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キンプリの名曲を「空間オーディオ」で聴いたら“まるで新曲”だった!

著者: 笹本貴大

キンプリの名曲を「空間オーディオ」で聴いたら“まるで新曲”だった!

2024年5月、King & Princeがデビュー6周年を記念して、最新シングルおよびベスト盤収録曲をサブスク解禁するというニュースがありました。

Apple MusicやAmazon Music、Spotifyといった各種音楽ストリーミングサービスで、5月23日リリースの新曲「halfmoon / moooove!!」の全収録楽曲(6曲)と、昨年発売されたベストアルバム「Mr.5」の全収録楽曲(57曲)が配信開始されるという内容です。

「CD持ってるしな…」は早とちり

このニュースを知ったとき、「やった! キンプリの楽曲をたくさんの人に聴いてもらえる!」と喜んだ一方で、「自分にはあまりメリットがない話なのかな?」と感じたのが正直なところ。

というのも、私は妻の影響からKing & PrinceのCDをほぼ持っていて、「ミュージック」アプリのライブラリにすべて読み込んでいるのです。なので、サブスク解禁されたとしても、すでにほとんどの曲が聴ける状態でした(さすがに全CDの全形態は買っていないのですが)。

妻の影響でCDをほぼ持っていて、「ミュージック」アプリのライブラリにすでにたくさん入っていました。

おそらく同じような境遇のファンの方も多いのではないでしょうか。

なので、サブスク解禁はうれしいけど、あまり自分には関係のない話かな…と認識していたのですが、のちほどそれは「早とちり」だったということがわかります。

いざ配信日当日。Apple Musicを開いて、King & Princeのアーティストページにアクセス。

アーティストページができていることにも感動しました。

「halfmoon / moooove!!(Special Edition)」をタップしてみると、そこに「Dolby Atmos」の文字を発見!!

新曲「halfmoon / moooove!!(Special Edition)」のページを開いてみると。

新曲「halfmoon / moooove!!(Special Edition)」のページを開いてみると。

「Dolby Atmos」の文字を発見!

「Dolby Atmos」の文字を発見!

ということは、King & Princeの曲が「ドルビーアトモスによる空間オーディオ」で聴ける!

これは話が違ってくる。

空間オーディオとは

2020年にリリースされたiOS 14から実装された「空間オーディオ」は、前後左右から音が聞こえてくるような感覚が楽しめ、まるで映画館のように、四方から包み込まれるような臨場感を味わうことができる3Dオーディオ機能です。

当初は「Apple TV+」や「iTunes Store」の対応ビデオで利用できたのですが、2021年6月にApple Musicの楽曲が対応を果たしたことで、普及に拍車がかかりました。

2021年6月、Apple Musicのサブスクリプションの登録者は「空間オーディオ」を追加費用なしで利用可能になりました。photo●Apple Newsroom

私もAirPods Proを使ってはじめて「空間オーディオ」対応楽曲を聴いたときに、大きな衝撃を受けたのを覚えています。

なので、King & Princeの楽曲を「空間オーディオ」で聴けることに非常に魅力を感じたのです。

自分の脳みそから音が出ている感覚

さっそく今回のKing & Princeの新曲「halfmoon」と「moooove!!」を空間オーディオで視聴してみました。

お〜! 音に広がりがあってすごい…。これは感動する。

ちなみに、King & Princeのお二人はApple Musicのオリジナルラジオ番組「J-Pop Now Radio」のエピソード164にゲスト出演しており、そこで「空間オーディオ」についてこのようなコメントを残しています。

「J-Pop Now Radio」エピソード164 より

「『halfmoon』とか、(空間オーディオで聴くと)よりわかりやすいですよね。僕らの歌声が、耳元くらい、すごく近くで感じられるというか。立体感がすごく重厚でした」(永瀬廉さん)

「耳で聴いているんじゃなくて、自分の脳みそから音が出ている感覚でした。『moooove!!』は音数も多いし、聴こえてくる角度が違う感覚。自分で場面や空間をイメージして聴けるというのは、もうひとつ、音楽の楽しみが増えたように感じます」(髙橋海人さん)

お二人もラジオの中で言っていましたが、「halfmoon」の最後の「愛してる」というフレーズを空間オーディオで聴くと、それはそれは幸せな気持ちになれます。

あの名曲が“まるで新曲”だった

新曲ももちろん最高!なのですが、それよりも(特にファンの皆さんに)聴いてほしいのが、これまでリリースされた名曲たちです。

新曲と一緒に、昨年発売されたベストアルバム「Mr.5」の全収録楽曲(57曲)も配信されており、これらもありがたいことに「空間オーディオ」に対応しています。

たとえばデビュー曲「シンデレラガール」や、ミリオンセールスを達成した10thシングル「ツキヨミ」など、たくさんの名曲たちを“いい音”で味わうことができます。

個人的には「TraceTrace」や「Namae Oshiete」あたりを空間オーディオで聴くのがおすすめ。違いが“わかりやすい”と思います。

個人的なおすすめは「TraceTrace」です。

何回も聴いた名曲が、さながら“新曲”に感じるはず。

これまで“聴こえなかった音”が聴こえてくる感覚なので、ぜひファンの方には体験してほしいです。

音量を気持ち大きめで聴くと、絶対感動します…!

