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“どこでもデュアルディスプレイ”。超軽量「VAIO Vision+ 14」レビュー。付属カバースタンドで、ノートパソコンと“上下2画面”も構築できるぞ

著者: 早川厚志

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“どこでもデュアルディスプレイ”。超軽量「VAIO Vision+ 14」レビュー。付属カバースタンドで、ノートパソコンと“上下2画面”も構築できるぞ

作業効率を上げるならマルチディスプレイ環境は必須。ただ、持ち出すのは重たい…

筆者は普段、自宅ではMacBook Proをクラムシェルモード(リッドクローズドモード)で使用し、2台の外部ディスプレイを並べたマルチディスプレイ環境で作業しています。サブディスプレイに資料を表示しながら、メインディスプレイで作業できるのはとても快適です。

しかし、カフェや喫茶店ではスペースの都合上、MacBook Pro単体で作業せざるを得ません。マルチディスプレイの快適さに慣れてしまった身には、やはり効率が落ちるのを実感します。

一方、もう少し広い作業スペースを確保できるコワーキングスペースや、筆者が“移動オフィス”として利用している愛車「キャンパーアルトピアーノ」の車内で作業する際は、12.9インチiPad Pro(第5世代)を使っています。そう、iPad Proを「Sidecar」でMacBook Proの拡張ディスプレイとして活用するのです。

ただし、SidecarはMacのスリープ解除時に自動で再接続されなかったり、iPadのバッテリ消耗が早かったりと、意外とストレスを感じることも。

なにより、その重量が課題です。iPad Proとスタンド付きカバーを含めると約1.3kg。さらに、14インチMacBook Pro(1.6kg)と合わせると、合計約3kgにもなってしまいます。

実測値わずか314g! ポータブルディスプレイ「VAIO Vision+ 14」

そんなとき、14インチのポータブルディスプレイ「VAIO Vision+ 14」(以下、VAIO Vision+)を試す機会を得ました。この製品の最大の魅力は本体重量が実測値314gという圧倒的な軽さです。

はじめて手にしたときに思わず「軽っ!」と声が出てしまったほどです(決して大げさではなく、本当に驚きました)。

付属のカバースタンドを含めても実測値749gしかありません。MacBook Proと一緒にバッグに入れても十分運べる重さとだと思います。

VAIO Vision+ 14の重さは、カバースタンドを含めても実測値749g。12.9インチiPad Proとカバーの重さ約1.3kgと比較しても軽いです。MacBook Proと一緒に外出先に持ち運べます。

MacBookとUSB-Cケーブル1本で接続!

車内での作業時、シートを向かい合わせに配置し、中央にテーブルを設置した状態で、VAIO Vision+を試しました。MacBookとの接続は、USB-Cケーブル1本をつなぐだけと手順は簡単です。

VAIO Vision+は、MacBookからの給電で動作します。その点、消費電力が約4Wと低めなのはうれしいところ。

MacBook ProとVAIO Vision+を付属のUSB-Cケーブルでつなぐだけで、手軽にマルチディスプレイ環境を構築できます。

また、VAIO Vision+の本体側面にはUSB-Cポートが2つあり、USB Power Delivery対応のバススルー充電が可能です。

「AC充電アダプタ→VAIO Vision+→MacBook Pro」と接続することで、MacBook Proを充電しながらVAIO Vision+を使用できます。限られたMacのUSB-Cポートをふさぐことなくマルチディスプレイ環境を構築できるのです。

なお、出力は最大60W。たとえ100W出力対応のUSB-C充電器を使用しても、MacBook Proには最大60Wでしか給電されません。そのため、純正の96W充電アダプタから直接つないだときと比べて充電時間がかかる点には留意しましょう

本体側面には、最大60W出力2つのUSB-Cポートを搭載。

VAIO Vision+を14インチMacBook Proで使う。解像度を変更するとよりスムースです

ディスプレイの仕様としては、最大解像度は1920×1200ドット(WUXGA)、アスペクト比は16:10。

VAIO Vision+の画面は、光の映り込みが少ないアンチグレア仕様。蛍光灯などの映り込みも少ないため、オフィスやカフェなどでも快適に作業できるでしょう。

日差しが窓から差し込んでいても快適に作業できるのは、キャンピングカーの車内で作業することが多い筆者にとってはうれしいポイントです。

なお、VAIO Vision+にはスピーカは搭載されていません。といっても、原稿作成などの作業メインで使う筆者にとってはさほど問題ではありませんでした。

同じ14インチでもMacBook Proのデフォルトのスケーリング解像度(疑似解像度)は1512×982ドット(最大解像度は3024×1964)です。それに対してVAIO Vision+のデフォルトのスケーリング解像度は960×600ドット。

