ピクセル、データ通信方式:3G:W-CDMA、4G:FDD-LTE、SIMカードスロット:nano-SIM

私が紹介します!
栗原 亮

編集者/ライター/講師。MacBookとiPhone持って各地でノマドしてます。@cooley