Apple Intelligenceの発表ほか、センセーショナルな話題が盛りだくさんだったWWDC24。では、昨年のWWDC23はどんな内容だったのでしょうか。
過去の発表を振り返ることで、Appleの考えや、その一貫性が見えてくるかもしれません。ここではその後編として、WWDC23で発表されたOSの新機能を解説していきます。
※この記事は『Mac Fan』2023年8月号に掲載されたものを再構成・編集したものです。
macOS Sonoma/仕事も遊びもパワフルになる新しい体験!
2023年秋提供予定の「macOS Sonoma」では、ウィジェットの使い勝手やビデオ会議中のコミュニケーションなど、利用頻度が高いソフトや機能に関するステップアップが図られました。ほかにも、Macのゲーミング利用を意識した機能が新たに追加されるほか、プライバシーやセキュリティ関連の機能も改良されます。
対応モデル
- 2017年以降に発売されたiMac Pro
- 2018年以降に発売されたMacBook Air、MacBook Pro、Mac mini
- 2019年以降に発売されたiMac、Mac Pro
- 2022年以降に発売されたMac Studio
【注目機能1】デスクトップ上にウィジェットを配置
macOS Montereyでは通知センターにウィジェットを追加できましたが、次期macOS Sonomaではデスクトップ上にウィジェットを直接配置できるようになります。「リマインダー」ウィジェットのタスクにチェックをつけたり、天気をチェックしたりとインタラクティブに操作できるほか、ソフトの操作時はウィジェットの不透明度が下がることで集中力を妨げない工夫もされています。
また、Macの近くにある手持ちのiPhoneと連係すれば、そのiPhoneで使っているアプリウィジェットをMacのデスクトップに配置することも可能です。このとき、Macにそのソフトを追加していなくてもウィジェットを利用できます。
【注目機能2】プレゼンテーション上にユーザの姿も合わせて表示
次期OSでは、「FaceTime」をはじめとしたビデオ会議ソフトを利用する際の機能も大幅に強化されます。たとえば、ビデオエフェクト「プレゼンターオーバーレイ」を利用すると、共有しているコンテンツの上にユーザを表示でき、ユーザの表示サイズは2種類から選択可能。小さいサイズでは、ユーザの位置を自由に動かしたり、吹き出しを表示してコメントを追加することも可能です。
さらには、ビデオ通話中に特定のジェスチャを行うことでARエフェクトを表示する機能も利用できるほか、連係カメラ機能でiPhoneなどのカメラをMacに接続して使う際に構図やライティングをコントロールできるようになることもポイントです。
【注目機能3】「ゲームモード」でワイヤレスの遅延を低減
ゲームソフト利用時にCPUおよびGPUの処理が最優先され、一貫したなめらかなフレームレートでゲームをプレイできる「ゲームモード」が搭載されます。また、Bluetoothのサンプリングレートが2倍に上がることで、AirPodsシリーズでの音声再生時に生じる遅延を劇的に抑えるほか、ゲームコントローラ利用時の入力遅延も低減できると発表されました。また、開発者向けツール「Game Porting Toolkit」も発表され、ほかのプラットフォーム向けに開発されたゲームを、より簡単にMacへ移植することができます。
【注目機能4】パスワード/パスキーを親しい相手と安全に共有
信頼できる相手にパスワードやパスキーを共有する機能が追加されます。iCloudのキーチェーンを経由してエンドツーエンドで暗号化された状態で共有できるほか、ユーザをグループにまとめて一括で共有することも可能です。また、共有したパスワードを常に最新の状態に維持するため、グループに参加している全員がパスワードの追加および編集を行えます。図では、「システム設定」→[パスワード(Passwords)]項目において、5つのパスワードを3人で共有しています。
【注目機能5】センシティブな内容を検出して事前に警告
macOS 12.1以降では、「設定」→[スクリーンタイム]→[ファミリーメンバー]→[コミュニケーションの安全性]→[センシティブな写真をチェック]をオンにすることで、子どもが「メッセージ」アプリを利用する際、裸体を含む写真を送受信する前に検出して警告されました。これが次期OSでは、AirDropや写真ピッカー(サムネイルの表示システム)、FaceTimeメッセージ、電話の着信などに拡大するほか、写真だけでなく送受信する動画まで検出の対象になります。写真や動画がセンシティブな内容と判断された場合、表示する前にぼかす機能も搭載します。この機能は「メッセージ」のほか、サードパーティ製ソフトでも使えるようになるそうです。
