Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

iPhone 17 Pro、3週間レビュー。iPhone 16 Proと実機で比較レポ。使って、撮って、比較した結果、結論は買い?

著者: 松山茂

本ページはアフィリエイト広告を利用しています

iPhone 17 Pro、3週間レビュー。iPhone 16 Proと実機で比較レポ。使って、撮って、比較した結果、結論は買い?

例年秋に新モデルが登場するiPhone。2025年は、iPhone 17/17 Pro/17 Pro Max、iPhone Airの4モデルが登場した。

筆者が購入したのは、iPhone 17 Pro。約1年間愛用した、iPhone 16 Proからの買い替えである。本記事では、約2週間使っての所感を、iPhone 16 Proと比較しながらレポートしていこう。

iPhone 17 Proの丸みを帯びたUnibodyに、iPhone 6を思い出す?

「仕事じゃなければ毎年買い替えませんよ」と言いつつも、新しいiPhoneが発表されるとやはりワクワクしてしまう。ここ数年は大きなデザイン変更もなく、Appleシリコンのアップグレードやカメラ性能の微改良にとどまり、正直なところ大きな進化は感じていなかった。

ところが今回のiPhone 17 Proは、細部まで徹底的に設計された新しいボディ構造を採用。iPhone X以降、iPhone 14 Proまではステンレススチール、iPhone 15 Proからはチタニウムを採用してきたフレームが、アルミニウム合金のUnibodyに生まれ変わった。

ワイヤレス充電のため背面の一部にガラスが嵌め込まれているが、基本的には側面から背面までを一体化したデザイン。そのやや丸みを帯びたUnibodyを手にした瞬間、iPhone 6を思い出した。きっと、筆者以外にも同じ感覚を覚えた読者はいるだろう。

ワイヤレス充電に対応するため、背面の一部はガラス素材(Ceramic Shield)を採用している。




内部を刷新した一方、ディスプレイやボタン類はiPhone 16 Proを踏襲

ボディ内部の構造と背面のデザインは大きく変わっているが、側面や搭載するボタン類はiPhone 16 Proを踏襲している。アクションボタンやカメラコントロールも継続採用された。

149.6(H)×71.5(W)×8.25(D)mmのiPhone 16 Pro(写真下)に対し、iPhone 17 Proは150.0(H)×71.9(W)×8.75(D)mmとサイズアップした。また、重量は199gから206gへと増加している。

ディスプレイ性能やDynamic Islandのサイズなども変わりない。ただし、iPhone 17 Proはエッジが丸みを帯びたデザインになったので、手で持ったときの感触は大きく異なる。

写真左はiPhone 16 Pro、写真右がiPhone 17 Pro。ディスプレイサイズは変わらず6.3インチだ。

カメラユニットのデザインは大幅進化。8倍の光学品質ズームも“意外と”出番あり

一方、大きく変わったのが背面のカメラユニット部分だ。メインと超広角、望遠の3つのカメラを搭載している点は同じだが、カメラユニットの台座の部分、ボディ背面から出っ張っているエリアがボディの横幅いっぱいまで広がっている。このデザインは賛否を分けているようだが、筆者は数日で慣れ、今や何の違和感もない。

カメラ性能に目を向けると、iPhone 16 Proではメインカメラにしか採用されていなかったFusionカメラが、iPhone 17 Proでは超広角と望遠カメラにも採用された。結果、3つのカメラがすべて48MP Fusionカメラとなっている(Appleは、これらを総称して48MP Pro Fusionカメラシステムと呼んでいるようだ)。

望遠カメラが48MP Fusionになったことで、8倍の光学品質ズームが可能となった。結果、ズームオプションはiPhone 16 Proでは0.5/1/2/5だったが、iPhone 17 Proでは0.5/1/2/4/8へとパワーアップしている。当初、そこまでの高倍率の望遠を使う機会は少ないだろうと思っていたが、思いのほか出番が多い。筆者の場合、ペットのアップや建物を撮影する際に役立っている。




iPhone 17 Proと iPhone 16 Pro。光学ズームオプションを用いた望遠レンズ性能を比較

iPhone 17 Proと iPhone 16 Proの光学ズームオプションを用いて、同じ環境で写真を撮影した。どちらも明るく鮮やかな写真だが、iPhone 17 Proのほうがナチュラルで、ごくわずかだが諧調も豊かだと思う。ただし、いずれも明確な差とは言い難い。

