CD-ROMに大切なデータが残っていませんか?
大容量ファイルの保管や受け渡しにはクラウド/オンラインストレージを使う時代ですが、10年ほど前までは「CD-ROM」や「DVD-ROM」がよく使われていました。しかし気がつけば光学ドライブを搭載するMacはラインアップから消え、それでも光学ドライブが必要なMacユーザにとって安心できる存在だった「USB SuperDrive」も2024年にApple Storeから姿を消しました。
これも時代の流れ…と諦めるのは簡単ですが、そうもいきません。CD-ROMなど光学メディアには金属の反射層があり、接着剤の化学反応などさまざまな原因で劣化が進みます。保管状態にもよりますが、20年を経過したあたりから読み取り不能となる可能性が高いため、ダメになる前にデータを救出せねばならないのです。
個人的には、ストリーミングサービスで公開されていない音楽CDが読み取れなくなるとダメージ大です。成人した娘が小さい頃の写真もDVD-Rで保管しているから、安全な場所へ移さなければ。師走のいまだからこそ、光学メディアに記録された大切なデータを救出してみましょう。

Macで使う光学ドライブの選び方
現行のMacには光学ドライブが搭載されていないため、まずはUSB接続の光学ドライブを準備しなければなりません。MacユーザにはApple純正の「USB SuperDrive」がおすすめですが、前述したとおりすでに販売が終了されているため、サードパーティ製品の中から選ぶことになります。
選択の基準を簡潔にまとめると、「接続端子がUSB-Cかどうか」と「バスパワー対応かどうか」、「Blu-ray対応が必要かどうか」の3点になります。2025年12月現在、日本で入手できる光学ドライブのほとんどがUSB接続をサポートしていますが、付属のケーブルがUSB-A端子のものはMacとの接続にひと手間かかり、バスパワー対応でなければACアダプタが必要になるため、USB-Cかつバスパワー対応の製品がおすすめです。Blu-ray対応製品は価格が高くなるため、必要なければ割り切っていいでしょう。
光学ドライブのニーズが高い時期であれば、(CD-R/RWやDVD-R/RWに)書き込みできるかどうか、読み取り速度は「◯倍速」か(倍率が高いほうが高速)も重要なチェックポイントでしたが、過去に記録した光学ディスクの読み取りが主な用途となると、それほど気にする必要はありません。安心して使えるブランドの、できれば「Mac対応」が明記された製品を選びましょう。

CD-ROM全体をディスクイメージに
電源が確保された光学ドライブをMacとUSBで接続し、光学ディスクをトレイにセットすれば、CD/DVDは自動的にマウントされます。あとは大切なファイルを内蔵ディスクへコピーするだけ…ですが、光学ディスク全体をコピー/バックアップするのなら、ディスクイメージ化しておくと後々便利です。
ディスクイメージとは、CD-ROMなど物理メディア上に存在するデータを、ファイルシステムの構造ごと1つのファイルに変換したものをいいます。ギガ超えのファイルでも気にせずインターネット経由でやりとりしてしまう現在、利用する機会はめっきり減ってしまいましたが、読み書きの権限や制御情報ごと完璧に写し取れるため、かつてはディスクを丸ごと受け渡ししたりバックアップしたりするときに活用されていました。物理メディアを仮想化する機能、といえばわかりやすいでしょうか。
CD-ROM全体をディスクイメージにする場合、ディスクユーティリティを起動し、「ファイル」→「新規イメージ」→「◯◯◯◯からイメージ作成」を選択します。次の画面でフォーマットに「DVD/CDマスター」を選択し、作成するディスクイメージ名と保存先を入力して「保存」ボタンをクリックすれば、CD-ROMそっくりそのままのディスクイメージ(◯◯◯◯.cdr)が作成されます。


音楽CDをロスレスで取り込む
音楽CDもディスクイメージ化できますが、MacやiPhoneで再生することを考慮すると音楽ファイルに変換しておいたほうが便利です。macOSの「ミュージック」でかんたんに処理できますが、初期設定ではロッシー(非可逆圧縮)コーデックのAACが適用されるため、ファイルサイズが小さくなる代わりにオリジナルの音質が失われてしまいます。
音質を劣化させたくなければ、ロスレス(可逆圧縮)コーデックの「Apple Lossless」を利用しましょう。音楽CDを取り込む前に、設定画面の「ファイル」→「読み込み設定」で「Apple Losslessエンコーダ」を指定すればOKです。曲によって異なりますが、オリジナルの半分程度にまでファイルサイズを小さくできます。

再生機器がApple製品デバイスだけならApple Losslessで問題ありませんが、本格的なオーディオ機器で使用する場合は「FLAC」のほうが扱いやすいもの。しかし、「ミュージック」アプリはFLACでのエンコードをサポートしていないため、サードパーティ製アプリに頼らざるをえません。
そこで利用したいのが「X Lossless Decoder(XLD)」。音楽CDの再生やエンコード/デコードに対応するユニバーサルアプリで、FLACにも対応しています。事前に設定画面の「一般」タブで出力フォーマットと出力先フォルダを指定しておけばOK、音楽CDをマウントすれば自動的に曲名やアーティスト名がFreeDBなどのサイトから取得されるので、あとは「読み込む」ボタンをクリックするだけです。

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著者プロフィール
海上忍
IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。


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