PFUの高性能コンパクトキーボードHHKB(Happy Hacking Keyboard)シリーズ。熱烈なファンを要する同シリーズに、新モデル「HHKB Professional Classic Type-S(3万1900円)」が登場する。

かくいう筆者もHHKBの愛用者だ。とにかく気持ちいい打鍵感。それでいて静かなタイプ音。流れるように指が動き、仕事がスコスコ進む。いい道具がアスリートのパフォーマンスをサポートするように、いいキーボードは現代を生きるビジネスマンの欠かせないギアだと思う。
さて、そんなHHKBの入門機に位置づけられる「Professional Classic」シリーズに、「Type-S」が投入された。本記事では、Professional Classicとは? Type-Sとは?といった基本情報を整理しつつ、新製品「HHKB Professional Classic Type-S」の実機レビューをお届けする。
「Professional Classic」とは? HHKBデビューに最適な入門機
HHKBのProfessional Classicは、いわば入門機に当たるシリーズだ。合理性を追求したキー配列。コンパクト設計。極上のキータッチ。これらのHHKBらしい設計を採用しながら、接続方法を有線に限定するなど機能を絞り込むことで、比較的手に取りやすい価格を実現している。
なお、従来は英語配列のみだったが、日本語配列も登場。より万人が使いやすい仕様となった。

さらに、従来は上位モデル「HHKB Professional HYBRID」シリーズ、および「HHKB Studio」のみで利用できた専用ツールでのキーマップの変更にも対応する。

さらに2026年3月には、HHKB Studioで好評の以下の2機能にも対応予定だ。
・複数キーを同時押しするショートカットを1キーに割り当て。
・キーボードがスリープに入るまでの時間を任意に指定。
シリーズが持つ唯一無二の魅力にさらなる機能性が追加された、まさにHHKBデビューに最適の1台と言えるだろう。
「Type-S」とは? HHKBらしい打鍵感に静粛性を加えたリッチな仕様
続いて「Type-S」とは何か。簡単に言えば、HHKBらしい打鍵感と静かなタイプ音を実現する仕様のことだ。高速タイピング性(Speed)と、静粛性(Silent)の頭文字を冠している。
上位モデルの「HHKB Professional HYBRID」は、通常モデルとType-Sの2ラインアップを展開しているが、その需要の多くをType-Sが占めるという。それを受け、今回ClassicにType-Sモデルが追加。結果的に、大幅なラインアップ整理が行われた格好だ。


「Type-S」を実現するキー構造の秘密。約15年、変わらない3つの特徴
では、その打鍵感と静粛性をどのように実現しているのだろうか。Type-Sはその登場以来、約15年にわたって同一のキー構造を採用している。
下の図を参照しながら、以降の3つの特徴をチェックしてほしい。

特徴① 押下されたキーが戻るときの音を減らす仕様
キーが戻るときに発生する音を減らすため、キーの下(プランジャとハウジングの設置面)にリング上のポロン(高機能ウレタンフォーム)を配置している。
ポロンは、環境に優しく、エネルギー吸収性と高耐久性に優れた素材で、特に、人間の聴覚感度が高いとされる周波数2500〜5000Hz帯の刺激を効果的に抑えているという。
特徴②タイトな設計で高速タイピングをサポート
キートップ、プランジャ、ハウジングが、極めて密接に組み合わさっている。そのタイトな設計により、キーを押下する際のブレを軽減。結果的に打ち損じが減り、タイピングに安定感が増す。
また特徴①と②が組み合わせにより、Type-SではないProfessionalシリーズより30%も打鍵音が低減されているそうだ。
特徴③押下圧に最適化された3.8mmのキーストローク
気持ちよく、かつスピーディにタイピングするには、適切なキーの押下圧が重要だ。Type-Sは45gの押下圧とのバランスを追求し、3.8mmのキーストロークを採用している。
なお、Type-SではないProfessionalシリーズのキーストロークは4mm。この0.2mmの差は、おおよそポロンの厚みに相当する。つまり、この差はキーストロークによる打鍵感をシリーズで統一するための仕様だ。
「Bluetooth接続非対応」は、デメリットばかりではない? 有線接続ならではの魅力
HHKB Professional Classic Type-Sは、有線接続で利用するモデルだ。一見「機能のそぎ落とし」に思えるが、実は意外なメリットもある。それが筐体のスリム化だ。

なお、搭載ポートはUSB-Cで、同ケーブルが付属する。汎用性の高いUSB-C対応だが、付属品を使わない場合はケーブル選びに注意しよう。通常使用であれば電力供給できれば問題ないが、キーマップの変更などを行う場合、データ転送に対応したケーブルが必要だ。

また、バッテリ残量を気にしなくていい、というのも利点だろう。充電不要、ケーブルを挿すだけ、というのは当たり前のようで、“ワイヤレスデバイス”に慣れ切った現代人には意外と新鮮さをくれたりする。
“有線派”とは言わずとも、“有線で十分”という人は意外と多い。ご自身のワークスタイルを振り返り、ぜひモデル選びの参考にしてほしい。使い方にマッチするのであれば、HHKBデビュー、あるいは買い替えにも、HHKB Professional Classic Type-Sはおすすめだ。
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著者プロフィール
関口大起
『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_







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