【注目機能6】「Hey」と言わなくても「Siri」だけで応えてくれる
音声アシスタント「Siri」をボイスコマンドで起動したい場合は「Hey Siri」という掛け声(ウェイクワード)が必要でした。これが、macOS SonomaやiOS 17では「Hey」をつけずに「Siri」と呼びかけるだけで起動できるようになります。なお、macOS Sonomaの場合、同機能を利用できるのはAppleシリコン搭載モデルおよびAirPods Pro(第2世代)接続時に限定されます。WWDC23におけるプレゼンテーションでは、何度もSiriを呼びかけずとも、連続して複数の指示を出せるようになることも発表されていました。
【注目機能7】障がいの有無に関わらずMacをもっと使いやすく
2023年後半、聴覚に障がいがあるユーザ向けに、ヒアリングデバイスをMacに接続できる機能を搭載します(一部のAppleシリコン搭載Macに限定)。発話が難しい場合は、話したいことをタイプすると読み上げられるLive Speech機能を利用可能。よく使うフレーズを保存することも可能です。さらに、視覚障がいのあるユーザ向けにソフトのテキストサイズをより柔軟に変更できる機能も用意されます。
【注目機能8】障がいの有無に関わらずMacをもっと使いやすく
macOS Sonomaでは、「Safari」にプロファイル機能が登場。仕事やプライベートなどのシーンを分けて、Cookieや履歴、拡張機能、タブグループ、お気に入りなどを別々に保存できるようになります。また、プライベートブラウズ機能も進化します。Webサイトのトラッキングやユーザの特定をより強力に防ぐほか、プライベートブラウズのウインドウは非使用時にロックされます。さらに、DockにWebサイトのアイコンを配置し、ソフトのように起ち上げられる「Webアプリ」作成機能も見逃せません。画像では、「Pinterest」のWebアプリを利用しています。
iOS 17/自分らしく使える機能でiPhoneをもっと楽しもう!
2023年秋から提供されるiOS 17では、“パーソナライズ”に関して多くのアップデートが行われています。新機能の「連絡先ポスター」で個性溢れる連絡先カードを作成したり、日々の出来事を記録できる新アプリ「ジャーナル」で自身を振り返ったりと、これまでに以上にiPhoneを自分らしく使うための機能が満載です。
対応モデル
- iPhone SE(第2世代以降)
- iPhone XR/XSシリーズ
- iPhone 11シリーズ
- iPhone 12シリーズ
- iPhone 13シリーズ
- iPhone 14シリーズ
- iPhone 15シリーズ
【注目機能1】相手の着信画面に表示される自分の名前や写真をカスタマイズ
iOS 17では、自身の連絡先カードをカスタマイズできる「連絡先ポスター」機能が追加されます。これは、「電話」アプリで電話をかけた相手の画面に表示されるイメージや、連絡先の共有時に表示されるビジュアルを独自に設定できる機能。具体的には、ユーザの名前部分に使用するフォントとカラーの変更に加えて、写真かミー文字を配置できます。
名前の画面表示については、日本語や中国語では縦書きのレイアウトに対応していることもポイント。なお、こうした仕組みはデベロッパー向けに「CallKit」として公開されるため、一部のサードパーティ製IP電話アプリでも連絡先ポスターを表示できるようになります。
【注目機能2】かざして連絡先を交換する「NameDrop」が新登場
「AirDrop」を利用した共有機能「NameDrop」が新登場。iPhone同士またはiPhoneとApple Watchを近づけることで、お互いの連絡先情報を交換可能です。なお、この機能を利用する際の画面には「連絡先ポスター」が表示されます。また、「NameDrop」は連絡先の交換以外にも、iPhone同士で特定のジェスチャを行うことで、コンテンツの共有やSharePlayの開始などに利用できます。
AirDropでコンテンツ共有を始めたあとに両デバイスの距離が離れた場合、インターネット経由で共有を継続する機能も新たに追加。これまでも便利に利用できたAirDropをより活かせる機能が多数搭載されます。
