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BenQのUSB-Cディスプレイ「MA270U」「MA320U」レビュー。Macとの相性120%の性能・操作性の高さに感動!

著者: 松山茂

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BenQのUSB-Cディスプレイ「MA270U」「MA320U」レビュー。Macとの相性120%の性能・操作性の高さに感動!

32インチの「MA320U」と13インチMacBook Airの組み合わせ。夜間の室内、蛍光灯の下という条件下でもMacBookのディスプレイと同じ色合いで拡張画面が使えています。

BenQの外部ディスプレイ「MA270U」と「MA320U」は、写真や動画の編集を行うMacユーザにピッタリ! 色温度やデザイン、機能性など、Macとの親和性が抜群です。

色の違和感から解放される外付けディスプレイを求めて。出会った「MA270U」と「MA320U」

筆者は長年、ノートタイプのMacをメインとして作業しており、効率を上げるため外部ディスプレイを併用しています。現在使っているディスプレイはUSB-Cポートにより電源供給、ビデオ信号、データ転送を1本のケーブルで実現できるので便利ではあるものの、解像度がQHD(2560×1440ピクセル)のため、Retinaディスプレイに慣れた目には粗く見えてしまいます。

おまけに、同じカラープロファイルを適用してもMacBookのディスプレイの色味と微妙に異なり、調整しても完全には一致せずフラストレーションが募るばかりでした。

特に写真の色合わせ作業が増えたことをきっかけに、作業効率を向上させるべく新しいディスプレイへの買い替えを決心しました。Apple純正の「Studio Display」が理想ですが予算的に厳しいため、代替製品を探している中で出会ったのが、BenQが「MacBookシリーズ向け」と謳うUSB-Cディスプレイです。レビュー用としてお貸し出していただけることになったので、さっそく試してみました。

今回レビューするのは27インチの「MA270U」と32インチの「MA320U」。画面サイズ以外の仕様はほぼ共通で、P3対応の広色域カバーや鮮やかな色表現に加え、MacBookでの使用を意識した便利な機能を搭載しています(ページ最下部にスペックをまとめました)。

梱包の箱にも大きく“BenQ Monitors for MacBook Series”とアピールの文字が。その実力の程を検証してみましょう。

面倒な設定は不要! ケーブル1本でつなげるだけで、Macと同じ色温度を表現

MA320UをMacBookと接続すると、そのスムースさに衝撃を受けました。今までの苦労はなんだったのかと思うほど、何の設定も必要なく、MacBook本体とほぼ同じ色合いで画面が表示されます。解像度も4Kなので、MacBookのディスプレイからディスプレイに視線を移動しても違和感がほとんどありません。

ディスプレイスタンドの取り付けは、本体背面に差し込むだけ。工具不要の手軽さがグッドです。
VESAマウント対応なので、ディスプレイアームに取り付けて使用することも可能です。

MA320Uの本体カラーは、Apple製品と調和するシルバーです。3辺が狭額縁のため、画面の境界が目立ちにくいのもうれしいポイント。さらに、ナノマットパネルを採用しており、反射や映り込みが少なく、作業環境を選ばず快適に使用できるのも特徴です。

ディスプレイのカラーはシルバー。3辺が狭額縁のため、ミッドナイトのMacBook Airと一緒に使っても違和感がありません。
窓辺で使っても、反射や写り込みが少なく使いやすいです。

USB-C、USB-A、HDMIなどポートが豊富。ヘッドフォンジャック搭載もうれしい!

