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Beats Solo 4を1カ月使い込みレビュー! オーディオブランドらしいこだわりとコスパを両立した本格派ヘッドフォン

著者: 山本敦

Beats Solo 4を1カ月使い込みレビュー! オーディオブランドらしいこだわりとコスパを両立した本格派ヘッドフォン

Beats Solo 4

【発売】
Apple
【価格】
3万2800円

【URL】https://www.beatsbydre.com/jp/headphones/solo4-wireless

【サイズ】158(W)×177(H)×68(D)mm

【重量】217g

【SPEC】ドライバ:40ミリ口径 ダイナミック型、Bluetooth互換性:Bluetooth 5.3、Bluetoothオーディオ:AAC/SBC、バッテリ:最大50時間の再生時間、カラー:マットブラック・スレートブルー・クラウドピンク

【製品貸与】Apple

Beatsの人気ヘッドフォンシリーズ「Solo」が進化

遡ること2009年に誕生した「Beats Solo」シリーズは、オンイヤスタイルのワイヤレスヘッドフォンです。その最新モデルであるSolo 4は、音質や装着感を高めつつ、新機能も投入しながらトータルの使い勝手が進化していました。

同ブランドのBeats Studio Proを含め、昨今のワイヤレスヘッドフォンの多くは、不要な騒音を電気的処理で消すアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載しています。Solo 4はノイズキャンセリングは非搭載ですが、イヤクッションを耳に密着させるオンイヤスタイルによって高い遮音効果が得られるうえ軽くコンパクト。そのため、快適な音楽リスニング環境をどこにでも持ち出せるポータブルヘッドフォンとして、歴代のSoloシリーズと同じく多くのファンに愛されるでしょう。

ヘッドバンドにヘアライン処理を施した美しいアルミニウムを採用。シリーズの「4世代目」であることがわかるナンバリングもクールです。

Solo 4の音質向上に大きく貢献しているのが、カスタム設計による40ミリ口径のトランスデューサです。Beatsのエンジニアは近年制作されている数多くの音楽作品をリファレンスとして何度もチューニングを重ねながら、あらゆるジャンルの音楽再生にフィットするサウンドを目指したといいます。

たしかに、Solo 4のサウンドは一新されていました。力強く切れ味に富んでおり、ボーカルの声や楽器の音色が耳の奥までダイレクトに届くような鮮度の高さと力強さは圧巻です。

かつてBeatsのオーディオの代名詞だった「分厚い低音域」は、BeatsがApple傘下のブランドになってから年々進化を遂げて変化してきました。Solo 4の低音域はむやみに量感を主張するタイプではなく、あらゆるジャンルの音楽再生を足もとからどっしりと支えます。

Beatsらしいオーディオブランドとしてのこだわり

iPhoneやiPadなど、AppleデバイスにSolo 4をペアリングすると、パーソナライズされた空間オーディオや、Solo 4が内蔵するジャイロスコープと加速度センサを使ったダイナミックヘッドトラッキングも楽しめます。

また、筆者はSolo 4がロスレスオーディオ再生に対応しているというところにも強く惹かれました。パッケージに同梱されるUSB−Cケーブル、あるいは3.5mmケーブルでiPhoneやMac、Androidスマホなどに接続すると、Apple Musicやアマゾンミュージックで配信されているロスレス品質の楽曲再生がより真に迫ります。

Solo 4は、USB-CケーブルでiPhoneやMacに接続すると、最大48kHz/24bitまでのロスレスオーディオ再生に対応します。Apple Musicのサウンドもよりいい音に。

なお、Solo 4が対応するロスレス音質は最大48kHz/24bitまでです。ロスレス再生はまだAppleのエアポッズシリーズも搭載していないので、この機能を載せたところにオーディオブランドであるBeatsのこだわりを強く感じました。

Solo 4を3.5mmオーディオケーブルでMacなどのデバイスに接続すると、ヘッドフォンをオフのままバッテリを消費することなくオーディオ再生に使えます。ただし、この場合はマイクが使えなくなるので要注意。

さらに、ハンズフリー通話の音質も大きく改善されています。本体には高精度なビームフォーミングマイクを内蔵。さまざまなノイズのデータを元に7000時間を超える機械学習を重ねながら、Beatsが独自に開発した消音アルゴリズムを組み合わせ、賑やかな場所でも「話者の声」だけをクリアにピックアップします。

その点、Solo 4はビジネスにも広く活用できるコミュニケーションデバイスといえるでしょう。

ノイズキャンセリング非搭載ながら快適な遮音性を実現

本製品の機能面についてレポートするため、Solo 4を借りてから約1カ月間さまざまな場所で試しました。

先述したとおり本機はノイズキャンセリング機能を搭載していませんが、柔らかく耐久性能にも優れたUltraPlushイヤクッションが耳の形に沿ってフィットすることで、無理のない「自然な」遮音効果が得られます。長時間使い続けても音楽や映画などエンターテインメントコンテンツの鑑賞や、オンラインミーティングの最中も集中が途切れません。

Solo 4は、柔らかなUltraPlushイヤクッションを耳にあてて装着するオンイヤスタイルのヘッドフォンです。アクティブ・ノイズキャンセリングがなくても高い遮音性能が得られます。
パッケージに付属する専用ケース。中には同じく付属のUSB/3.5mmケーブルを収納できるポケットも用意されています。非常にコンパクトになるので、空の旅にもかさばりません。

また、本体の質量が217グラムと軽く、装着すると頭にしっかりフィットするので、ジムなど室内で身体を動かすワークアウトのときにもSolo 4が活躍しました。

さらにSolo 4は本体を小さく折りたためる立体フォールディング機構を採用しているので、飛行機による旅の心強いパートナーにもなります。ポケット付きのキャリングケースにケーブルなどをまとめて持ち運べるため、機内エンターテインメントに接続し、映画鑑賞もスムースに楽しめました。

AirPodsシリーズに肩を並べるコスパ良好な本格派

Beatsのヘッドフォン・イヤフォンは、AppleのAirPodsシリーズに肩を並べるほど多彩な機能を詰め込みながら、より手頃な価格で買って試せるところに大きな魅力があると筆者は思います。

エアポッズシリーズはブルートゥースの自動ペアリングや遠隔探索の機能がAppleデバイスだけに対応しています。しかし、Solo 4はこういった基本的な便利機能をAndroidデバイスでも使えるので、スマホを“2台持ち”している方にもおすすめです。原音に忠実なサウンドにこだわった本格派ヘッドフォンのSolo 4を、ぜひ多くの音楽ファンにも試してもらいたいです。

Beats独自開発のプラットフォームを搭載するSolo 4は、AppleデバイスだけでなくAndroidスマホとも好相性。自動ペアリングやデバイスを探す機能などが充実しています。

※この記事は『Mac Fan』2024年7月号に掲載されたものです。

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著者プロフィール

山本敦

山本敦

オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。ITからオーディオ・ビジュアルまでスマート・エレクトロニクスの領域を多方面に幅広くカバーする。最先端の機器やサービスには自ら体当たりしながら触れて、魅力をわかりやすく伝えることがモットー。特にポータブルオーディオ製品には毎年300を超える新製品を試している。英語・仏語を活かし、海外のイベントにも年間多数取材。IT関連の商品企画・開発者へのインタビューもこなす。

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