CZUR Fancy S Pro
- 【発売】
- CZUR
- 【価格】
- 2万4860円
【サイズ】6.5(W)×8.0(D)×29.35(H)cm
【主なスペック】重量:590g(本体のみ)/730g(ケース収納時)、センサ:1/3.1インチCMOSセンサ、画素数:1200万画素(4000×3000ピクセル)、フレームレート15fps(4K)/60fps(1080p)、解像度:330dpi(A4)/240dpi(A3)、接続:USB 2.0
【URL】https://www.makuake.com/project/czur_fancy02/
歪みや影を自動で補正し、本を壊さずにスキャンできる!
フリーランスの私は、月末になると大量のレシートを撮影して経理処理を行っています。これまではiPhoneの「ファイル」アプリに搭載されている、変形を自動で補正してくれるスキャン機能を活用していたのですが、画質は正直イマイチ。もう少し高画質でスキャンできるツールが欲しいと思っていました。
また、仕事の打ち合わせで手元の書類や本の中身を共有したいときがあるのですが、そのためだけにわざわざスキャナを買うのはもったいないですよね…。
そんな私が興味を持ったのが「CZUR Fancy S Pro」です。スキャナとWebカメラ、書画カメラを全部こなせる「1台3役」の多機能さが心に刺さりました。クラウドファンディングサービス「Makuake」にてアンコールプロジェクトを受付中の製品(2024年9月19日(木)11時〜2024年10月16日(水)22時まで)ですが、一足先にメーカーから実機をお借りし、検証する機会をいただきました。
製品が届いて、まず試したのはスキャナ機能です。上から対象物を写すだけで手軽に使え、iPhoneのスキャン機能よりも断然高画質。A4サイズの書類も、端までシャープに撮影できます(最大A3サイズまで対応)。標準設定では文字や図形の輪郭をクッキリと明確にする自動補正が働きますが、モードを変えて写真などを自然に見せることもできます。
本を開いた状態でスキャンできるのも魅力です。ページを切り取らずに歪みや影を補正してくれるので、大切な本を破壊しなくて済むのがありがたいです。
1台3役でコストパフォーマンス抜群!
Webカメラとしての性能は、4K/15fpsまたは1080p/60fpsに対応。映像はシャープでマイク品質もクリアだと感じました。ライトを内蔵しているため、自分の顔を明るく映し出せるのも魅力です。
さらに、カメラを下に向けるだけで書画カメラに早変わり。10cmの距離までピントが合うため、名刺などの小さなアイテムもハッキリと見せることができます。ピント合わせの速度もまったく不都合を感じませんでした。
なお、カメラは1200万画素で、スキャナとして利用したときの解像度はA4サイズで330dpiになります(撮影する書類サイズによって実質的な解像度が異なる)。
スペック面では、残念ながらフラットベッドスキャナや高解像度のブックスキャナには敵いません。さらにシビアなことを言えば、縦横比が5%ほどズレたのは気がかりでした(ソフト側で数値指定して調整が可能)。図面や書籍・雑誌などの高品質なデジタル化を求めるなら、ほかの製品を検討したほうがいいでしょう。
しかし、この製品の魅力は、2万4800円という価格で1台3役をこなせるコスパの良さにあると思います。価格を考えれば、それぞれの役割で十分な性能を発揮しています。Webカメラとして普段から机に乗せておき、スキャニングしたくなったらレンズを下向きにしてサッと撮影できる、その手軽さがうれしいです。
※この記事は『Mac Fan』2024年9月号に掲載されたものです。
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著者プロフィール
小平淳一
Apple製品を愛するフリーランスの編集者&ジャーナリスト。主な仕事に「Mac Fan」「Web Desinging」「集英社オンライン」「PC Watch」の執筆と編集、企業販促物のコピーライティングなど。ときどき絵描きも。Webの制作・運用も担う。