目次
- AppleCare Oneは月額19.99ドル。複数デバイスの保証・サポートを一元化
- いつでも加入できる手軽さが魅力! AppleCare Oneと従来のAppleCare+との違い
- Action Needed対象のiPadも追加できた! デバイスチェックツールの実行もスムース
- 加入期限の柔軟化。AppleCare Oneがユーザにもたらす大きな利便性
- iPadやApple Watchも対象! 「盗難補償」はアメリカで大きな魅力。コストメリットも大きい
- AppleCare Oneはどんなユーザにおすすめ? 追加するならiPhone、iPad、Mac
- AppleCare Oneの日本上陸はあり得る? 期待はできるが、プラン内容は変わる可能性も
Apple製品を長年使ってきたユーザであれば、「AppleCare+に加入すべきか」「保証内容と料金は見合うのか」という疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。所有するApple製品が増えるにつれ、有償保証・サポートにかかるコストも膨らんでいきます。
この課題に対する解決策として、AppleはAppleCareの新しいサブスクリプションプラン「AppleCare One」を発表。すでに米国ではサービスを開始しています。
はたして、AppleCare Oneは本当にAppleユーザの悩みを軽減してくれるのでしょうか。米国在住の筆者が実際に加入し、レポートします。
AppleCare Oneは月額19.99ドル。複数デバイスの保証・サポートを一元化
「AppleCare One」は、その名前が示すとおり、Appleのサービスを包括的にバンドルして定額料金で提供する“One”サービスのAppleCareバージョンです。具体的には、複数のデバイスの有償保証・サポートを一つにまとめ、より手頃な料金で利用できるようにします。
米国での料金は月額19.99ドルを基本とし、最大3台までのデバイスを登録可能です。3台を超えた分は、1台あたり月額5.99ドルでプランに追加できます。
さらに、従来の「AppleCare+」よりも柔軟で充実した内容になっており、購入日から4年以内のデバイスであれば、状態が良好であることを条件にいつでもプランへ追加できるのが大きな特長です。

Apple製品は、デバイス間のスムースな連係やシームレスな利用体験が大きな魅力です。iPhone、iPad、Mac、Apple Watchといった複数デバイスを組み合わせることで、その価値は単体利用以上に高まります。
AppleCare Oneは、こうしたマルチデバイス環境を日常的に活用しているユーザ向けの新プランといえるでしょう。
いつでも加入できる手軽さが魅力! AppleCare Oneと従来のAppleCare+との違い
AppleCare Oneの契約方法は、「AppleCare+」と同じです。iPhone、iPad、Mac、Vision Proのいずれかで「設定」アプリを開き、[一般]→[AppleCareと保証]から[AppleCare One]を選びます。

契約完了後、再度[AppleCareと保証]を開き、プランにデバイスを追加します。保証対象は、iPhone、Mac、iPad、Apple Watch、Apple Vision、ヘッドフォン(AirPodsシリーズ、Beats)、HomePod、Apple TVなどです。注意点として、ほとんどの製品が「購入日から4年以内」で追加できるのに対し、ヘッドフォンは「購入日から1年以内」に制限されています。
追加プロセスで、デバイスは「Ready to Add(追加可能)」と「Action Needed(要対応)」の2つに分類されます。
AppleCare Oneにおける2つのデバイスの分類
・Ready to Add
限定保証期間中や比較的新しいデバイスで、選択するだけですぐにプランに追加できます。
・Action Needed
追加の際に診断チェック(diagnostic check)が必要なデバイスです。

Action Needed対象のiPadも追加できた! デバイスチェックツールの実行もスムース
AppleCare Oneの評価で注目すべきは、「Action Needed」となったデバイスのチェック審査の体験です。これが厳しすぎて、購入から2〜4年経過したデバイスを追加できなかったり、プロセスが煩雑だったりすると、AppleCare Oneのメリットが減退してしまいます。
結論から言うと、2021年11月に購入してから毎日使っているiPad mini 6でも、スムースに追加できました。完了までの時間はわずか5分程度。
デバイスのチェックは、診断ツールを使ってその場で実行することが可能です。Macの場合、同じApple AccountでサインインしているiPhoneまたはiPadを使います。両方のデバイスでWi-Fiをオンにしてデバイスチェックを開始すると、診断ツールが自動的に動作し、数分で結果が表示される仕組みです。

iPhoneやiPadを追加する場合は、そのデバイス自身でも診断チェックを行えます。ただし、デバイスの状態によっては、ディスプレイと背面の撮影が求められます。撮影にはWi-Fiをオンにした別のiPhoneかiPadが必要ですが、これは家族や友人のデバイスを借りて使うことも可能です。

