Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

Macの純正「メモ」を“リッチテキスト”化! 「ProNotes」アプリを使って文字スタイルを変更してみよう

著者: 栗原亮

Macの純正「メモ」を“リッチテキスト”化! 「ProNotes」アプリを使って文字スタイルを変更してみよう

実は高機能な「メモ」アプリ。でも、テキスト編集ツールとしては機能不足も否めない

Macに標準搭載される「メモ」はその名称やアイコンのイメージから、テキストを一時的に記録するだけのソフトと思われがちです。しかし、同ソフトの英語名称は「Notes」となっているように、実はとても高機能な文書作成ソフトです。

たとえば、最新バージョンには、画像やWebサイトのスマートリンクの追加、メモ同士のディープリンク、PDFのスライド表示、チームでのメモ共有などの機能が搭載されています。使い方次第では、「Notion」などの情報整理ツールのように活用することも可能でしょう。

しかし、その一方でテキスト編集ツールとしては、少々使いにくい点もあります。特に、文章のタイトルや見出しを設定したり、リストを追加したりするには、ツールバーのアイコンをクリックしなければならず、操作性はあまりよくありません。

「ProNotes」を使えば文字スタイルの変更が可能! “スラッシュコマンド”にも対応します

そこで見つけたのが、「ProNotes」です。この機能拡張ソフトをインストールすると、「メモ」でテキストを選択したときにスタイルの指定やリストを追加するためのメニューがポップアップ表示されるので目的の操作を素早く実行でき、作業効率が大幅にアップします。

ProNotes

【開発】
ProNotes
【価格】
無料(有料版:7ドル99セント/月)
「ProNotes」の公式サイトから[Download for Mac]をクリックし、登録したメールアドレスに送られてくるリンクからソフトをダウンロードします。初回起動時に「システム設定」の[プライバシーとセキュリティ]の[アクセシビリティ]から[ProNotes]のアクセス許可をオンにしておきます。
ProNotesをインストールすると、「メモ」でテキストを選択した際に、段落スタイルのメニューがポップアップされ、素早く変更できます。
設定パネルの[General]タブで、各種カスタマイズが可能です。[Slash Commands]や[Markdown]を利用する場合は、ここからオンになっているか確認しましょう。また、[Language Settings]から日本語に変更できます。

また、「Slack」などのソフトで使われる「スラッシュコマンド」に対応しているので、[/]キーと矢印キーを使って、メモ内のテキストを迅速に整理できるのも大きな魅力です。

スラッシュコマンドを有効にしておくと、「メモ」のツールバーにあるスタイルやチェックリスト、表などの機能を[/]キーで呼び出せます。

さらに、テキストを構造的に記述する「Mark down」記法にも対応。専用Markdownエディタを利用しなくても「メモ」ソフトだけで効率的な文章作成が行えます。

Markdown記法が有効になっている場合は、見出しのスタイルを変更したい場所にポインタを合わせ、英数入力で[#]キーを数回押し、半角スペースを押すとスタイルが変更されます。

実際に使った感想としては、「メモ」を起動せずにメモ内検索を行う機能が不安定である点や、有料版(月額7ドル99セント)で使える「ChatGPT」連携機能が中途半端といった不満もあります。ただし、「メモ」で文書作成をより快適に行いたい人にとっては十分に使う価値のあるソフトです。無料で試すことができますので、ぜひ使ってみてください。

著者プロフィール

栗原亮

栗原亮

1975年東京都日野市生まれ、日本大学大学院文学研究科修士課程修了(哲学)。 出版社勤務を経て、2002年よりフリーランスの編集者兼ライターとして活動を開始。 主にApple社のMac、iPhone、iPadに関する記事を各メディアで執筆。 本誌『Mac Fan』でも「MacBook裏メニュー」「Macの媚薬」などを連載中。

この著者の記事一覧