【注目機能3】CarPlay対応の車で音楽再生をもっと楽しく
CarPlayについては、「Apple Music」をSharePlay経由でコントロールできる機能が追加されます。CarPlay対応の車に運転手のiPhoneが接続されると、同乗者のiPhoneにセッションへの参加が提案され、このセッションに参加することで同乗者も手元のデバイスから楽曲再生をコントロールできます。なお、この機能は「Apple Music」のサブスクリプション契約有無に関わらず利用可能。車に同乗するiPhoneユーザは、招待通知をタップすることでSharePlayに参加できます。
【注目機能4】簡単に日記をつけられる「ジャーナル」アプリを搭載
日記をつけるための純正アプリ「ジャーナル」が登場します。機械学習によって、撮影した写真や訪れた場所、実践したワークアウトなどが内容の候補として表示されるため、気軽に日常を記録できます。ロック機能やエンドツーエンドの暗号化など、プライバシー保護を重視した設計が採用されているのも特徴です。また、APIが公開されているので、サードパーティ製アプリも候補に表示されるようになるでしょう。
【注目機能5】「FaceTime」利用時に音声や動画で伝言を残す
「FaceTime」を使った通話やビデオ通話に相手が応答しない場合、相手にオーディオかビデオで伝言を残せます。ここでオーディオメッセージを選んだ場合は内容が自動的に書き起こされるので、相手は音声を聞かずともメッセージを読んで内容を確認可能。なお、残したオーディオやビデオは通話履歴の一覧から再生できます。
【注目機能6】「スタンバイ」機能でおしゃれな置き時計に
iPhoneを横向きで充電するときに「スタンバイ」という表示モードを利用できます。ベッドサイドやキッチンカウンター、デスクなどでの使用が想定されたもので、大きな文字で時刻表示を確認できるほか、スマートスタックを含む「カレンダー」や「天気」などのウィジェットを表示したり、ライブアクティビティの進捗状況を確認したりすることも可能です。なお、常時表示ディスプレイを搭載するiPhone 14 Proシリーズでは、横向きでの充電中にいつでもスタンバイモードを利用できます。
【注目機能7】留守電の内容を“読んで”から着信に応答するか決められる
着信中に役立つ「ライブ留守番電話」機能が「電話」アプリに追加されます。発信者が留守番電話にメッセージを残している最中に内容がリアルタイムで書き起こされるので、今すぐ応答すべきかどうか判断しやすくなります。この機能はデバイス上で処理されるためプライバシー侵害の心配はないほか、通信事業者によって迷惑電話と識別されている番号からの電話では機能せず、ただちに着信拒否されます。
【注目機能8】安否確認機能を使って目的地への到着を見届ける
「メッセージ」アプリには、目的地への到着を家族や友人に知らせるための「安否確認」機能が登場。目的地に向かっていない場合、デバイスの位置情報やバッテリ残量、通信サービスなどの情報が指定した連絡先と共有されます。ほかにも、メニューのUIが刷新されるほか、素早くメッセージを探せる「検索フィルター」、会話の未読部分に素早く遷移する機能、スワイプでメッセージに返信する機能、オーディオメッセージの書き起こし機能などが追加されます。
iPadOS 17/パソコンライクに使える便利機能が満載!
「ステージマネージャ」やPDF編集などの既存機能が改良され、細かい使い勝手がブラッシュアップされた印象のiPadOS 17。さらには、仕事でもプライベートでも役立つ機能が多数搭載されることも発表されているため、iPadがますます手放せない存在になりそうです。
対応モデル
- iPad Pro(第2世代)以降
- iPad Air(第3世代)以降
- iPad(第6世代)以降
- iPad mini(第5世代)以降
【注目機能1】ウィジェットを便利に配置できるロック画面のカスタム機能が登場
次期iPadOSでは、iOS 16と同様にロック画面を柔軟にカスタマイズできるようになります。たとえば、ロック画面の壁紙はこれまで「設定」アプリで変更できましたが、今後はロック画面の長押しでの変更に対応するほか、複数のロック画面を作成して保存しておくことも可能です。
ロック画面ごとに日時などのフォントや色を変更したり、ウィジェットを配置したりすることもできます。さらに、ライブアクティビティの表示にも対応し、スポーツの試合結果などをリアルタイムで確認可能。また、壁紙に写真を設定する場合、スリープを解除するたびにLive Photosのモーションエフェクトを適用することもできます。
