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NASなのに持ち運べる!? クラウドと外付けHDDの“いいとこどり”したポータブルNAS「UT2」レビュー!

著者: 松山茂

NASなのに持ち運べる!? クラウドと外付けHDDの“いいとこどり”したポータブルNAS「UT2」レビュー!

iCloudの容量が足りない。でも、据え置き型のNASはちょっとハードルが高い…。そんな悩みを抱えるMacユーザにとって、まさに“ちょうどいい”ストレージが登場しました。

その名も「UnifyDrive UT2(以下、UT2)」。コンパクトな見た目に反し、高速通信に大容量ストレージ、そして充実したアプリ連係で、Mac・iPhone・iPadの使い勝手を一段と引き上げてくれる優れものです。

まさに“持ち歩けるプライベートクラウド”と呼ぶべき「UT2」の魅力を解説しましょう。

UT2

【発売】
UnifyDrive
【価格】
7万6130円〜

【URL】 https://www.makuake.com/project/unifydrive_ut2/

【サイズ】 170(W)×85(H)×21(D)mm(シリコンケースなし)

【転送速度】 最大9.6Gbps(APモード)、最大9.6Gbps(Wi-Fiモード)、最大3.0Gbps(フラッシュドライブモード)、最大2.5Gbps(LANケーブルモード)

【Wi-Fi】 Wi-Fi 6

多彩なポートで対応デバイスがたっぷり!

まず、「UT2」のインターフェイスについて確認しましょう。本機には2つのSSDスロットが搭載されており、最大16TB(各8TB)までストレージを拡張できます。SSDはユーザ自身で交換でき、用途や予算に応じてカスタマイズが可能です。

「UT2」の標準版はストレージ非搭載のため、別途SSDを用意する必要があります。付属のドライバーを使って背面カバーのネジを外し、SSDをセットします。M.2インターフェイスを備えた2280サイズ、最大8TBのSSDを2基、搭載できます。

さらに、SDカードやCFexpress、USB-Aポートも備え、さまざまなメディアに対応します。

「UT2」のポート面には、インジケータを搭載した電源ボタンと電源ポート、Ethernetポート、HDMIポートが並んでいます。反対側にはUSB-Aポート、SD/TFカードスロット、CFexpressカードスロット、USB-C(フラッシュドライブポート)が配置されています。
シリコンケース付きの「UT2」本体に加え、リモコン、Ethernetケーブル、8K対応HDMIケーブル、8K対応USB-Cケーブル、電源アダプタ、ドライバーなど、必要なものはすべて同梱されています。

また、専用アプリ「UnifyDrive」を使えば、ファイル管理やバックアップの自動化、Web経由での共有機能なども利用可能。アプリは、Mac、iPhone、iPadと各デバイス向けにリリースされており、複数デバイスからデータにアクセスしやすいのもグッド。

「UT2」の操作・設定はすべて専用アプリ「UnifyDrive」で行います。UIがシンプルで、操作に悩むことはありませんでした。




NASなのに持ち運べる!? 充電式でコンパクトな“ポータブルNAS”という革命

ではさっそく、「UT2」の魅力を掘り下げていきましょう。まず、なんといっても、その“身軽さ”がポイントです。

通常NASというと、LANケーブルでネットワークに接続し、常時電源につないで使う「据え置き型」を思い浮かべるのではないでしょうか。

ところが「UT2」は、充電式で稼働します。「純コバルトUPSバッテリ」を内蔵し、給電がなくても最大30分連続稼働が可能。さらに、モバイルバッテリを使えば、より長時間稼働します。

また、「無停電電源装置」を搭載するため、コンセントにつないで使っているときに突然停電しても、データが破損することがないという至れり尽くせりっぷり。

サイズもコンパクトで、シリコンケース込みで371g(ケースなし306g)という超軽量設計なので、カバンやカメラバッグにもすっぽり収まります。

さらに、Wi-Fiも搭載されていて、APモード(単体でのWi-Fiネットワーク)とルータモード(家庭内ネットワーク経由)を切り替えることで、使用シーンに合わせて柔軟に運用することが可能です。

Wi-FiモードとAPモードの切り替えは、側面のボタンを押すことで行います。
APモードに切り替えたら、「設定」もしくは「システム設定」から[Wi-Fi]を選んで「UT2」に接続すれば、Wi-Fiルータがない環境でもダイレクトに「UT2」にワイヤレスでアクセスできます。

初期設定がらくらくだから、使い始めるまでのストレスがない!