操作系もシンプルで、底面にある電源ボタンと5ウェイコントローラの2つのみ。基本操作の多くをMac用ソフト「Display Pilot 2」で管理する仕様です。これにより、従来のディスプレイで感じていた煩雑な操作から解放され、作業効率が格段に上がりました。

MA320Uの底面には右から順に、5ウェイコントローラ、電源ボタン、USB 3.2 Gen1 Type-A ダウンストリームポート(データ転送および最大給電 7.5W)、ヘッドフォンジャックを搭載しています。
電源ボタンにはLEDが搭載されているので、指を当てると反射ですぐに区別がつきます。地味なことですが私的には高評価のポイント。
5ウェイコントローラでは、輝度、音量、入力、情報の4つの切り替えと操作ができます。

ポート類はディスプレイの背面にまとまっていて、一部は底面に配置しています。HDMIも2つ搭載しているので複数のPCを接続して切り替えて使うことも可能。旧モデルのMacやApple TVをつなげることもできます。

背面にはHDMI(2.0)×2、USB 3.2 Gen1 Type-A ダウンストリームポート(データ転送および最大給電 7.5W)、USB 3.2 Gen1 Type-C ダウンストリームポート(データ転送および最大給電 15W)に加え、最大90Wの電力供給とビデオ&データ転送に対応したMacBook接続用USB-Cポートを搭載しています。
電源ケーブルの他にUSB3.2 Gen1 Type-CケーブルとHDMI 2.0 ケーブルが同梱されています。

Macソフト「Display Pilot 2」で細かくカスタム。“こだわり派”の需要にも応えます

Macソフト「Display Pilot 2」を使えば、MA320Uのカラーモードや輝度調整、音量などの設定がMacのメニューバーから簡単に行えます。カラーモードに関してはDisplay P3やsRGB、HDRといったおなじみのものからシネマやゲーム、コーディングなど用途別のモードに加え、モノクロの電子書籍やドキュメントを読むためのePaperといったユニークなものまで用意してあります。

「Display Pilot 2」をインストールするとメニューバーから各種設定や変更が行えるパレットにアクセスできます。パレット内に表示する項目もカスタマイズ可能です。
輝度調整の同期はカラーモードの設定画面で[すべてのディスプレイの輝度を同期]にチェックを入れるだけ。これでMacBook側で輝度調節するとディスプレイ側も一緒に輝度が変化します。

豊富なカラーモードを備えますが、Macの外付けディスプレイとして使うならMacBookシリーズの視覚的差異を最小化した「M-book」一択で間違いなし。加えて「Display Pilot 2」で「ICCsync」を有効にしておけば、MacBookと外付けディスプレイの色を一致させることができます。余程でなければ細かな調整は必要ないでしょう。

カラーモードは用途に応じて変更できますが、とりあえずカラーモードは「M-book」にしておけば間違いありません。それぐらいMacBookのディスプレイとマッチしています。

レビュー後、即「MA320U」を自腹購入。それだけMacとの相性がいいんです

本製品を使ってみてもっとも感動したのが輝度調整の同期です。これを有効にしておけば、MacBookのファンクションキーに割り当てられた特殊機能キーでディスプレイの輝度を変更すると、同期してディスプレイの輝度も上げ下げしてくれます。外付けディスプレイの音量調整もMacBook側のボリュームキーで行えます。

また、普段からMacで「集中モード」を利用しているなら、「FocuSync」の機能がおすすめです。ディスプレイ設定を連係しておくことで、「集中モード」の切り替えでカラーモードやブルーライト軽減、音量などを切り替えできます。

集中モードに応じてカラーモードなどを切り替えるのが「FocuSync」の機能です。Display Pilot 2の設定画面で集中モードごとにカラーモードやブルーライト軽減、オーディオなどを設定しておくと、集中モードを切り替えるだけでディスプレイ側の設定を切り替えてくれます。

レビューを済ませて返却し、元のディスプレイに戻しましたが、画質の違いに耐えられず、その日のうちに「MA320U」を購入しました。このディスプレイはMacBookユーザにとって、価格以上の価値があると感じます。

ディスプレイの性能には関係ありませんが、ベースプレートに貼ってあるクッションも気に入ったポイントの1つです。
ベースプレートの上にMacBookを置いても底面が擦れて傷付く心配もないし、ちょっとした物を置くスペースとしても利用できます。

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著者プロフィール

松山茂

松山茂

東京の下町・谷中を拠点として日々カメラと猫を愛でながら暮らすフリーライター。MacやiPhone、iPadを初代モデルから使ってきたのが自慢。

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