リモートで診断を実行できない場合は、Apple Storeにデバイスを持ち込んで審査を受けましょう。また、画面のひび割れなどデバイスの状態が良好でない場合も、Apple認定の修理を受けたあとであれば、再度チェックを受けることができます。
対象デバイスの削除や入れ替えも非常に簡単です。「AppleCareと保証」内の「AppleCare Oneデバイス」から削除したいデバイスを選び、「デバイスを削除する」を選択するだけ。削除は即座に反映されるため、すぐに別のデバイスを追加できます。
加入期限の柔軟化。AppleCare Oneがユーザにもたらす大きな利便性
Apple製品には、標準で1年間のハードウェア製品限定保証と90日間の無償テクニカルサポートが付帯します。そして、有償プランの「AppleCare+」に加入すると、より手厚い保証とサポートを受けられます。
たとえば、iPhoneを落として画面が割れた場合でも、AppleCare+加入者は割安な費用で修理を受けられたり、24時間365日の優先サポートを受けられたり、といったメリットがあるのです。
しかし、AppleCare+に新規加入できるのは、米国では購入後60日以内(日本では30日以内)です。これが多くのユーザにとって悩みの種でした。仕事の都合などで急にデバイスを外に持ち出す機会が増えるなど、利用環境の変化によって保証の必要性は変わるものです。
その点、AppleCare Oneなら購入から4年以内のデバイスをいつでもプランに加えられます。高価なデバイスを優先しつつ、普段は自宅で使うデバイスをプランから外し、持ち歩く機会が増えたデバイスと入れ替える、といった柔軟な運用ができるのです。

また、プランに含めていたデバイスが4年の期限を迎えた場合、45日以内にAppleCare+の月払い契約に切り替えることで保証を継続できます。
iPadやApple Watchも対象! 「盗難補償」はアメリカで大きな魅力。コストメリットも大きい
AppleCare Oneで提供されるサービスは、AppleCare+の「盗難・紛失プラン」に相当します。AppleCare+でこのプランはiPhoneにしか用意されていませんが、AppleCare OneではiPadやApple Watchも対象となります。盗難のリスクが高い米国で暮らす筆者にとって、これは最大の魅力です。

料金面ではどうでしょうか。 Apple Watchを3台といった特殊な構成にすると、割高になってしまいますが、iPhoneやMacを含む一般的な構成であれば、AppleCare Oneのほうがお得です。
たとえば、米国でiPhone 16、13インチMacBook Air、Apple Watch Series 10をそれぞれ個別の月払いAppleCare+で契約すると合計で月額23.97ドルですが、AppleCare Oneなら19.99ドルです。一般的な使い方ならひと月に数ドル〜10ドル以上の節約になります。
AppleCare Oneはどんなユーザにおすすめ? 追加するならiPhone、iPad、Mac
契約してみて感じたのは、複数のAppleデバイスを日常的に利用し、特にそれらを頻繁に持ち歩く人々にとって、 AppleCare Oneは大きな安心感をもたらすということです。
一方で、すべてのデバイスで恩恵が大きいわけではありません。AirPodsのようなヘッドフォン製品の保証は購入後1年以内に限られるなど、制限があります。またApple TVやHomePodもプランに追加できますが、故障リスクの低いスマートホームデバイスを追加するメリットは小さいと感じました。
このプランの恩恵を特に受けられるのは、iPhoneやiPad、Macを高い頻度で利用し、数年後にはバッテリの劣化による交換も視野に入るようなヘビーユーザでしょう。購入から4年間という長い対象期間は、そうしたユーザのニーズに応えるものです。
AppleCare Oneの日本上陸はあり得る? 期待はできるが、プラン内容は変わる可能性も
では、このAppleCare Oneは海外にも展開されるのでしょうか。
Appleのプラットフォーム戦略、つまり複数デバイスの連係による体験価値の向上を重んじる姿勢に合致するサービスであることを考えると、その可能性は高いと言えます。
ただし、米国と全く同じ条件で提供されるかは未知数です。日本ではAppleCare+の契約可能期間が購入後30日と米国(購入後60日)より短く、各国の消費者保護法や商習慣の違いから、米国同様の柔軟性や期間がそのまま導入されるとは限りません。
それでも、従来のAppleCare+にはなかった柔軟性と利便性を含むものになるならば、Apple製品をより長く、安心して使うための心強い選択肢となるはずです。日本のAppleユーザにももたらされることを大いに期待したいところです。
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