Spotlightは快適に検索できてこそ
macOS Tahoeにアップデートして最初に気づいたことを訊ねられたら、どう答えますか? Liquid Glassなどデザインの変更も頭に浮かびますが、OSは職人の仕事道具、作業効率にかかわる要素の変更を挙げる人が多いはず。なかでも「Spotlightの機能強化」は、多くの人が頷くところではないでしょうか。
TahoeのSpotlightは、もはや検索バーではありません。新機能の「アクション」でタイマーやリマインダーのセットなど日常的な処理を実行できるようになり、よく使うアクションを短い文字列で呼び出せる「クイックキー」も用意されました。本格的なアプリランチャーとしての役割も備えるようになったのです。
とはいえ、Spotlightは快適に検索できてこその道具。過去に作成したファイルの内容を対象に検索できるGUIツールはSpotlightのみ。そこがしっかりしていないとMacの価値も半減です。今回は、そんなSpotlightにまつわるトラブルシューティングをお届けします。

Spotlightのしくみ
いまでこそアプリランチャーとしての機能も備えるSpotlightですが、そもそもはローカル上のファイルを検索対象とするデスクトップ検索機能です。あらかじめファイル名やその内容を分析してデータベース化しておくことで、瞬時に結果が表示されるほどの高速性を実現しています。
ところで、[Command]+[スペース]キーを押すなどの方法で表示されるSpotlightバーは、Spotlightそのものではありません。あくまでSpotlightという検索システムのフロントエンドであり、エンジンは別に存在します。
そのエンジンは、検索のとき参照されるインデックスを作成する「mds_store」、必要に応じて適宜実行されメタデータを収集する「mdworker」、それらのデータを他のプログラムに提供する「mds」など、複数のサービス(常駐型プログラム)で構成されています。
わかりやすくいうと、Spotlightのエンジンはファイル情報の収集と提供という地味な作業を担うシステムの黒子的存在で、[Command]+[スペース]キーで表示される検索窓は文字入力と結果の表示を担う窓口的存在となります。

なぜ高負荷状態に陥るのか
Macを利用していると、バッテリが減るペースが速い場面にときどき出くわします。MacBook Proのようにファンを搭載する機種の場合、ファンが高速回転することにも気づくはずです。そんなとき「アクティビティモニタ」を起動すると、前述した「mds」などのサービス/プロセスがCPU負荷の高いほうに表示されているかもしれません。
Spotlight関連プロセスが高負荷になる原因はいくつかありますが、そのひとつが「タイミング」です。システムアップデートの直後やファイルを大量にコピー/ムーブした場合、データベースを更新するためにSpotlight関連プロセスがフル回転されるため、CPU負荷が高い状況が長時間続き、結果としてバッテリの減りが速まりファンが高速回転する、というわけです。
だからSpotlight関連プロセスが高負荷なことに気づいても、ほとんどの場合は「嵐が過ぎ去るのを待つ」ことがベストな対処方法です。データベースの更新が終われば関連プロセスの負荷は下がり、CPU負荷も平常ペースに戻るからです。時間は内蔵ストレージのアクセス速度(HDDかSSDか)や容量によって大きく変わりますが、高速なSSD(500GB)でも3、4時間ほどかかることを覚悟しておきましょう。

待てど暮らせど高負荷が続く場合
待てど暮らせどSpotlight関連プロセスの負荷が高い状態が続く場合、ターミナルで「mdutil」コマンドを使いSpotlightのインデックス制御を停止させる方法があります。まずは以下のコマンドを実行し、アクティビティモニタでCPU負荷が下がったことを確認しましょう。負荷が高すぎてほかの作業に支障をきたしている状況でも、このようにインデックス制御を停止させればCPU負荷が大幅に下がり作業しやすくなるはずです。
sudo mdutil -ai off
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Spotlightのインデックス制御を再稼働させる場合には、ターミナルで以下のコマンドを実行します。再びインデックス作成が始まるかもしれませんが、これで「CPU負荷が高すぎて書類の保存すらできない」状況を一時的ながら回避できます。
sudo mdutil -i on /
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著者プロフィール
海上忍
IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。








