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Wi-Fi 7対応ルータ「Archer BE450」レビュー。 メッシュ構築も可能なルータで大満足の通信環境へ!

著者: 村上タクタ

Wi-Fi 7対応ルータ「Archer BE450」レビュー。 メッシュ構築も可能なルータで大満足の通信環境へ!

新しいiPhoneもルータが古ければ宝の持ち腐れ

突然ですが、皆さんのご自宅のWi-Fiはどのぐらいの速度が出るでしょうか? ビデオ会議をしたり、仕事に使ったりするなら、最低50Mbps、可能なら100Mbpsは欲しいところ。ストリーミング環境で4Kの映画を見たり、ゲームをしたりするならもっと回線速度が欲しくなります。

多くのご家庭の光回線の公称は2Gbpsだと思いますが、実用値としては1Gbps出ていれば大満足というところ。10Gbpsの契約をされてる方もいらっしゃるかもしれませんが、デバイス側も10GB Ethernetに対応しなければならないなど、まだ敷居が高いですよね。

iPhoneMacの新型を買っても、Wi-Fiの通信速度が遅ければ宝の持ち腐れ。しかし、デバイスと違って、インフラ側の投資は遅れがち。何年も前のWi-Fiルータや、回線業者から渡されたWi-Fiを使っている人も多いのではないでしょうか? かくいう筆者も、オフィスを兼ねる自宅ではまだWi-Fi5のメッシュルータを愛用中。

ところでiPhone 16シリーズは、ついにWi-Fi7に対応しました。ここで、Wi-FiルータもWi-Fi7に対応しておけば、今後発売されるであろうMacやiPadなども高速通信で快適に使えるでしょう。

「Archer BE450」Wi-Fi 7に対応。通信をフルに引き出せます

というわけで、今回試したのはTP-LinkのWi-Fi7ルータ「Archer BE450」です。

【サイズ】176(W)×200(H)×59(D)mm
【主なスペック】重量:約1.13kg(実測)/有線ポート:10Gbps WAN/LAN×1、2.5Gbps WAN/LAN×1、1Gbps LAN×3/USB対応:USB 3.0×1/対応フォーマット:NTFS、exFAT、HFS+、FAT32
【製品貸与】TP-Link

5GHz帯と2.4GHz帯のデュアルバンド対応、さらにMLO(マルチリンクオペレーション)で両者を同時に使うことができます。販売価格2万800円と比較的リーズナブルな製品ですが、非常に高性能。また、本機を複数台使えばメッシュWi-Fiも構築可能です。

今回は、3台の「Archer BE450」をお借りして、光回線を引いてある2階のワークスペース、1階のリビングルームに加え、その下にあるガレージでメッシュWi-Fiを構築し、それぞれで速度を計測しました。

今や家中どこにいてもWi-Fiを利用したいもの。iPadで勉強する子どもの部屋や離れた部屋までは電波が届かないというケースも多いと思います。Wi-Fi7対応のデバイスはまだ少ないですが、メッシュを構築すれば「Archer BE450」同士にWi-Fi7の高速通信が活用され、家中どこでも安定した高速ネットワーク環境を利用できるようになります。

地下のガレージでも180Mbpsの速度! YouTubeの配信もできそう

次にリビングルーム。メッシュを介したこちらでも、550Mbpsが出ました。リビングルームではApple TVで映画を観たり、ソファに座ってVision Proを使ったりするので、この速度向上はありがたいです。

リビングに設置した「Archer BE450」経由で接続しても520Gbpsをマークしてくれました。メッシュ接続は、自動的に接続先が切り替わり、その場所でもっとも速く通信できるルータを使ってくれます。リビングではVision Proを使うことが多いので、この速度は頼もしい!

さらに、コンクリートに遮られた地下のガレージでも180Mbpsの速度が出たのも素晴らしい。最近、ガレージを片づけて趣味の城にしようと目論んでいるのですが、この速度が出たら、ガレージからYouTubeの配信もできて楽しそうです。

地中に埋まったコンクリートの部屋であるガレージでも180Gbpsの速度を発揮しました。実はこれまでは22Mbpsしか出ておらず、このガレージでネットを使うのは少々困難だと諦めていたのですが、これはうれしい速度です!

iPhone 16 Proでテスト。回線が混んでいる時間でも1Gbpsを発揮!

では、Wi-Fi 7に対応するiPhone 16 Proを使ってテストしていきましょう。まずは光回線が引いてある2階のオフィス。ここでは、やすやすと1Gbpsを叩き出してくれました。これは、光回線や、LANケーブルなど、我が家の現状の環境ではほぼ上限値だと思います。

素晴らしいのが、昼や夕方の回線が混んでいる時間でも1Gbpsを出せたこと。従来使っていたWi-Fi 5のルータだと、深夜なら600〜700Mbps出せても、昼や夕方のネットワークが混雑する時間帯には300Mbpsぐらいにまで速度が低下していました。

直接光回線のモデムに接続したワークスペースでは、ネットの混んでいる昼間でも楽々と1Gbpsをマークしてくれました。これだけの速度が出ると、ビデオ会議でも、ゲームでも何でも来い。これ以上を望むなら、家の回線を10Gbps契約にする必要があります。

Wi-Fi 7は、マンションや住宅地など、周囲の回線が混んでいる状況でもつながりやすく、多くのデバイスを接続しても速度低下が少ないなど、利用するメリットは通信速度の向上だけではありません。

「Archer BE450」は高性能なので、ワンルームマンションなどでは1台で十分ですが、部屋が多い場合は複数台を使ってメッシュ環境を構築するのがいいでしょう。複数台の購入は、リーズナブルな価格だからこそできることです。

ところで、Wi-Fiルータは通信を担うデバイスなのでセキュリティ面が気になりますよね。「Archer BE450」には、「TP-Link HomeShield」という機能が搭載されているのでご安心を。これは、家族やネットワークを守る機能で、たとえば、怪しいサイトをブロックしたり、子どものネットワーク利用時間を管理したりすることができます。

さらに、最新の暗号化技術である「WPA3」にも対応しているので、より安全にWi-Fiが使えるのもうれしいポイント。IoT機器用の専用ネットワークも作れるので、スマート家電も安心して使えます。

コストパフォーマンスの高さを含め、抜群の速度と安心感があり、おすすめできる製品だと思います。

搭載ポートは、10Gと2.5GのWAN/LANと、3つのLANポートを備えます。USB 3.0ポートにHHDやSSDを接続しておけば、ほかのデバイスがネット経由でルータにアクセスすることが可能です。
「Archer BE450」は、専用アプリの「Tether」で、通信状況やメッシュWi-Fiを管理可能。それぞれのデバイスの通信量なども管理できます。
Tether」アプリを使いこなせば、さらにさまざまな設定が可能です。たとえば、子どものデバイスの使用時間を制限したり、ローカル接続できずインターネット接続のみ可能なゲストネットワークも構築可能。また、別途契約すれば「Security+」というサービスも利用可能です。

TP-Link Tether

【開発】
TP-Link Systems Inc.
【価格】
無料

※この記事は『Mac Fan』2025年3月号に掲載されたものです。

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著者プロフィール

村上タクタ

村上タクタ

Webメディア編集長兼フリーライター。出版社に30年以上勤め、バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴ飼育…と、600冊以上の本を編集。2010年にテック系メディア「ThunderVolt」を創刊。

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