Macintoshの実用性を飛躍的に高め、本格普及の狼煙を上げた名機「Macintosh Plus」。これまで、モデルの詳細、ロジックボードのアーキテクチャ、そのほかコンポーネント、そして筆者の修理と改造歴について、連載「今井隆の『Think Vintage.」」で解説してきた。今回は筆者のMacintosh Plusのコンポーネントをみていこう。
アナログボード
まずはMacintosh Plusのもう1つの主要基板であるアナログボードについて。アナログボードは本体を正面から見て左サイドに立てた状態で実装されており、主に電源回路とディスプレイ回路で構成されている。電源回路はスイッチング方式で非常にシンプルな構成だ。
ディスプレイ回路はモノクロ単階調ということもあり、こちらも非常にシンプルな設計。最上部には高電圧を発生するフライバックトランスが搭載されており、動作中にこのあたりの回路に触れると感電のリスクがある(電源を切った直後もコンデンサに電荷が残っているので危ない)。
アナログボードには単層ながら強度に優れるガラスエポキシが使用されており、耐久性に優れる。ただし、Macintosh Plusの電源回路一次側のノイズフィルタ用コンデンサは経年劣化で故障しやすい。実際に筆者が所有していたMacintosh Plusのコンデンサも、15年ほど前に煙を上げて破裂している。その修理については次回以降で解説したい。
それ以外にもアナログボード上には、モノラルスピーカとバックアップバッテリフォルダが搭載されている。


モノクロディスプレイ
Macintosh Plusの内蔵ディスプレイは、128Kや512Kと同じブラウン管方式の9インチモノクロディスプレイで、そこに512×342ピクセルのグラフィック表示を行っていた。筆者のMacintosh Plusに搭載されていたブラウン管は台湾のClinton Electronics社製で、このメーカーは現在も液晶ディスプレイなどを製造している。
ブラウン管は安全のために表示面のガラスは厚く設計されている一方で、人が触れないブラウン管後方は薄く作られている。さらに電子銃が格納されたネック部は特に弱いので、分解する際は手や物が触れないよう、細心の注意が必要だ。

フロッピーディスクドライブ(FDD)
Macintosh Plusには、容量800KBの2DD(両面倍密度)および400KBの1DD(片面倍密度)に対応したフロッピーディスクドライブ(FDD)が搭載されている。これはMac専用に設計された特殊なFDDで、ほかのパソコン向けのFDDとは2つの点で大きな違いがある。
1つはディスクの回転数を可変制御できる点。ロジックボード上の「Apple IWM FDC」の制御によってメディアへの記録密度を向上している。もう1つはディスクを自動イジェクトする機能を備えている点だ。一般的なFDDではディスクを回転させるスピンドルモータと、磁気ヘッドを移動させるシークモータの2つのモータを搭載しているが、MacのFDDにはもう1つ、ディスクをイジェクト(排出)するためのモータが搭載されていた。


リアカバー
Macintosh Plusのリアカバーの内側には、開発チームメンバーのサインが刻印されている。このカバーの内面は電磁波シールドのためにダークグレーの導電塗装が施されているため、刻印を確認するには照明を工夫せねばならない。
このサインは初代MacintoshからPlusまでの3世代に見られる(Plusでは一部のサインが消えている)が、これ以降(Macintosh SEやIIなど)はまったく見られなくなってしまったのは残念だ。

ただ、Macintosh Plusでは128KやMacintosh 512Kにあったアンディ・ハーツフェルドやビル・アトキンソンらのサインが見当たらないなど、Macintosh Plusではサインの数が少し減っている。
次回はアナログボードの修理歴をご紹介しよう。

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