目次
- 3DoF対応で画面酔いを抑制。高い輝度と解像度で、1日使っても快適
- 接続はケーブル1本で。XREAL 1SとMacBook Proでデュアルディスプレイを構築
- “自分だけの空間”で仕事に没頭。しかし、サングラス姿はまだ悪目立ちする…?
- XREAL 1Sの課題は? 利用環境やデバイスによって、すぐに認識されないことも
- 3D変換機能に驚き。動画もゲームも漫画も、2Dコンテンツをリアルタイムに処理
- XREAL Eyeを組み合わせれば6DoFに。“空間コンピューティング”の世界へ
- XREAL Neoも同時発売。ハブ&モバイルバッテリが、自由さをプラスする
- 何が違う? XREAL 1S、XREAL One/One Pro。現行3モデルを比較する
ARグラスの人気ブランド・XREALから、新モデル「XREAL 1S」が登場する。1月下旬に発売予定のXREAL 1Sだが、ひと足先に試す機会を得た。
XREALのARグラスは、現在6つのラインアップが展開されている。それらは大きく「Oneシリーズ」と「Airシリーズ」の2つに分かれ、今回登場するXREAL 1SはOneシリーズに属すモデルだ。
Oneシリーズは、XREAL 1S、XREAL One、XREAL One Proの3モデル。いずれもX1チップを内蔵し、iPhoneやMacなどのデバイスとケーブル1本で接続すれば、すぐに利用できる。一方、Airシリーズは別売りデバイスの「XREAL Beam」、あるいは専用ソフトウェアを介してデバイスに接続する仕様だ。そのほか細かな違いもあるのだが、本記事の内容からは逸れるので詳細は割愛しよう。

3DoF対応で画面酔いを抑制。高い輝度と解像度で、1日使っても快適
さて、XREAL 1SはほかのOneシリーズと同じく、頭の回転や傾きを検知する「3DoF(XYZ軸)」に対応する。視界に表示される画面がしっかり固定されるため、ARデバイスにありがちな酔いが起きづらい。事実、筆者が製品を体験した約2週間、毎日8〜10時間ほどXREAL 1Sを装着して仕事をしたが、快適に使い続けられた。
ちなみに、長時間にわたって快適性が持続する理由は3DoF対応だけではない。700nitの輝度、そして1920×1200ピクセル(WUXGA)解像度による、高い視認性も大きな要因だ。
また、アスペクト比は16:10。従来の16:9から縦方向に視野が広がり、作業効率が向上した。なお、メーカーによると2m先で約73インチ、10m先で約500インチ相当の仮想ディスプレイを表示できる。


接続はケーブル1本で。XREAL 1SとMacBook Proでデュアルディスプレイを構築
さて、使い方はまさにケーブルでつなぐだけ。付属のケーブルはXREAL 1Sのツルの部分にフィットするカーブを描いた形状だ。筆者の場合、M3 Pro搭載のMacBook ProにXREAL 1Sを接続して使った。

MacBook Pro本体のディスプレイとXREAL 1Sで、デュアルディスプレイ環境を構築。XREAL 1Sを装着していると視界が狭まるので、MacBook Proのディスプレイは不要では?と思うかもしれない。しかし、情報の置き場所としてはかなり有用で、筆者はタスクとまとめた「スティッキーズ」や「Googleカレンダー」、「Googleアナリティクス」などを常時表示しておき、必要なときに横目で見る運用を採った。
“自分だけの空間”で仕事に没頭。しかし、サングラス姿はまだ悪目立ちする…?
XREAL 1Sを通して目の前に広がる大画面は、明るく、解像度も高い。日々テキストを書き、編集する仕事をしている筆者だが、まったく支障はなかった。使い始めの数時間は目に疲れのようなものを感じたのだが、すぐに慣れた。おそらく疲れというより、新しい環境に慣れるためのチューニング期間だったのだと思う。
もちろん環境音や周りの声は聞こえるのだが、視界がディスプレイにフォーカスされるため、仕事への集中力は段違い。ただし、サングラスをかけて虚空を眺めながらキーボードを叩く姿は目立つので、本当の意味で集中するには周囲の理解も必要だ(入社以来、はじめてといっていいくらい多くの人に話しかけられた)。


XREAL 1Sの課題は? 利用環境やデバイスによって、すぐに認識されないことも
課題があるとすれば、接続時のラグとそのムラだ。MacBook Proに接続し、すぐに起動することもあるのだが、ときになかなかディスプレイとして認識されないことがある。何度かケーブルを抜き差しして再接続を試みることもあった。会議が多く、頻繁に離席するような日だと、これはストレスになりそうだ。
また、通常利用の範囲でもXREAL 1Sは熱を帯びる。熱いというほどではないが、眉のあたりがじんわりと温まる感覚。すぐに慣れて気にならなくなるが、人によっては不快に思うかもしれない。

