“最速のモバイルCPU”を名乗る「Snapdragon 8 Elite Gen.5」
「Snapdragon 8 Elite Gen.5」は、その名が示すとおりスマートフォン向けプロセッサの最上位モデルである「Snapdragon 8」の第5世代モデルだ。そして「Elite」の名を冠するのは、そのCPUコアに独自設計の「Oryon」を採用していることを意味している。
Oryonがスマートフォン向けプロセッサに採用されたのは、「Snapdragon Summit 2024」で発表された第4世代の「Snapdragon 8 Elite」が最初で、この時搭載されたのは第2世代Oryonだった。
今回「Snapdragon 8 Elite Gen.5」に搭載されたのは、最新の第3世代Oryonになる。Qualcommはこの第3世代Oryonを“最速のモバイルCPU”とアピールした。

画像:Qualcomm

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ちなみに、スマートフォン向けプロセッサ「Snapdragon 8 Eliteシリーズ」および、Windows PC向けプロセッサ「Snapdragon X Eliteシリーズ」の心臓部であるOryon CPUコアのルーツは、Qualcommが2021年に買収した半導体設計企業Nuviaにある。
そのNuviaを2019年に設立したジェラード・ウィリアムズ氏は、それまで9年間にわたってAppleシリコンのチーフアーキテクトを務めてきた人物で、A7からA12XまでのすべてのAppleシリコンのCPUコア開発を主導してきた経緯がある。
つまりAppleシリコンとQualcommのEliteシリーズの高性能CPUコアは、同一のアーキテクトに源流を持っていると言えるだろう。
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ところで、この“最速のモバイルCPU”というキャッチに見覚えはないだろうか。
Appleは2025年9月10日のSpecial Eventで、iPhone 17 ProおよびiPhone Airに搭載された「A19 Pro」を“最速のスマートフォンCPU”とアピールした。
だとすれば、「Snapdragon 8 Elite Gen.5」のCPUコアはA19 Proを凌ぐ性能を有するのだろうか。

画像:Apple
シングルコア性能はA19 Proと互角。マルチコア性能は最強
「Snapdragon Summit 2025」の会場では、「Snapdragon 8 Elite Gen.5」を搭載したリファレンスデザインのスマートフォンが設置されており、実際に操作することができたという。
そこで実施されたGeekbench 6.5のベンチマーク結果が複数のメディアで公表されており、それによればシングルコア性能でA19 Proと互角、マルチコア性能では約20%上回ると報告されている。この結果を見る限りでは“看板に偽りなし”といえるだろう。
リファレンスデザインモデルはあくまでQualcommの設計見本であり、実際に販売されるスマートフォンが必ずしも同等の性能を発揮することを示すものではない。しかし充分な冷却性能と電力供給が実現すれば、近い性能が出せるはずだ。

「Snapdragon Summit 2025」では「Snapdragon 8 Elite Gen.5」を搭載する製品を計画しているスマートフォンメーカーも公表された。
そのうちXiaomiは、すでに「Xiaomi 17」シリーズへの搭載を正式に発表しているほか、ASUS、OPPO、Samsung、Sony、ZTEなどのメーカー名も紹介されており、いずれもフラグシップモデルへの採用を検討していると考えられる。
いずれにしても、来年にはiPhone 17 Proに匹敵する性能のAndroidスマートフォンが数多く市場に現れるのは間違いない。

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