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世界初のThunderbolt 5対応ポータブルSSD「Envoy Ultra」レビュー/Macの内蔵SSDに匹敵する爆速性能!

著者: 栗原亮

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世界初のThunderbolt 5対応ポータブルSSD「Envoy Ultra」レビュー/Macの内蔵SSDに匹敵する爆速性能!

OWCから発売された「Envoy Ultra」は、世界初のThunderbolt 5対応ポータブル外付けSSDです。

ストレージ容量とアマゾンOWC直営公式ストアでの販売価格は、2TBモデルが6万3790円前後、4TBモデルが9万8990円前後で、今回は2TBモデルを検証しました。

Thunderbolt 5対応の最強ポータブルSSD登場!

Thunderbolt 5は、従来のThunderbolt 4/USB4と比較して帯域幅が2倍に高速化されており、PAM-3エンコーディング技術を採用したUSB4 Version 2.0と同様に、最大80Gbpsの双方向通信(40Gbps×4レーン)を実現しています。

また、給電能力は従来の最大140Wから240Wに引き上げられ、デュアル8Kディスプレイ出力にも対応する最新規格です。

Envoy Ultraの公称転送速度は6000MB/秒で、これはThunderbolt 4の理論上の最大転送速度である40Gbps(5000MB/秒)を上回る数値となっており、とても期待が持てます。

インターフェイスは従来どおりUSB Type-Cコネクタを採用しているため、MacやiPad Proなどの対応モデルで接続可能です。

ただし、Thunderbolt 5の性能を最大限に発揮できるのは、現行モデルでは2024年10月に発売されたM4 ProおよびM4 Maxチップを搭載した16インチMacBook ProとM4 Pro搭載Mac miniに限られます。

対応デバイスや周辺機器の普及は今後となりますが、Thunderbolt 5対応製品の実力をいち早く体感したいユーザにとって、Envoy Ultraは魅力的な製品と言えるでしょう。

Envoy Ultraの本体サイズは75(W) x 20(H) x 130(D)mmで、重さは327.2gとポータブルサイズ。防水、防塵、耐衝撃仕様の筐体はアルミ合金製で放熱性に優れ、ファンレス駆動を可能としています。
[URL]https://www.owcasia.jp/external-storage/owc-envoy-ultra
USB-Cケーブルは本体一体型で取り外しはできません。コネクタ部分にThunderbolt 5対応を示す「5」が刻印されています。本体は外部電源が不要なバスパワー駆動に対応しています。

カタログスペック超えの6GB/秒をマーク

外付けSSDを初めてMacで利用する場合、通常は「ディスクユーティリティ」を起動し、フォーマットをGUIDパーティションマップに変更してAPFS(Apple File System)に変換する必要があります。

しかし、Envoy Ultraでは、接続時に表示されるユーティリティソフトから簡単にAPFSボリュームとしてセットアップできる点が好印象です。

ストレージの性能を確認するため、「Blackmagic Disk Speed Test」を使用したところ、書き込みが5197.8MB/秒、読み出しが5187.0MB/秒と、ほぼカタログスペックどおりのパフォーマンスを記録しました。また、同ソフトの指標から、8K/60fpsの動画の読み書きもスムースに行えることが確認できました。

さらに、より詳細なスコアを測定できる「AmorphousDiskMark」を用いて計測した結果、シーケンシャル(連続したデータ転送)の書き込みが5020.13MB/秒、読み出しが6436.0MB/秒と、カタログスペックを超えるパフォーマンスを記録しました。

一方、OSの操作やWebブラウジングなど、不規則なデータの読み書きを測定するランダム性能では、書き込みが97.72MB/秒、読み出しが655.67MB/秒とやや控えめな数値となりましたが、実用においては外付けSSDであることを感じさせない快適さでした。

また、参考のために検証で使用した16インチMacBook Proの内蔵ストレージと比較すると、シーケンシャル性能では、書き込みで約72%、読み出しで約96%、ランダム性能では、書き込みで約48%、読み出しで約60%のスコアとなりました。

これにより、Envoy Ultraが大容量データの高速バックアップや動画の編集作業といった用途に適していることがわかります。

なお、macOS Sequoia 15.1以降では、1GBを超えるゲームを外部ストレージにインストールできるようになったため、3Dグラフィックスを多用するゲームをMacで楽しみたいユーザーにもEnvoy Ultraはおすすめできる製品と言えるでしょう。

Envoy Ultraを接続し、セットアップ用の「OWC Drive Guide」を起動するとmacOSの環境に合わせた設定ができます。macOS 10.13 High Sierra以降の環境では単一のAPFSボリュームとして初期化されます。
【図版05キャプ】 「システム情報」を表示して[Thunderbolt/USB]の項目を確認すると、[モード]が[USB v2(Version 2.0)]、アップストリームの転送速度は[80GB/s]と表示されているのが確認できます。
「Blackmagic Disk Speed Test」で確認したところ、書き込みが5197.8 MB/秒、読み出しが5187.0 MB/秒となり、書き込みスピードはほぼカタログスペックどおりのパフォーマンスを発揮しています。
同様に「AmorphousDiskMark」でストレージ速度を検証したところ、シーケンシャルの書き込みが5020.13 MB/秒、読み出しが6436.0 MB/秒となり、大容量データの保存などに適していることが確認できました。
参考のために検証で使用した16インチMacBook Proの内蔵ストレージの性能です。

著者プロフィール

栗原亮

栗原亮

1975年東京都日野市生まれ、日本大学大学院文学研究科修士課程修了(哲学)。 出版社勤務を経て、2002年よりフリーランスの編集者兼ライターとして活動を開始。 主にApple社のMac、iPhone、iPadに関する記事を各メディアで執筆。 本誌『Mac Fan』でも「MacBook裏メニュー」「Macの媚薬」などを連載中。

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