新しいiOSがリリースされるたびに、パフォーマンス(反応性や動きのなめらかさ、バッテリの持ちなど)の変化が話題になるのはなぜでしょうか。
新機能は最新モデルを基準に開発されることが多く、そのため数年前の機種では同じ処理を行うのに精一杯になってしまう場合があります。
iOS 26は“格差”が目立つアップグレード?
iOS 26は、新デザイン言語「Liquid Glass」を採用し、例年以上にパフォーマンスへの影響が表れやすいアップグレードです。ガラスのような透明感となめらかに動く光のエフェクトが組み合わさった美しいデザインですが、こうしたリッチで複雑な視覚効果はグラフィックス処理を担うGPUに大きな負荷を与えます。特に透明度の処理やアニメーションの増加がこの傾向を強めています。

加えて、2024年にApple Intelligenceを導入したことで、iPhoneの処理能力が強化された影響もあります。iOS 26に対応するもっとも古い機種である「iPhone 11」と「iPhone 16」には4GBものメモリ容量差があるなど、現在は対応ハードウェア間のスペック差が特に大きい時期です。機種による使用体験の違いが、顕著に表れやすい状況と言えるでしょう。
とはいえ、対策は存在します。設定を見直すことで、負荷増加の影響をある程度抑制することが可能です。以下に紹介する方法を試して、iPhoneを最適な状態にチューニングしてみましょう。
iOS 26を快適に使うために。確認したい9つの設定
「アプリのバックグラウンド更新」を見直す
対策の一つは、ムダなバッテリ消費の削減です。
まず、バックグラウンド更新を見直しましょう。これは、アプリを使用していないときもアプリがデータ更新を継続する機能。たとえば、ほかのアプリを使用しながら音楽のストリーミング再生を楽しめたり、マップの経路案内がリアルタイムで通知されるなど、スマートフォンに欠かせない機能です。しかし、見えない形でリソースを消費する側面もあります。
iOSでは、アプリごとにバックグラウンド更新のオン/オフを切り替え可能です。情報更新が常に必要なアプリはオンに、ゲームなど使用中のみで十分なアプリはオフに設定すると通信量とバッテリを節約できます。
普段どのようなアプリがバックグラウンド更新をどのくらい使用しているかは、「設定」→「バッテリー」で確認しましょう。

メールの受信方法を「プッシュ」から「フェッチ」へ変更
メッセージングアプリの利用拡大により、メールの即時性のニーズは低下しています。メール確認が一日に数回で足りるのであれば、受信方法を「プッシュ」ではなく「フェッチ」(「15分ごと」、「30分ごと」など)に設定し、バッテリ消費を抑えましょう。
これは特に、複数のメールアカウントを利用している場合に効果的です。

App Storeの自動設定をカスタマイズ
「App Store」アプリの設定も、パフォーマンス改善に役立ちます。まずは「アプリのダウンロード」をオフにすると、同じApple Accountで使用するほかのデバイスでダウンロードしたアプリが、iPhoneに自動インストールされるのを防ぎ、意図しない通信やストレージの使用を避けられます。
ストレージはデータ保存先であると同時に、「仮想メモリ」です。そのため残容量が少なくなると動作が遅くなります。アプリだけではなく、不要な写真、動画も削除し、少なくとも総容量の10%以上は空けておくのが望ましいです。
さらに、「ビデオの自動再生」が不要なら「オフ」に。あるいは「Wi-Fiのみ」にして、データ通信でプレビュー動画が自動再生されないように設定しましょう。

プライバシー保護とパフォーマンスを両立
プライバシー関連の設定を見直すことも、iPhoneの動作改善に役立ちます。個人データを収集・送信する機能は、多くがバックグラウンドで稼働し、バッテリや処理能力を消費するからです。
まず、「位置情報サービス」はGPSを利用するため、バッテリ消費の大きい機能の一つです。特に[常に]許可されているアプリは、使用していない間も位置情報を取得します。「探す」や天気、防災アプリなど、継続的取得が必要なアプリもありますが、多くのアプリは[このアプリの使用中]の許可で十分に機能するでしょう。

また、広告表示のパーソナライズなどに使われる「アプリによるトラッキング」も位置情報データを収集し、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。アプリにトラッキング(追跡)の許可を与えるかどうかは、プライバシーの観点でも重要です。初回インストール時の設定に任せず、定期的に確認して不要な許可は取り消しましょう。

解析と改善データの共有を停止する
iPhoneの使用状況に関する診断データをAppleやアプリ開発者に匿名で送信する機能は、製品改善に貢献できる機能です。しかし、このデータ収集・送信プロセスもiPhoneのリソースを消費します。負担になる場合はオフにしましょう。

軽快さを優先。Liquid Glassをシンプルな表示に
もう一つの対策は、グラフィック処理の負荷を軽減する設定です。これらは「アクセシビリティ」メニューの中にあります。
画面表示の設定で「透明度を下げる」を有効にすると、透過効果が抑えられてシンプルな表示になります。これは文字やアイコンの視認性を向上させるのを目的とした設定で、描画処理の負担が軽減されます。ただし、Liquid Glassの最大の特徴である視覚効果が失われるという大きなトレードオフのある設定です。

「視差効果を減らす」は節約のメリットが少ない?
「視差効果を減らす」は、ホーム画面やアプリのアニメーションによる視覚的な動きや奥行き感を抑える設定です。ただ、これをオンにしても節約効果は小さく、むしろ操作体験の減退のデメリットのほうが大きいという声もあります。
GIFアニメやビデオの自動再生が不要な場合は、「アニメーション画像自動再生」と「ビデオプレビュー自動再生」をオフにしましょう。特に後者は節約効果の高い設定になります。

「フレームレートを制限」でリフレッシュレートを抑える
iPhone 13 Pro以降のProモデルに加えて、iPhone 17ファミリーでは「iPhone 17」と「iPhone Air」にも「ProMotion」テクノロジーが採用されました。
ProMotionは最大120Hzの可変リフレッシュレートでなめらかな表示を実現しますが、画面リフレッシュの回数が増えれば、それだけ電力も消費します。その対策として、「フレームレートを制限」を有効にすることで、最大60Hzに固定することが可能です。
両方を使い比べてみて、60Hzでも十分にスムースであると感じるなら、この設定でバッテリ消費を節約できます。

アプリごとにアクセシビリティ設定
iOS 26の新機能として、アクセシビリティ設定をアプリごとに割り当てられるようになりました。たとえば、写真編集アプリや動画再生アプリなど、視覚効果が重要なアプリではデフォルト設定を使い、それ以外では「透明度を下げる」を活用するなど使い分けが可能です。

自分に合った設定で、快適なiOS 26ライフを
一つの設定変更による効果は小さいかもしれませんが、複数を組み合わせればiPhoneの動作は軽快になり、バッテリ動作時間の伸びが期待できます。
すべての設定を一度に行う必要はありません。まずはLiquid Glassの体験を保ったまま、バックグラウンド処理の最適化から試し、ご自身の使い方に合わせて必要なら「透明度を下げる」をオンにしてみるなど、少しずつ調整していくのがおすすめです。
iOS 26は、最初の開発者向けベータ版では動作の重さが指摘されましたが、正式版までに大幅な改善がなされました。今後もマイナーアップデートでパフォーマンスやバッテリの改善が期待されるため、最新バージョンへの更新も快適さを保つための重要な要素です。
iOS 26の美しい新デザインを楽しむのもよし、軽快な動作とのバランスを図るのもよし。自分に合った最適なパフォーマンスでiOS 26を活用しましょう。

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