0.5倍

iPhone 17 Pro
iPhone 16 Pro
iPhone 17 Pro
iPhone 16 Pro

1倍

iPhone 17 Pro
iPhone 16 Pro
iPhone 17 Pro
iPhone 16 Pro

2倍

iPhone 17 Pro
iPhone 16 Pro
iPhone 17 Pro
iPhone 16 Pro

4倍/5倍

iPhone 17 Proの4倍(100mmレンズに相当)
iPhone 16 Proの5倍(120mmレンズに相当)
iPhone 17 Proの4倍(100mmレンズに相当)
iPhone 16 Proの5倍(120mmレンズに相当)

8倍

iPhone 17 Proの8倍(200mmレンズに相当)
iPhone 16 Proの8倍。こちらはデジタルズームとなる。

自撮りは普段しないけど…。センターフレームフロントカメラは、ビデオ通話で威力を発揮

カメラの進化で一番気になっていたのが、18MPセンターフレームフロントカメラだ。筆者がiPhoneをカメラとして使うときに用いるのは、圧倒的に背面カメラ。正直言って、TrueDepthカメラで自撮りする機会はほぼない。

しかし、FaceTimeなどのビデオ通話をする機会は多いので、TrueDepthカメラのスペックは重要だ。また、仕事のメインマシンであるMacBook Airで便利さを実感しているセンターフレーム機能をiPhone 17 Proが実装したことは、非常に楽しみなポイントだった。

iPhone 17 Proでセンターフレーム機能を試す。顔が左右に動いても、自動でフレームの中心に収めてくれる。

さらにiPhoneを縦持ちしていても、横位置の写真や動画を撮影できるのも、想像以上に便利だった。また、FaceTimeなどでビデオ通話中にほかの人がフレームインすると自動で縦→横位置に切り替わるのもグッド。次世代のiPhoneでは、ぜひ背面のカメラシステムでもこの機能を実装してほしい。

iPhone 17 Proでセルフィー。iPhoneを持ち替えなくとも…。
ワンタップで横位置に切り替えられる。縦持ちのまま横位置で撮れるのはかなり新鮮。
隣に人がフレームインすれば自動でズーム比を変えたり縦位置/横位置を切り替えてくれる。




iPhone 17 Proのバッテリ持ち、排熱性能は? iPhone 16 Proと比較検証

バッテリの持続時間は、iPhone 16 Proが最大27時間のビデオ再生。iPhone 17 Proでは最大33時間のビデオ再生と約22%増えている。

iPhone 16 Proは1年間使ってきた筐体なので正確な比較ではないのだが、一応テストしてみた。1時間、Webからデータをダウンロードし続ける。すると、iPhone 16 Proはバッテリが11%減。一方、iPhone 17 Proは8%減だった。

さて、iPhone 17 Proで使用しているアルミニウム合金の熱伝導率は、iPhone 16 Proで採用されているチタニウムの20倍。さらに、脱イオン水を密封したベイパーチャンバーによって熱管理を向上させている。

実際、高負荷なゲームを1時間プレイしたところ、iPhone 17 ProとiPhone 16 Proではボディの発熱が明らかに違った。簡易型の非接触温度計で確認すると、iPhone 17 Proは31度から35度に上昇。一方iPhone 16 Proは、31度から39度にまで上がった。

体感ではあるが、長時間におよぶビデオ撮影やワイヤレス充電時も、iPhone 17 Proのほうが明らかに発熱が少ない。

iPhone 16 ProからiPhone 17 Proへ。主な変更点まとめ。新モデルは買い?

iPhone 17 Proは、アルミニウムのUnibodyを採用し、新たな排熱機構であるベイパーチャンバーを搭載した。しかし、単純にスペックを比較するとその差はシンプルで、チップの更新、カメラのアップグレードが主なトピックとなる。

主なスペックの変更点。上の表では、変化のあったポイントを抽出してまとめている。

ただし、シンプルな変化だからこそ48MP Fusionのカメラや最大8倍の光学品質ズームなど、一般ユーザが明確に得られるメリットも多い。またプロユーザも、ProRes RAWやGenlock対応などから得られる恩恵は多いはずだ。

ただちにiPhone 16 Proからの買い替えを推奨することはもちろんできないが、おすすめはできる。一方iPhone 14 ProやiPhone 15 Proのユーザは、性能のジャンプアップを感じられる、買い替えにはいいタイミングなのではないかと思う。




おすすめの記事

著者プロフィール

松山茂

松山茂

東京の下町・谷中を拠点として日々カメラと猫を愛でながら暮らすフリーライター。MacやiPhone、iPadを初代モデルから使ってきたのが自慢。

この著者の記事一覧

×
×