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【先行レビュー】Beatsの新イヤフォン「Powerbeats Pro 2」は心拍センサを搭載。最高峰のサウンドとノイズキャンセリング性能をさっそくチェック!

著者: 関口大起

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【先行レビュー】Beatsの新イヤフォン「Powerbeats Pro 2」は心拍センサを搭載。最高峰のサウンドとノイズキャンセリング性能をさっそくチェック!

Powerbeats Pro 2を先行レビューする。

AppleファミリーのオーディオブランドBeatsから、新たなワイヤレスイヤフォンが登場した。その名も「Powerbeats Pro 2」。アスリートから愛されるベストセラーシリーズ「Powerbeats」の最新モデルだ。

同シリーズの新製品は、2019年に発売されたPowerbeats Pro以来、約6年ぶり。長い期間をかけて、「心拍センサの搭載」「Apple H2チップの採用」「アクティブ・ノイズキャンセリング機能の搭載」など、大幅なアップグレードを果たしている。

上部左から、ハイパーパープル、クイックサンド、エレクトリックオレンジ、ジェットブラック。4色のラインアップで登場した。価格は3万9800円。2025年2月13日より、Apple Storeオンラインなどで発売開始される。

本記事では、発売前のブリーフィング、および実際に製品を数日間試した使用感をもとに、Powerbeats Pro 2をレビューしていく。

「Powerbeats Pro 2」。両耳に心拍センサを備え、ワークアウトを強力にサポート

Powerbeats Pro 2は、左右のイヤフォンそれぞれに心拍センサを搭載した。LED光学センサが毎秒100 回以上のパルスを発し、血流を測定。Apple純正の「ヘルスケア」アプリでデータをリアルタイムに確認できる。さらに、「Nike Run Club」「Slopes」「YaoYao–ジャンプロープ」といったサードパーティアプリとも連係する。

「Nike Run Club」:スポーツブランド「Nike」が提供するアプリ。走行距離の記録などができる。
「Slopes」:スキーやスノボーの滑走データを記録できるアプリ。雪山の3Dマップの確認も可能。
「YaoYao–ジャンプロープ」:縄跳びの記録アプリ。飛んだ回数のカウントやカロリー計算に対応する。

左右のイヤフォン本体に心拍センサを搭載している。

Powerbeats Pro 2を装着して運動を始めると、センサが自動でそれを検出して心拍計測をスタート。利用時にわざわざ操作する必要がないので、体験は極めてスムースだった。

iPhoneの「ヘルスケア」アプリのキャプチャ。リアルタイムに心拍数が記録されていく。
IPX4等級の耐汗耐水性能を備えている。激しいワークアウト時も気にせず使用可能だ。

心拍センサの使い方

Powerbeats Pro 2は自動で心拍を計測する。「設定」アプリ内に、“仕組み”を解説するページがあるので見てみよう。

Powerbeats Pro 2をiPhoneに接続すると、「設定」アプリに項目が表示される。
タップすれば、Powerbeats Pro 2の詳細設定にアクセス可能だ。
設定画面の中ほどに、[仕組みを確認する]ボタンがある。
心拍センサを利用するにあたってのポイントがいくつか解説される。精度を高めるためにも、Powerbeats Pro 2は耳にしっかりと装着しよう。
AirPodsシリーズなどと同じく、対応するフィットネス機器にBluetooth接続することもできる。

着け心地を追求した、しなやかなイヤフックと5種類のイヤチップ

Powerbeatsシリーズは、外耳に引っ掛けて使うイヤフックが特徴的だ。Powerbeats Pro 2のイヤフックは、約1000名のアスリートを対象に実施したテスト結果をもとに再設計されたという。

高い柔軟性とグリップ感、快適性を追求し、ニッケルチタン合金を採用。前モデルと比べると20%軽量化しており、サイズもひと回り小さくなった。

左がPowerbeats Pro。右がPowerbeats Pro 2。デザインも刷新されているが、コンパクトさが目立つ。

実際に装着してみると、かなりの“固定感”がある。頭を振ってもズレず、耳や鼻のような“顔のパーツの1つ”といいたくなるほどだった。

カナル型でウィングチップを備える「Beats Fit Pro」も、安定感に優れたモデルだ。しかし長時間使っていると耳穴からズレ、落ちそうになったこともある。一方、Powerbeats Pro 2の試用期間中にそれを感じることはなかった。

Powerbeats Pro 2は、イヤフックを耳に引っ掛けるようにして装着する。圧倒的な安定感で、激しいスポーツにも持ってこいだ。
イヤチップは、Beatsブランドで初となる5サイズが付属する。

イヤチップ装着状態テストの手順

Powerbeats Pro 2は、「イヤーチップ装着状態テスト」が利用できる。手順は、AirPods ProシリーズやBeats Fit Proで行う場合と同じだ。付属する5つのイヤチップから、自分に最適なサイズを選んでみよう。