3D変換機能に驚き。動画もゲームも漫画も、2Dコンテンツをリアルタイムに処理
XREAL 1Sの目玉は、2Dコンテンツをリアルタイムに3D変換する機能だ。試したうえで、改めて言葉で理解しようと思っても理解が追いつかない。たとえばゲームや動画、漫画も含めて、ただXREAL 1Sをとおして見るだけで3D化される。
ただし、「3D化」といっても、それ専用に作り込まれたコンテンツほど飛び出したり、没入できるわけではない。奥行きが表現されて、コンテンツの見え方が変わる、という表現が近いだろう。
筆者はNBAの試合を観戦してみた。ハイスピードな試合展開でも、常に3D映像化される。どのような処理で、レイヤー構造を理解し、判断しているのか不思議だ。漫画も新体験で、あのシーンは、このシーンは、と新たな見え方探しに時間を溶かしてしまった。といっても、今のところ常用する機能ではないのも事実。今後の展開に期待したい。

またスピーカシステムは、ほかのOneシリーズと同じくBose監修のシネマティックサウンド。力強く、それでいてバランスもいい音だと思う。一般的なイヤフォンとは異なり、「見ながら聞く」ことが前提だからこそ、人の声やセリフ、音楽で言えばボーカルが聴きやすいチューニングなのも好印象だ。

XREAL Eyeを組み合わせれば6DoFに。“空間コンピューティング”の世界へ
今回は試せなかったが、別売りのXREAL Eyeという外付けデバイスにも注目したい。レンズとレンズの間の窪みにセットする外付けカメラで、6DoFを実現。それにより、ユーザの移動に合わせて画面が追従し、より空間と一体化した体験を可能とする。



さらに、XREAL Eyeは撮影機能も搭載。静止画は最大2016×1512ピクセル。動画は1600×1200ピクセルで記録可能だ。これにより、AR体験だけでなく、視点を活かした写真・動画撮影も楽しめる。
現状は対応アプリやサービスが限られる。しかし、将来的にはゲームや空間デザイン、リモートコラボレーションなど、幅広い用途への展開が期待できそうだ。XREALシリーズが「空間コンピューティング」へと発展していく可能性を秘めている。
その詳細なレビューは、別記事「XREAL Eyeレビュー/大人気ARグラスにカメラを追加! 写真・動画撮影と6DoF対応を実現」をご覧いただきたい。
XREAL Neoも同時発売。ハブ&モバイルバッテリが、自由さをプラスする
またXREAL 1Sと同時にXREAL Neoもリリースされている。XREAL Neoは、端的にいうとハブ兼モバイルバッテリ。バッテリ容量は1万mAhで、最大出力は60Wだ。
マグネットを内蔵し、MagSafe対応のiPhoneに貼り付けられるのが利点。ただしMagSafe充電には非対応で、内蔵ケーブルで接続する必要がある。なお、メタルリングが付属するので、MagSafe非対応のiPhoneや、そのほかデジタルデバイスに貼り付けることも可能だ。



何が違う? XREAL 1S、XREAL One/One Pro。現行3モデルを比較する
さて最後に、そんなXREAL 1Sと現行の2モデルの違いを整理しておこう。
ディスプレイ&視野角(FOV)
XREAL 1S
FOVは52度と広く、最大輝度は700nit。片目1920×1200(1200P)の高解像度OLEDディスプレイを採用している。リフレッシュレートは最大120Hzでほかモデルと共通。
XREAL One
FOVは50度、最大輝度は600nit。そして解像度は片目1920×1080(1080)。
XREAL One Pro
シリーズ最大の57度FOVを誇り、没入感は圧倒的。さらに独自の光学エンジン「X Prism」を搭載し、映像の鮮明さと色再現性が向上。最大輝度は700nitで、XREAL 1Sと同等。解像度は片目1920×1080(1080)。
音響性能
全モデル共通
オーディオブランド・Boseとの共同チューニングによる、高品質サウンドを搭載。立体音響やノイズキャンセリングに対応し、没入感を高めてくれる。
価格とユーザタイプ
XREAL 1S:6万7,980円
優れたスペックと、2D→3Dへの変換といった最新機種らしい機能を搭載した中位モデル。最先端を求める人におすすめ。
XREAL One:6万2,980円
基本性能+快適な視聴体験を提供してくれるエントリーモデル。多くのユーザが満足できるクオリティを備えつつ、ほかモデルと比較すると価格は控えめ。
XREAL One Pro:8万4,980円
もっとも広い視野角を備えたハイエンドモデル。没入感を最重視するユーザ向け。


製品貸与●XREAL
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著者プロフィール
関口大起
『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_