また、「UT2」の魅力の1つとして、セットアップの簡単さも見逃せません。

セットアップするには、まず自宅のWi-Fiルータと「UT2」を付属のEthernetケーブルで接続したら、専用アプリ「UnifyDrive」を起ち上げ[新規デバイスの登録]を選択。[アクティベート]を選んだあと、デバイスを選択して管理者アカウントを登録します。

次に、搭載したSSDを選択し[フォーマットを開始]をタップすれば、「UT2」が利用できる状態になります。




「UT2」はSDカードスロットを備えるから、写真も動画もMacを開かず“その場で”バックアップできる!

さらに、仕事や趣味で写真を撮ることの多い筆者にとってうれしいのが、「UT2」がSDカードスロットを備えていること。デジカメで撮影した写真や動画を、その場で直接保存することができるんです。

これにより、出張先や旅行中にMacを開かなくても、SDカードを本機に挿すだけでバックアップが完了します。もちろん、バックアップした写真や動画は、MacやiPhone、iPadからアクセスできるので、これは写真愛好家を唸らせるはず!

また、専用アプリ「UnifyDrive」内にある「スマホバックアップ」という機能を使えば、iPhoneやiPad内の写真や動画をワイヤレスで転送することも可能です。

iCloud写真の同期を使わず、こちらの機能で写真や動画をバックアップすれば、iCloudの容量不足に悩まされる心配もなくなるというわけです。

撮影が終わったらカメラからSDカードを取り出して「UT2」のスロットに挿入。側面のプラグアンドバックアップ起動ボタンを2回押すとバックアップがスタートします。バックアップの開始や終了はビープ音で知らせてくれます。
バックアップが完了すると、専用アプリ「UnifyDrive」内にある「個人フォルダ」の「PlugBackup」に年月日を名前にしたフォルダが作成されます。
その中を辿っていけば、SDカードからバックアップした写真や動画のファイルにアクセスできます。

また、写真に関する機能でいうと、「UT2」にはAI画像認識機能が搭載されています。これを使えば、Apple標準の「写真」アプリと同じように、人物や写っている対象物、撮影場所で自動で分類してくれるので、写真管理がラクになります。

さらに、「AI検索」を使えば、保存している写真や動画はもちろん、文書やメールなど「UT2」内の全データの中から、検索欄に入れた単語に関するものをピックアップできます。

「UT2」のAI機能は完全にオフラインで動作するため、プライバシーを守れるのもうれしいポイントです。

「UT2」は一度手にしたら手放せなくなるはず!

今回、ご紹介した機能のほかにも、HDMI経由でテレビやモニタにつないで写真や8K/4K/HDR動画を再生できるなど、注目すべき点が「UT2」には多く備わっています。

クラウドサービスのように永久に料金が発生することもなく、さらに、外出先でも家でもどこにいてもデータに簡単にアクセスできる「UT2」は、NASを検討中のすべての人におすすめしたい製品です。

クラウドと外付けHDDの“いいとこどり”をしたい方は、ぜひチェックしてみてください。

「UT2」はこんな人におすすめ!

 

◯クラウドはセキュリティや通信環境が不安で、ローカルに保存したい方
◯外付けHDDを持ち歩くのが面倒、もっとスマートに使いたい方
◯カメラで撮影した写真や動画をその場でバックアップしたい方
◯出張や旅行時に大量のデータを安全に保管したい方
◯Mac・iPad・iPhoneで日常的にファイルをやりとりしている方

ちなみに、現在販売中の価格7万6130円は、応援購入サービス「Makuake」での早期割引価格で、定価より23%お得なものです。この価格で購入できるのは7月末までの予定なので、気になる方はお早めにチェックすることをおすすめします。




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著者プロフィール

松山茂

松山茂

東京の下町・谷中を拠点として日々カメラと猫を愛でながら暮らすフリーライター。MacやiPhone、iPadを初代モデルから使ってきたのが自慢。

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