空間オーディオをどうやって聴く?

最後に、肝心の「空間オーディオ」の聴き方です。

前提として、Apple Musicのサブスクリプション契約が必要です。未加入の方は、1カ月無料体験などのキャンペーンもありますので、まずは試してみましょう。

Apple Musicは1カ月無料で体験可能です。

空間オーディオを聴く手段はいくつかあるのですが、今回はより多くの方に当てはまるであろう「iPhoneやiPadで聴く方法」を教えます。

まずiPhone/iPadの対応モデルがこちら。

・iPhone XS 以降 (iPhone SE を除く)

・iPad Pro 12.9 インチ (第 3 世代以降)、iPad Pro 11 インチ、iPad Air (第 4 世代以降)

上記モデルをお持ちの場合は、以下の手順を踏んでください。

①iPhoneまたはiPadを最新バージョンのiOSまたはiPadOSにアップデートする。
②「設定」アプリを開く。
③[ミュージック]をタップ。
④[オーディオ]の下の[ドルビーアトモス]をタップ。
⑤[自動]を選択。

「設定」アプリから[ミュージック]をタップし、[ドルビーアトモス]で[自動]を選びましょう。

これで対応iPhone/iPadで空間オーディオ対応楽曲を再生できます。

しかし、このままだとiPhone/iPadの内蔵スピーカから聴くことになるので、それでは空間オーディオを100%味わうことは難しいです。

そこで組み合わせたいのが、空間オーディオに対応している「AppleまたはBeatsのBluetooth対応イヤフォン/ヘッドフォン」です。

具体的には以下のイヤフォン/ヘッドフォンになります。

・AirPods Pro (第 1 または第 2 世代)

・AirPods Max

・AirPods (第 3 世代)

・Beats Fit Pro

・Beats Studio Pro

・Beats Solo 4

個人的にはノイズキャンセリング機能を搭載したモデル、たとえば「AirPods Pro」や「AirPods Max」あたりがおすすめです。

こうした対応モデルを用意したら、以下の手順を踏みましょう。

①上記の対応イヤフォン/ヘッドフォンを装着し、iPhoneまたはiPadに接続されていることを確認。
②iPhoneまたはiPadでコントロールセンターを開く(画面右上端から下に向けてスワイプ)。
③音量調節コントロールを長押しして、対応楽曲を再生中に、画面下部に表示された項目から[固定]か[ヘッドトラッキング]を選択。

コントロールセンターから音量調節コントロールを長押しして、対応楽曲を再生中に空間オーディオを有効にしましょう。ヘッドトラッキングか固定か迷ったら、ひとまず[固定]でOKです。

これで空間オーディオ対応楽曲の「リッチなサウンド」を味わえるでしょう。

「ミュージック」アプリのプレーヤー画面に「Dolby Atmos」の文字があれば、空間オーディオで再生できている証拠です。

「Dolby Atmos」の文字があればバッチリ!

キンプリファンの方、ぜひこの手順で聴いてみてください。

対応スピーカで聴くともっと“スゴイ”

私はAirPods Proで空間オーディオを聴く一方で、自宅では空間オーディオ対応スピーカを使っています。

イヤフォンやヘッドフォンと違って、文字どおり「音に包まれる」ような感覚を味わえるので、空間オーディオの「さらに先」を体験したい方にはおすすめです。

対応スピーカは市場にそう多くはないのですが、Appleの「HomePod(第2世代)」やSonosの「Era 300」などが挙げられます(ちなみに私はEra 300を愛用中)。ちょっとお値段高めですが、ぜひ検討してみてください。

2023年2月に発売開始された「HomePod(第2世代)」は空間オーディオに対応したスピーカのひとつです。photo●Apple Newsroom

今後はどんどん空間オーディオ対応楽曲が増えてくると思うので、対応デバイスを組み合わせて、音の空間に没入してみてください!

著者プロフィール

笹本貴大

笹本貴大

『Mac Fan』編集長。1989年生まれ、東京都青梅市出身。ベビーテックに興味あり! FP3級、世界遺産検定3級、名探偵コナン検定1級。 Xアカウント:@ssmt_tkhr

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