【注目機能2】「ファイル」「メモ」アプリでのPDFの編集機能が大幅強化
iPadOS 17では、PDFの編集機能が大幅に強化されました。たとえば「ファイル」アプリに表示したPDFに情報を入力したい場合、機械学習の活用によりPDF内の入力欄が自動識別され、各入力欄を選んで情報を入力できます。入力欄をタップするとポップアップが表示され、氏名や住所、電話、Eメールアドレスなどの情報を「連絡先」アプリから自動入力することも可能です。
さらに、「メモ」アプリ上でのPDF編集機能も強化。全幅表示した画面でページをめくりながら閲覧したり、Apple Pencilで注釈を記入したりすることができます。さらには、複数メンバーとの共同編集も可能になり、編集内容はリアルタイムで反映されます。
【注目機能3】iPadでのビデオ会議に外付けカメラを利用可能
外付けディスプレイとiPadを接続することで、外付けディスプレイに搭載されるWebカメラをiPadで利用できることが発表されました。これに加えて、有線接続したWebカメラやマイクなどもiPadで利用できるように進化します。より自由なアングルでビデオ会議に参加したり、手軽に歌声を収録したりと、活用の幅が広がるでしょう。iPadシリーズに搭載されるフロントカメラは十分に高画質ですが、外部カメラをサポートすることで、より自由度の高い使い方ができそうです。
【注目機能4】「ヘルスケア」アプリで心の健康までチェックできる
iOSやwatchOSで提供される「ヘルスケア」アプリがiPadでも使えるようになります。デザインもiPad向けに最適化されており、アクティビティや健康データを詳しく確認できます。また、次期iOSおよびwatchOSとともに、心の健康にフォーカスした「メンタルヘルス」機能を新搭載。エクササイズやマインドフルネスの時間、睡眠などの生活習慣が心に及ぼす影響を確認したり、質問に答えてうつや不安症リスクをチェックすることが可能です。
【注目機能5】地図データをダウンロードしてオフラインで「マップ」を利用
「マップ」アプリでは、特定のエリアの地図データをデバイスにダウンロードしてオフライン環境でも利用できるようになります。データをダウンロードしておけば、場所カードに書かれた情報(営業時間や評価など)の確認のほか、車や徒歩、自転車、公共交通機関などでの移動経路をチェック可能。また、電気自動車用の充電ステーションの空き状況の確認などにも対応します。サードパーティ製アプリではすでに搭載されていることも多いオフライン機能ですが、「マップ」もついにこれをサポートしました。
【注目機能6】「ステージマネージャ」の改良でウインドウをより自由に配置
iPadOS 16で搭載された「ステージマネージャ」では、ウインドウを動かしたり、ウインドウのサイズをある程度調整したりすることができます。しかし、サイズや場所を自由に決められるわけではないため、扱いが難しい側面もありました。これが次期OSで改良され、ウインドウの位置とサイズをより柔軟に調整できるようになります。ワークスペースがコントロールしやすくなることで、iPadをますますパソコンのように操作できるでしょう。
【注目機能8】画面に近づきすぎると距離を取るように警告
次期OSでは、近距離で画面を見続けることによる健康リスクを軽減するための「画面からの距離」機能が搭載されます。Face IDの認識に使われるTrueDepthカメラによって画面と顔の距離を検出し、30cm未満の距離でデバイスを覗き込んでいる時間が続く場合はユーザに警告します。この機能は「設定」アプリの[スクリーンタイム]項目から設定可能です。近距離で操作している時間が一定時間経つと、画面にリマインドが表示されます。近視リスクの低減や、デジタル眼精疲労の軽減に期待できるでしょう。
【注目機能8】写真のステッカー化機能で「メッセージ」をより楽しめる
「メッセージ」アプリでは、「Liveステッカー」機能が登場。絵文字やミー文字などの選択パネルに、新たに「Liveステッカー」の追加/選択パネルが設けられます。ここで端末内にあるLive Photosを選ぶと、Liveステッカー(被写体の背景が削除された、動くステッカー)を作成できます。作成したLiveステッカーは相手のメッセージにドラッグして貼り付けることができるほか、iCloudによる同期でMacやiPhoneと共用できます。
watchOS 10/大幅なデザイン刷新で各種アプリがもっと便利に!
