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パソコンの大敵「急な停電」。いざという時に備えてMacと使えるUPS(無停電電源装置)を買ってみた

著者: 栗原亮

パソコンの大敵「急な停電」。いざという時に備えてMacと使えるUPS(無停電電源装置)を買ってみた

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※本記事は『Mac Fan』2021年9月号に掲載されたものです。

鉛蓄電池を搭載したUPS(無停電電源装置)でMacを守る!

今年はゲリラ豪雨が相次ぎ、これまで経験したことがないような激しい雷雨に見舞われるケースが増えています。そうすると心配になるのが、Apple製品をはじめとする精密機器への影響です。

特にiMacなどのデスクトップ型Macは瞬間的な停電(瞬停)であっても、作業中のデータが破損する可能性があります。一方、MacBookシリーズなどのモバイル機器はバッテリを内蔵しているため停電の影響は受けにくいものの、充電などで電源に接続していた場合、落雷によって生じた過電流(雷サージ)のダメージが及ぶ可能性があります。

雷サージからの保護回路を搭載した電源タップなどもありますが、瞬停の対策も考えると、鉛蓄電池を搭載したUPS(無停電電源装置)が雷対策の切り札となります。

UPSはもともと停止することが許されないサーバなど業務用向けの製品で、家庭向けの小容量バッテリのモデルでも数万円以上するのが普通でした。ところが、最近は比較的リーズナブルな製品が登場していて、量販店でも4000〜7000円台のモデルを見かけます。UPSのバッテリ寿命は平均3年ほどなので、保険として考えれば月数百円程度となり、そこまで割高には感じません。

Macの電源をUPSから供給すると、システム環境設定の[バッテリー]パネルに[UPS]の項目が追加されて電力使用量に関するオプションが利用できます。

UPSの価格は5000円~1万円までさまざま。専用ソフトを提供するものも。

そこで、ためしにCyberPowerというメーカーのUPSを導入してみました。最安ランクのモデルではMacとの通信ができず停電保護機能のみでしたが、「CP550 JP」というモデルにはMac用の管理ソフトがあり、現行のM1 MacとmacOS Big Surにも対応。このようなMacと通信できるUPSであれば、「システム環境設定」からもUPSの電源管理ができて便利です。

CyberPowerの「CP550 JP」を導入してみました。UPSとしては比較的リーズナブルです。本体は3.02kgと重たいものの、壁掛けにも対応しています。

同社のUPSに対応する「PowerPanel Personal for Mac」をインストールすると、USBケーブルで接続したUPSの詳細な情報を取得し、スケジュールなどの設定ができます。

最近のUPSはコスパに優れているので、不安定な天候に備えて大切なMacや周辺機器を守ってみてはどうでしょうか。

CP550 JPでは、電力使用状況の確認や電気料金のシミュレーションといったユニークな機能も利用できます。なお、8つのコンセントのうち4つがバックアップ電源、サージ保護のみが4つとなっています。

CP550 JPの全負荷時のランタイムは2分。つまり完全に停電しても2分間はバッテリ駆動しますので、Mac側で自動シャットダウンする設定をしておけば安全にシステムを終了できます。

Mac用の管理ソフトが不要な場合は、「CP375 JP」という製品がおすすめです。実売5000円以下で販売されていることもあり、ルータなど周辺機器の保護だけであれば十分な機能を持ちます。

著者プロフィール

栗原亮

栗原亮

1975年東京都日野市生まれ、日本大学大学院文学研究科修士課程修了(哲学)。 出版社勤務を経て、2002年よりフリーランスの編集者兼ライターとして活動を開始。 主にApple社のMac、iPhone、iPadに関する記事を各メディアで執筆。 本誌『Mac Fan』でも「MacBook裏メニュー」「Macの媚薬」などを連載中。

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