2つの画面のサイズ感が大きく異なるため、そのまま使うと、マウスカーソルが画面の端で引っかかったり、ウインドウをドラッグしたときに使いにくいのです。

それを解決するために、MacBook Proを1352×878ドット、VAIO Vision+を1344×840ドットに設定したところ、両画面のサイズ感がほぼ一致。スムースな作業が可能になりました。

ディスプレイの配置は、上図のようにMacBook Proの「システム設定」の[ディスプレイ]項目から設定できます。MacBook Proを1352×878ドット、VAIO Vision+を1344×840ドットに設定すると、両画面のサイズ感がほぼ一致します。
2つの画面のサイズ感がそろっていると、ウインドウをドラッグしたときにスムースです。また、コーナーでのマウスカーソルの引っかかりもありません。

背面スタンドと付属カバーで“変形”! MacBookと“上下2画面”も思いのまま

本体背面には、約130度の角度まで調整できるスタンドが備わっています。作業姿勢や周囲の明るさ、さらには横に並べたMacBook Proの画面角度に合わせて最適なポジションに調整可能です。

背面スタンドは、無段階に調整可能。Macの画面の角度に合わせて調整できます。

その背面スタンドを付属のカバースタンドに挟みこんでタテ置きすると、MacBook Proの画面の上にVAIO Vision+を配置できます。「上下2画面」のマルチディスプレイ環境を構築できる点も大きな特徴です。

カバースタンドをこのように折り込んで(マグネット付きなので簡単です)、VAIO Vision+の背面スタンドを差し込みます。
正面から見ると、このように配置できました。

カバースタンドを使用すると、後ろ側はこのようなスタンドが完成します。

実際に、喫茶店の1〜2人用テーブルで試したところ、MacBook Proの底面積に加え、カバースタンドの奥行き分(約17cm)があれば、上下2画面のマルチディスプレイ環境を構築できることがわかりました(ただし、周囲の視線を集める可能性があり、周りに気を配る必要はありますが…)。

喫茶店の狭い2人用テーブルでも、このように上下2画面を並べたマルチディスプレイ環境を構築できます。
MacBookの奥側を少し高くして角度をつけるスタンドを使うことで、2つのディスプレイがすき間なく上下に並びました。

初体験の“上下2画面”。視線移動がスムースで、首や目への負担が少ないかも!

「上下2画面」のマルチディスプレイ環境は、筆者にとって初めての体験でした。上のVAIO Vision+にPDFの資料やWebページを表示し、下のMacBook Proで作業したところ、ディスプレイを左右に並べた場合よりも視線の移動がスムースになり、首への負担が軽減されたように感じます。

特に、長時間の作業でも明らかに疲れにくく、自宅のディスプレイも上下2画面に変更したくなるほど快適でした。

「上下2画面」のマルチディスプレイ環境にするには、上図のように「システム設定」の[ディスプレイ]にある[配置…]ボタンで開く画面で、2つのディスプレイを上下に配置します。

ちなみに、ディスプレイの配置は、「システム設定」→[ディスプレイ]→[配置]で設定できます。さらにApp Storeで入手できる無料アプリ「ScreenPosition」を使うとよりスムースになるのでおすすめです。

ScreenPosition

【開発】
Rikiya Kubo
【価格】
無料
メニューバー上に「ScreenPosition」を常駐させておけば、ワンクリックでディスプレイの配置を変更できます。

マグネットのカバーで持ち運びも楽チン!

カバースタンドには、マグネットが内蔵されています。スタンドとして使用するときは、パタッとしっかり固定されるため安定感は抜群です。また、持ち運び時には、カバーとして本体を傷や衝撃から守る役割も果たします。

マグネットでしっかり閉じるので不意にカバーが開いたり本体が落下したりする心配はなさそうです。

カバーの内側は、傷が付きにくいスエード調素材となっています。
カバースタンドとあわせても薄いので、カバンにもすんなり入ります。

VAIO Vision+があればどこでも作業が開始できる。最適解の一台です

長時間試した感想としては、とにかくVAIO Vision+の軽さと携帯性に圧倒されました。のみならず、上下2画面のマルチディスプレイ環境を構築できるという新たな体験をもたらしてくれました。カフェやコワーキングスペースでの作業が多い筆者にとって、これは大きな魅力です。

iPad ProをSidecarで利用する手もありますが、バッテリ消耗や自動再接続の不安定さ、重量の負担を考えると、VAIO Vision+を選ぶほうが現実的だと感じました。

今後、外出先での作業環境をより快適にするために、VAIO Vision+は間違いなく筆者の選択肢のひとつになりそうです。

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著者プロフィール

早川厚志

早川厚志

フリーライター兼フォトグラファー。Mac用ソフトの新着情報Webサイト「新しもの好きのダウンロード」を27年間運営しており、Macに入っているソフトは1000本以上。

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