「世界時計」「アクティビティ」など、多くの純正アプリでUIが見直されたほか、新しい操作体験をもたらす「スマートスタック」が搭載されます。初代watchOS登場から10年目という節目のタイミングで大幅な刷新が行われ、既存ユーザも新規ユーザもその使い勝手に満足できるはずです。
対応モデル
- Apple Watch Series 4〜8
- Apple Watch SE
- Apple Watch Ultra
【注目機能1】「パレット」「スヌーピー」2つの文字盤が登場
2種類の文字盤が加わり、「パレット」は時間に合わせてディスプレイの色が変化するのが特徴です。「スヌーピー」は、スヌーピーとウッドストックが時計の針で遊んだり、雨などの天気に反応したりと、文字盤を見るたびに楽しい気持ちにさせてくれます。色彩の美しさが特徴的な「パレット」。重なり合うカラーレイヤーが印象的で、時刻に合わせてさまざまな色を描写します。
【注目機能2】新機能「スマートスタック」で次の予定をサッと確認
知りたい情報に素早くアクセスするための新機能「スマートスタック」が登場。Digital Crownを回すたびに「カレンダー」や「リマインダー」「ヘルスケア」「天気」「アクティビティ」などのウィジェットが入れ替わり、状況に応じた情報をタイムリーに表示できます。また、「スマートスタック」の利用中に「時計」ウィジェットのタイマーを一時停止できるなど、実行中のアクティブなセッションを素早く操作することも可能です。なお、画面を長押しして「スマートスタック」にウィジェットを追加/削除することで、使いやすいようにカスタマイズできるのも特徴です。
【注目機能3】“通信できる最後の場所”を万が一の事態に備えて生成
「コンパス」では、自動的に「モバイル通信できると推定される最後の地点」と「緊急電話に発信できる最後の地点」が生成されます。これにより、登山などのアクティビティで起こる“もしもの事態”に備えることができます。まずは米国で、等高線や山の陰影、標高の詳細、新しい地形図が表示される予定。ユーザは「場所カード」で登山道の距離や難易度などの詳細情報を確認しながら、近くの登山道や登山道の起点を探せます。
【注目機能4】ほぼすべての純正アプリがより便利に使えるデザインに
ほぼすべての純正アプリで、UIが再設計されています。ディスプレイ全体を余すことなく活用するデザインが採用されたことで、情報が一目で確認しやすくなりました。たとえば、「世界時計」では現地の時刻を反映するダイナミックな背景色が採用。「アクティビティ」では画面のコーナー部分にアイコンが追加され、1週間のサマリーやバッジなどをタップで確認できます。ほかにも、「天気」「株価」「ホーム」「マップ」「メッセージ」といったアプリでも改良が加えられています。
【注目機能5】「ワークアウト」アプリのサイクリングに新機能
「ワークアウト」アプリのサイクリング機能では、Bluetooth対応のサイクリング向けアクセサリをApple Watchに接続できるようになります。指標にはケイデンスとパワーが加わり、パワーゾーンを算出可能です。Apple Watchでサイクリングワークアウトを開始すると、ペアリングされたiPhoneでもライブアクティビティを確認可能。心拍数範囲や高度、パワーゾーン、現在の速度や最高速度、距離などが大きく表示されます。
tvOS 17/エンタメ以外も強化され、家族で楽しむデバイスに!
tvOS 17では、「FaceTime」アプリの搭載や、iPhone/iPadを使ったカメラ連係機能への対応など、待望の新機能が多数搭載されます。今回のアップデートにより、テレビをエンタメ用デバイスとしてだけでなく、まるでMacやiPadを扱うかのように多くの用途で利用できるようになりました。
対応モデル
- ◦Apple TV HD
- ◦Apple TV 4K(第1〜4世代)
【注目機能1】コントロールセンター再設計でスムースなアクセスを実現
コントロールセンターが再設計され、時刻やユーザ情報がよりわかりやすく表示されます。また、AirPodsの利用設定やシステムコントロールでの各種設定、機能切り替えなどの操作も直感的に行えます。各種機能にアクセスしやすく、iOSのコントロールセンターを使うときのように直感的に操作できます。
【注目機能2】「FaceTime」アプリでテレビを使ってビデオ通話
Apple TV 4Kで「FaceTime」アプリを利用できるようになりました。Apple TVで「FaceTime」アプリを選択するほか、iPhoneやiPadで開始した通話をApple TVに引き継ぐことでも通話を開始できます。なお、Apple TVでの「FaceTime」利用時は、連係カメラ機能でiPhoneやiPadをカメラおよびマイクとして利用可能。このときにセンターフレーム機能を利用でき、部屋にいる全員が常にフレーム内に収まるように画角を自動調整してくれます。また、今年後半には「Zoom」や「Cisco Webex」アプリも提供される予定です。
【注目機能3】Split Viewへの対応で同時に通話とSharePlay
tvOS 17では、Split Viewに対応。たとえば、「FaceTime」アプリでSharePlayを利用するシーンでは、FaceTimeのビデオ画面とコンテンツの画面を分割することで、相手と顔を合わせながらコンテンツ視聴が楽しめます。
文●井上晃、小枝祐基
※この記事は『Mac Fan』2023年8月号に掲載されたものを再構成・編集したものです。