「設定」アプリでPowerbeats Pro 2の設定画面を開く。続いて[イヤーチップ装着状態テスト]をタップしよう。
最適なサイズのイヤチップを使うことで、製品が持つオーディオ品質とノイズキャンセリング性能を引き出せる。
Powerbeats Pro 2を装着後、画面下部の再生ボタンをタップ。すると、すぐにテストがスタートする。
数秒で結果が出る。「密閉されています」と表示されたら問題ない。
きちんと装着できていないかチップのサイズが合っていないと、アラートが表示される。その場合、装着し直して再テストするかイヤチップを変更しよう。

Apple H2チップによる、Powerbeats Pro 2の“なめらか”なノイズキャンセリング

Powerbeats Pro 2は、AppleのH2チップを搭載した。H2チップは、アクティブノイズキャンセリングや空間オーディオを処理する、いわばこのイヤフォンの頭脳だ。ちなみに、AirPods Pro(第2世代)にも採用されている。

Beatsによると、AppleのAirPods開発チームと連係して作られたPowerbeats Pro 2は、“Apple製品らしい”仕上がりだという。筆者はその“らしさ”を、モード切り替えときの“なめらかさ”に強く感じた。

ノイズキャンセリングは、今や一般化した機能だ。ただ、製品によって精度は大きく異なる。ノイズをしっかり消せるか、というところもポイントだが、個人的には、外部音取り込みに切り替えたときの違和感が気になる。

その点、Powerbeats Pro 2のモード切り替えは極めてナチュラルだった。ありがちな、不快な風切り音といった不要なノイズがない。スーッと外界に接続する感覚だ。

「b」ボタンの長押しで、ノイズキャンセリングと外部音取り込みを切り替える。

なお、Powerbeats Pro 2のノイズ処理能力は、Apple製品との接続時に最大限引き出されるという。Mac、iPhone、iPadのNeural Engineにより、処理能力は他社製のデバイスと接続したときの最大10倍になるとか。

AirPodsの開発チームとの協力は、Appleの知見がBeats製品に活かされるということでもある。Beatsは今後、Appleが蓄積したデータはもちろん、Apple Intelligenceの活用も考えているそうだ。

空間オーディオに対応。Powerbeats Pro 2は、サウンド面も抜かりない

Powerbeats Pro 2のサウンドは、バランス感に優れた印象だ。

Beatsらしい低音の重厚感が心地いい。同時に、ボーカルと楽器類がそれぞれ粒立ち、独立した音として耳に入ってくる。ワークアウト時に聴きたくなるような、アップテンポな曲と相性がいいだろう。同時に、バラードを聴いたときの没入感もある。

優れた音質とノイズキャンセリング性能が、ワークアウトへの集中力をサポート。

強力なノイズキャンセリング機能により、電車移動中も、外をランニングしている間も、しっかり音楽を楽しめた。さらに、パーソナライズされた空間オーディオ、ダイナミックヘッドトラッキングへの対応も注目したい。

Powerbeats Pro 2は、アスリートともに開発されたイヤフォンだ。しかし、決して“ワークアウト専用機”というわけではない。優れた音質や没入感によって、映像コンテンツを楽しむ用途にも活躍するだろう。

最大45時間のタフなバッテリ。そして加速度センサと高性能マイクは、日常使いにも効く

Powerbeats Pro 2のバッテリは、イヤフォン単体で最大10時間。充電ケースの併用で、最大45時間持続する。さらに、たった5分の充電で最大1.5時間利用できる高速チャージ性能も頼もしい。Beatsによると、この電力効率にもH2チップが寄与しているという。

充電ケースは、Qi規格のワイヤレスチャージに対応した。

また、左右のイヤパッドに強化された加速度センサと高性能マイクを3つずつ搭載した。ハンズフリー通話中の「声を分離」機能の精度を、より一層高めてくれる。

Powerbeats Pro 2はbボタンのほか、音量調節ボタンも備える。装着時の操作性も高い。
4つのカラーバリエーションで登場。パッケージは、再生素材の木材繊維を100%使用している。

Powerbeats Pro 2が追及した“アスリート向けの進化”は、一般ユーザのタウンユースにおいても恩恵がある。そのため、幅広いユーザにおすすめできるモデルだと思う。特にイヤフックによる安定感は、イヤフォンを落下させて紛失した経験がある人には刺さりそうだ。

また個人的には、レブロン・ジェームス、リオネル・メッシ、大谷翔平といったスポーツ界のスーパースターたちと“おそろい”ができるのも魅力に感じる。

彼らが躍動するスペシャル動画は、Beatsの公式YouTubeチャンネルで公開中。痺れるかっこよさなので、ぜひご覧いただきたい。

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著者プロフィール

関口大起

関口大起

『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_

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